北朝鮮がハッキングでファイザーのワクチンを盗もうとしていたことが判明
2021年2月16日、北朝鮮が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンデータの取得を目的として、アメリカの製薬大手・ファイザーにハッキングを仕掛けていたことが判明しました。
North Korea tried to steal Pfizer coronavirus vaccine information, South says - The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/north-korea-pfizer-coronavirus-vaccine-hack/2021/02/16/c09ec7fc-702e-11eb-8651-6d3091eac63f_story.html
North Korean hackers tried to steal Pfizer vaccine know-how, lawmaker says | Reuters
https://www.reuters.com/article/us-northkorea-cybercrime-pfizer-idUSKBN2AG0NI
韓国諜報当局のハ・テギョン氏は記者団に対し「北朝鮮がCOVID-19のワクチンと治療法データに関する情報を得るため、ファイザーにハッキングを仕掛けた」と発表しました。ハ氏はハッキングが行われた時期やハッキングが成功したかなどについての質問には回答しませんでした。
北朝鮮がCOVID-19に関するハッキングを行ったのは、今回が初めてではありません。2020年10月にも政府の支援を受けたハッカー集団による大手製薬会社へのハッキングが行われており、ハ氏は1年間で北朝鮮によるハッキング行為が32%増加したと述べています。
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また、ファイザーが開発したワクチン情報がハッキングの対象になるのも初めてではないとのこと。2021年1月には医薬品の審査を行うEUの専門機関・欧州医薬品庁(EMA)がサイバー攻撃を受け、ファイザーとBioNTechが開発したCOVID-19のワクチン情報がリークしたことが判明しています。
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なお、北朝鮮は2021年1月時点でも「国内のCOVID-19感染者数はゼロである」と主張しています。
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しかし、北朝鮮はWHOが支援するワクチン配布プログラム「COVAX」に約200万回分のワクチンを要求したと公式に認めています。また、北朝鮮は国内への感染拡大を避けるために各国との貿易を停止したり、中国との国境に地雷を設置したりといった対策を講じていると報じられています。
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