「Appleの電気自動車を恐れてはいない」とフォルクスワーゲンCEOが明言
by Spanish Coches
ドイツ自動車製造大手のフォルクスワーゲンのヘルベルト・ディースCEOが、Appleが独自に開発中であると報じられている電気自動車に関して「我々は恐れてはいません」と発言。自動車製造への参入はIT系大手であっても困難であるという見解を示しました。
Volkswagen CEO Diess 'not afraid' of an Apple electric car | Reuters
https://www.reuters.com/article/us-volkswagen-apple/volkswagen-ceo-diess-not-afraid-of-an-apple-electric-car-idUSKBN2AE0GN
Volkswagen CEO: I'm not scared of Apple - CNN
https://edition.cnn.com/2021/02/14/tech/volkswagen-ceo-apple/index.html
2015年頃からAppleは電気自動車を自社開発する「プロジェクト・タイタン」を極秘裏に推し進めていると報じられてきました。プロジェクト・タイタンにまつわる噂は2021年に入ってから加熱し始め、2021年1月には「Appleが自動運転車の製造をヒュンダイに委託する」という噂が流れました。
「Appleの自動運転車をヒュンダイが製造する」と韓国紙が報道 - GIGAZINE
「自社製自動車に関する何らかの公式発表を行う可能性があるのでは」といわれるAppleに関して、フォルクスワーゲンのヘルベルト・ディースCEOは自動車製造に対する参入障壁の高さについて語っています。ディースCEOはドイツ紙のFrankfurter Allgemeine Sonntagszeitungのインタビューに対し、Appleはバッテリーやソフトウェア、デザインなどに関する専門知識を有することから、自動車製造に参入するという流れは「論理的である」という見方を示しつつ、「自動車産業は典型的なテクノロジー部門とは異なるため、たった1回の行程で引き継げるようなものではありません」と回答。「Appleが一夜にして電気自動車の製造をできるようになるということはないでしょう」とコメントしました。
フォルクスワーゲンは2013年に「e-up!」で電気自動車分野に参入したのを皮切りに、「電気自動車分野で世界のマーケットリーダーになる」という標語のもと、2025年の電気自動車生産目標を150万台としています。さらに、2021年2月10日にはMicrosoftと提携し、自動運転ソリューションを強化すると発表。Appleの噂に対してディースCEOが「我々は恐れていません」と強気の姿勢を見せたのは、こうした電気自動車製造や自動運転技術開発に対する取り組みを続けていることが背景にあると報じられています。
Volkswagen Group teams up with Microsoft to accelerate the development of automated driving - Stories
https://news.microsoft.com/2021/02/10/volkswagen-group-teams-up-with-microsoft-to-accelerate-the-development-of-automated-driving/
なお、前述の「Appleが自動運転車の製造をヒュンダイに委託する」という噂は、ヒュンダイと起亜自動車が2021年2月8日に公式に否定しています。このヒュンダイと起亜自動車が公式発表を行った背景には、「ヒュンダイとの提携に触れたリーク情報が秘密主義で知られるAppleの不興を買ったのでは」と報じられています。
ヒュンダイと起亜が「Appleとは自動車に関する協議をしていない」と発表、両社の株価は大幅下落 - GIGAZINE
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