Appleが独自の自動運転車開発に向けて電気自動車メーカーを買収しようとしていたことが判明
Appleが2020年に、アメリカの電気自動車メーカーであるCanooと提携に向けた協議を行っていたことが、報道により明らかになりました。デジタル製品と自動車という、大きく異なる製品を手がけている2社が協力体制の構築を計画した背景には、Apple独自の自動運転車開発を目指す「プロジェクト・タイタン」があるとされています。
Exclusive: Apple held talks with EV startup Canoo in 2020 - The Verge
https://www.theverge.com/2021/1/12/22225026/apple-canoo-acquisition-investment-electric-car-goev
Appleは2015年に「プロジェクト・タイタン」を始動させましたが、2019年に同計画に携わる技術者を大量に解雇。Apple独自の自動運転車を開発する計画は頓挫した可能性があると指摘されていました。
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しかし、Appleはその後も自動車に関する特許を複数取得するなど計画を進めており、2020年12月には「2024年にAppleの自動運転車が登場する」と報じられています。
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そんな中、IT系ニュースサイトThe Vergeが2021年1月12日に、「Appleは2020年にEVスタートアップ・Canooとの提携に向けた重要な協議を行っていた」と報道しました。Canooは、2017年にEVスタートアップ・Faraday Futureから独立した電気自動車メーカーです。
The Vergeに情報を寄せた3人の関係者によると、Appleは特にCanooが持つ柔軟で拡張性の高い電気自動車の生産体制や、電気自動車用シャーシの「Skateboard」に強い興味を示したとのこと。また、3人中2人は「議題が投資から買収まで幅広い選択肢にまで及んでいた」と証言していますが、交渉は最終的に決裂したそうです。
The Vergeは「AppleがCanooに関心を寄せているというニュースに加えて、ロイター通信は『早ければ2024年にもAppleの自動運転車が製造開始される』と報じています。長年にわたり、Appleのプロジェクト・タイタンは形を変えながら継続されてきましたが、Appleはここに来て再び自動運転車の開発に注力し、技術設計や製造を外部委託しようとしているようです」と述べて、Canooとの協議はプロジェクト・タイタンにまつわるものであるとの見方を示しました。
by Blake Patterson
2020年にアメリカの証券取引委員会に提出された資料の中でCanooは、「自社の技術やノウハウの活用に興味を持っている複数の優良企業と協議中である」と発表しており、その中にAppleも含まれていた可能性が高いと見られています。
Canooのエグゼクティブ・チェアマンを務めるトニー・アクィラ氏はThe Vergeに対して「当社は、適切な場合を除き戦略的な協議やパートナーシップについて、公然とコメントすることはありません」と述べてコメントを拒否。Appleもコメントは差し控えると回答したとのことです。
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