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イーロン・マスク氏が「ChatGPTのライバル」開発チームを募集中との報道

by Steve Jurvetson

イーロン・マスク氏が、OpenAIの大規模言語モデルである「ChatGPT」に匹敵するAIの開発を目指して新しいAI研究所の設立を計画していることが報じられました。

Fighting ‘Woke AI,’ Musk Recruits Team to Develop OpenAI Rival — The Information
https://www.theinformation.com/articles/fighting-woke-ai-musk-recruits-team-to-develop-openai-rival

Elon Musk recruits team to develop OpenAI's ChatGPT rival - The Information | Reuters
https://www.reuters.com/technology/elon-musk-recruits-team-develop-openai-rival-information-2023-02-28/

海外メディアのThe Informationが2023年2月27日に伝えたところによると、マスク氏はGoogleの親会社・Alphabet傘下のAI企業であるDeepMindを2月に退職したばかりのイゴール・バブシュキン氏に声をかけているとのこと。The Informationは情報源について、AI開発チームの立ち上げを目指すマスク氏の取り組みに直接携わっている人物の話であるとしています。


マスク氏が新しいAI研究所の設立を目指したきっかけは、OpenAIが開発したChatGPTだとされていますが、そもそもマスク氏はOpenAIの現CEOであるサム・アルトマン氏らとともに2015年にOpenAIを立ち上げた共同設立者の1人でした。

その後、マスク氏は2016年のインタビューで「近い将来、AIは最も人類に影響を与えるものになる」との展望を語る一方で、2017年にはAIを危険視するAI脅威論を掲げてAIの未来を楽観視するマーク・ザッカーバーグ氏と舌戦を繰り広げています。

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by JD Lasica

そして2018年に入ると、テスラが自動運転車用のAI開発に着手したことから、マスク氏は「将来的に利害が対立する可能性がある」として、OpenAIの役職から退きました。

今回の報道では、マスク氏がChatGPTに代わるAIの開発を念頭に、AI研究チームの結成についてバブシュキン氏に打診したと報じられていますが、プロジェクトはまだ初期段階なので、具体的な製品開発計画はないとのこと。また、バブシュキン氏はマスク氏のイニシアティブに正式に参加するかどうかの態度をはっきりさせていないとも伝えられています。

マスク氏は27日のツイートで、「今日は、AIの実存的不安について少し考えています。しかし、汎用(はんよう)人工知能(AGI)の実存的な不安について総合的に考えると、過去に生きていてAGIを目撃できないよりは、今を生きていてAGIを目撃できる方がいいと思っています」と述べて、人間と同等以上の思考力を持つAGIに対する不安と期待が入り交じった心情を吐露しました。

But, all things considered with regard to AGI existential angst, I would prefer to be alive now to witness AGI than be alive in the past and not

— Elon Musk (@elonmusk)

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in ソフトウェア, Posted by log1l_ks

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