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中国の人々は政府による検閲が行われていない音声ベースSNSの「Clubhouse」に集まっている

by Craig Nagy

音声ベースの招待制SNS「Clubhouse」は、2021年1月下旬に日本でもサービスが開始されて以来、著名人を含む多くの人々から人気を集めています。そんなClubhouseに、アプリやネットサービスに対する政府の検閲が厳しい中国の人々が集まり、政治的な話題についてオープンな会話を行っているとロイター通信が報じました。

Chinese users flock to U.S. chat app Clubhouse, evading censors | Reuters
https://www.reuters.com/article/BigStory12/idUSKBN2A705H

Clubhouseは自分やその他のユーザーが立ちあげた「ルーム」に入室して音声会話を行ったり、誰かの発言を聞いたりすることができる音声ベースのSNSです。ルームは全てのユーザーに公開するか友だちのみに公開するかを選ぶことができるため、クローズドな環境で人々と話すことができる点も特徴となっています。


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック中に人気を博したClubhouseは、2021年1月に2回目の資金調達に成功したと発表。今後はサーバーなどのインフラストラクチャーを拡充して世界中にサービスを展開するほか、ユーザーがClubhouseで収益化する方法を提供するとしていました。

音声ベースの招待制SNS「Clubhouse」が2回目の資金調達に成功、Android版アプリもリリース予定 - GIGAZINE


共産党を弱体化させる可能性があるコンテンツを排除するために厳しい検閲が行われている中国では、TwitterやFacebook、YouTubeといった欧米のソーシャルメディアアプリの多くが禁止されています。ところが、Clubhouseはこれまでのところ禁止されておらず、中国のユーザーは検閲を回避できるプラットフォームとしてClubhouseに集まり始めているとロイター通信は述べています。

記事作成時点では、ClubhouseはiOSアプリのみが利用可能であり、中国のApp Storeからは入手することができません。しかし中国のユーザーは、App Storeの国や地域を変更することで制限を回避し、Clubhouseアプリを入手しているとのこと。Clubhouseへ参加するには既存ユーザーからの招待が必要であり、中国のオンライン通販サイトでは「Clubhouseへの招待権」が50~400元(約820円~6500円)で取引されているそうです。

ロイター通信によると、Clubhouseの中国語ルームでは新疆ウイグル自治区の強制収容所や台湾の独立、香港の国家安全保障といった政治的にデリケートなトピックが話されているそうで、中には数千人ものユーザーが参加するルームもある模様。また、中国や台湾、香港のネットユーザーが政治的緊張についてオープンに語るルームも存在するなど、Clubhouseは中国のユーザーにとって政治的な話題を話せる貴重な場となっています。

陰謀論者や極右グループの活動が盛んな匿名海外掲示板の8kun(8chan)をはじめとして、中国でも利用できるソーシャルメディアも確かに存在するものの、これまでClubhouseがブロックされていない理由については不明です。中国語版TwitterのWeiboでは、あるユーザーがClubhouseにおけるオープンな交流について、「この環境がどれほど続くのかはわかりませんが、私はインターネットの歴史におけるこの瞬間を確実に覚えています」と述べました。

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in モバイル,   ネットサービス, Posted by log1h_ik

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