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中国がClubhouseへの接続を遮断


音声ベースの招待制SNS「Clubhouse」は2021年に入って人気が急上昇したアプリで、特に中国では「政府による検閲を回避できる」として人気が爆発。eコマースサイトでClubhouseへの招待が400元(約6000円)で販売される事態になっていました。しかし、2021年2月9日ごろから中国からClubhouseへのアクセスが遮断され始めていると海外メディアのニューヨーク・タイムズが伝えています。

China Blocks Clubhouse App After Brief Flowering of Debate - The New York Times
https://www.nytimes.com/2021/02/08/world/asia/china-clubhouse-blocked.html

ClubhouseはiOS専用のアプリで、もともと中国国内では配信されておらず、中国のユーザーはApp Storeの国や地域を変更することでClubhouseを入手していたとのこと。中国のユーザーは天安門事件や中国の治安当局などの本土では検閲の対象になるトピックについて議論し、中には5000人以上が集まる中国語のチャットルームもあったといます。

中国の人々は政府による検閲が行われていない音声ベースSNSの「Clubhouse」に集まっている


しかし2021年2月9日ごろから中国国内からのClubhouseへのアクセスが遮断され始めます。多数の中国国内のユーザーがアプリを使おうとした時にエラーメッセージを受け取ったといい、さらに中国で人気のSNS「Weibo(新浪微博)」で「Clubhouse」の検索結果が表示されなくなったとのこと。VPNを使用して接続していた一部のユーザーは依然利用が可能だとのことですが、大多数のユーザーは自由な議論の場を失うこととなりました。

中国で展開するソーシャルメディア企業はユーザーの身元を監視し、警察とデータを共有し、厳格な検閲ガイドラインを順守する必要があります。中国では欧米の主要なニュースサイトやTwitter、FacebookといったSNSへのアクセスが完全にブロックされており、中国で許可されているWeiboや「Wechat(微信)」は厳しく規制・監視されています。中国共産党が支援するタブロイド紙「環球時報」は中国国内でのClubhouseの人気が高まっていることに不快感を示し、海外向けサイトで「モデレーターが簡単に言論統制を行えるClubhouseのようなソーシャルプラットフォームには、言論の自由は決してない」との社説を掲載しています。

なお、ニューヨーク・タイムズによると、Clubhouseで行われた中国語の会話は政治的なものだけではなく、音楽やアニメ、交友関係や仕事などの会話もあったとのこと。中国ではClubhouseのようなアプリへの関心が高まっており、技術界の一部は同様のオンライン会話プラットフォームが立ち上げることを約束しているといいます。カリフォルニア州に拠点を置くニュースサイトChina Digital Timesの創設者であるXiao Qiang氏は「Clubhouseはまさに中国政府が嫌う『自由奔放な議論の場』であり、中国の人々がこういった場を渇望していることを思い出させてくれる」と述べています。

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in ソフトウェア,   ウェブアプリ, Posted by log1p_kr

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