メモ

エジプトで3000年以上前に埋葬された全長4メートルの「死者の書」を含む50以上の棺と大量の埋葬品が発掘される


2021年1月にエジプト考古省が、古代エジプトの埋葬場(ネクロポリス)として知られているサッカラで、エジプト第6王朝の初代ファラオであるテティ王の妻・ニアリット女王の埋葬殿を発掘したと発表しました。これと同時に、エジプト新王国時代に埋葬されたと思われる棺も発見され、専門家は「サッカラの歴史を書き換える発見」だと主張しています。

Funerary temple of Queen Nearit, wife of Pharaoh Teti, discovered - Daily News Egypt
https://dailynewsegypt.com/2021/01/16/funerary-temple-of-queen-nearit-wife-of-pharaoh-teti-discovered/


Egypt unveils treasures found at ancient site - France 24
https://www.france24.com/en/live-news/20210117-egypt-unveils-treasures-found-at-ancient-site-1

Egypt unlocks more secrets in Saqqara with discovery of temple, sarcophagi - ABC News
https://abcnews.go.com/International/egypt-unlocks-secrets-saqqara-discovery-temple-sarcophagi/story?id=75322551

Egypt Saqqara: Ancient coffins, burial sites and a funeral temple discovered in necropolis will 'rewrite history' | CNN Travel
https://edition.cnn.com/travel/article/egypt-saqqara-coffins-intl-scli/index.html

13-foot-long 'Book of the Dead' scroll found in burial shaft in Egypt | Live Science
https://www.livescience.com/queen-temple-book-of-dead-found-egypt.html

テティ王は紀元前24~22世紀頃にエジプトを支配していたエジプト古王国最後の王朝・エジプト第6王朝の初代ファラオであり、古代のネクロポリスであるサッカラにはテティ王のピラミッドがあります。サッカラの調査を行うエジプトの発掘チームは、数年前にテティ王の妻・ニアリット女王の埋葬殿を一部発見しており、今回の発掘では埋葬殿のさらに広範囲のレイアウトがわかったほか、供物などを保管する3つの泥レンガ倉庫も見つかったとのこと。

また、発掘チームはニアリット女王の埋葬殿の付近で、深さ10~12mの地点にあった埋葬用の縦穴を20以上発見し、内部から50以上もの木製の棺を発掘したと報告しました。今回新たに発掘された棺はエジプト第6王朝の時代ではなく、紀元前1570~紀元前1070年頃のエジプト新王国時代に埋葬されたものでした。以前からサッカラでは棺が発掘されていましたが、いずれも紀元前7~1世紀のエジプト末期王朝およびプトレマイオス朝のものであり、3000年以上前の棺が発見されたのはこれが初だそうです。

今回発掘された木製の棺や埋葬品、死者の書の断片などは以下のムービーで見ることができます。

New discovery in Giza | Archeologists found funerary temple of Queen Neit - YouTube


サッカラの発掘サイトは深く掘り下げられ、大勢の考古学者らが発掘作業を行っています。


発見された埋葬用の縦穴からは50以上の棺が見つかりました。


埋葬されたのはファラオの近くに埋葬されることを望んだテティ王の崇拝者だとみられており、新王国時代におけるテティ王崇拝の重要性を強調する発見だと発掘チームを率いたザヒ・ハワス氏は述べています。


棺の周囲では冥界の神であるアヌビス神をまつる神社も見つかっているほか、副葬品として葬祭用のマスク、鳥の形をした工芸品、青銅の斧、来世で遊ぶためのボードゲーム、死者に課せられる労働を代行するために作られた「シャブティ」という人形なども発見されました。


また、保存状態のよい石灰岩の石碑なども見つかっています。


この石碑はKha-Ptahという男性とその妻であるMwt-em-wiaという女性のもの。石碑の上部ではオシリス神に敬意を表する2人の姿が刻まれており……


下部では夫婦の前に6人の子どもが並んでいる姿が刻まれています。座ってハスの花の香りをかいでいる3人は娘、立っている3人は息子だそうで、子どものうち2人は新王国第19王朝のファラオ・ラムセス2世の家族にちなんだ名が付けられているとのこと。Kha-Ptahは第19王朝において軍のチャリオットを指揮する権力者だったとみられています。


また、全長4mもの「死者の書」の第17章を含むパピルスも棺と一緒に発見されました。


死者の書は、肉体を離れた死者の魂が死後の楽園にたどり着くまでの過程を説明した書であり、古代エジプトでは死者と共に埋葬されました。


エジプト考古省は声明で、「今回の発見によりサッカラは末期王朝時代だけでなく、新王国時代にも埋葬に使用されたことがわかりました」と発表。ハワス氏は、「この発見はサッカラの歴史、具体的には約3000年前に始まった新王国時代の歴史を書き直します」と述べています。

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in メモ,   動画, Posted by log1h_ik

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