任天堂が「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」のハッキング動画を著作権侵害で削除するよう求める
2020年11月13日に発売された「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」は、1980年に登場した携帯型ゲーム機「ゲーム&ウォッチ」でマリオをプレイできるゲーム機です。そんな「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」をハッキングして別のゲームをプレイするムービーが、任天堂による著作権侵害の申し立てを受けて削除されたと報じられています。
Nintendo Pulls Videos of Game & Watch Hacking
https://gizmodo.com/nintendo-is-making-copyright-claims-on-videos-of-game-1846040532
Nintendo uses copyright claims to take down Game & Watch hacking videos | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2021/01/nintendo-uses-copyright-claims-to-take-down-game-watch-hacking-videos/
初代「スーパーマリオブラザーズ」のリリースから35周年を記念して発売された「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」は、ファミリーコンピュータ版の「スーパーマリオブラザーズ」「スーパーマリオブラザーズ2」と、ゲーム&ウオッチの「ボール」をプレイできる携帯型ゲーム機です。実際に「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」でゲームをプレイする様子は、以下の記事で読むことができます。
初代マリオやゲーム&ウオッチの「ボール」が遊べる「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」を実際にプレイしてみた - GIGAZINE
「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」でプレイできるゲームは3種類に限定されていますが、一部のハッカーはより多くのゲームをプレイできる方法がないかを模索してきました。動画投稿者のstacksmashing氏もその1人であり、「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」を分解し、ハードウェアやソフトウェアがどの程度カスタマイズ可能かを確認したとのこと。
分解の結果、「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」は非常にシンプルな作りであることが判明。拡張可能なメモリがなく、USB-Cポートは充電専用であり、インターネットに接続することもできないため、stacksmashing氏はメモリを別のROMファイルと交換するという手法で、デフォルトで搭載されていないゲームをプレイすることに成功しました。
実際に「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」でFPSの古典的名作である「DOOM」をプレイする様子は、以下のムービーで見ることができます。
DOOM on the Game and Watch - YouTube
また、stacksmashing氏はDOOMだけではなく、「ポケットモンスター」や……
Had to make this happen with @kbeckmann! pic.twitter.com/vr4RkjnCwq
— stacksmashing (@ghidraninja) November 25, 2020
「ゼルダの伝説」などのプレイも行っています。
We also couldn’t leave Link hanging, so here’s Zelda! pic.twitter.com/I1zosHevr9
— stacksmashing (@ghidraninja) November 24, 2020
ところが2021年1月12日、stacksmashing氏は2つの「『ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ』をハッキングする方法」について解説したムービーに対し、任天堂が著作権侵害の申し立てを行ったというYouTubeからの通知を受け取りました。その結果、申し立てを受けた2本のムービーを削除したとのこと。
So this just happened. pic.twitter.com/A2friEyQKK
— stacksmashing (@ghidraninja) January 12, 2021
stacksmashing氏によると、申し立てが行われた2本のムービーには「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」でゲームをプレイする様子が映っており、この部分で著作権侵害が認定された可能性がある模様。ゲーム画面にぼかしを入れたムービーについては、記事作成時点で著作権侵害の申し立てが行われていないため、stacksmashing氏は削除したムービーを編集して再度公開する予定だそうです。
テクノロジー系メディアのArs Technicaは、「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」のゲーム画面を映してレビューするムービー自体は、YouTube上に大量に投稿されていることを指摘。任天堂はゲーム画面を映した全てのムービーをターゲットにしているわけではなく、デジタルミレニアム著作権法による幅広い裁量を利用して、内容に応じて著作権侵害の申し立てを行っていると述べました。
なお、任天堂は任天堂の著作物の利用に関するガイドラインに従う限り、ゲームをキャプチャーした映像やスクリーンショットの投稿について著作権侵害の申し立てを行わないとしています。ガイドラインでは、「任天堂の商品またはサービスの正常な動作を妨げたり、安全性を損ねたりする行為」「不正にコピーされたゲームソフト、改造されたゲームソフト」「技術的制限手段の回避、不正な改造またはこれらを可能にする物」に関する投稿が削除されると説明されています。
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