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任天堂は今後もアイテム課金ビジネスに参入せず、2011年度決算説明会まとめ


任天堂の2011年度決算説明会の中で、岩田聡社長が、ソフトを長く深く楽しんでもらうための追加コンテンツ販売は行うが、射幸性の高いアイテム課金(ガチャ課金)については今後も行うつもりがないことを改めて明言しました。これは、2012年夏に発売予定のニンテンドー3DS向けソフト「とびだせ どうぶつの森」がアイテム課金ゲーム化するのではないかという声を受けてのもの。

2012年4月27日(金)決算説明会 任天堂株式会社 社長 岩田聡
http://www.nintendo.co.jp/ir/library/events/120427/index.html

ニンテンドー3DS向けの「どうぶつの森」が発表されたのは2011年12月に行われた、「ニンテンドー3DSカンファレンス 2011」でのこと。この時点では発売が2012年であるということやゲームの最新映像などについての情報が明かされました。

ニンテンドー3DSカンファレンス 2011|どうぶつの森(仮称)|Nintendo



任天堂は2011年12月28日に、ゲームを購入するのとは別にアイテムを少額で購入するタイプのソフトを投入することを発表。のちに、その第1弾が3DS向けの「ファイアーエムブレム 覚醒」であり、第2弾として「どうぶつの森」を軸に検討していることが明らかになりました。

第1弾である「ファイアーエムブレム 覚醒」は4月19日に発売。インターネット経由での追加シナリオを販売する形で任天堂のネット課金ビジネスがスタート。「どうぶつの森」では、家具を揃えたりする楽しみがあるため、アイテムに細かく課金されるとキリがないのではないかということで、反発の声も上がっていました。


今回の決算説明会において岩田社長は、追加コンテンツ販売はあくまでソフトをお客さんに長く深く楽しんでもらうためのもので、クリエイティブなコンテンツを制作したことへの対価としてお金を支払ってもらうものであり、追加コンテンツを販売するためにパッケージが未完成と取られてしまうようなものを出すつもりはないと発言。具体的に、「『どうぶつの森』は、アイテム課金ゲームになるのではないか?」と言われていることに対して、ガチャ課金型ビジネスでは一時的な収益性は上がるが、お客さんとの関係が長続きしなくなるため、「今後とも行うつもりはまったくない」と、改めて明言しました。

by jpellgen

もともと岩田社長はアイテム課金には否定的な見解を述べており、1月27日に行われた経営方針説明会でも「ソフトメーカーとしての任天堂は、どんなアイテムが出るかがわからず、いいアイテムが出るまで、何度もお金を支払って、それがいつの間にか巨額になっているというようなビジネスは志向しておりません」と説明しています。

「アイテム課金」は、基本プレイ料金を無料としているオンラインゲームやブラウザゲームで見られるもので、プレイ自体は無料で楽しむことができ、ゲーム中で使用するアイテムの一部が有料で販売されているというもの。この有料アイテムは、無料で手に入るアイテムに比べて使用時の効果が高かったり、得られる経験値が増加したりとゲームを有利に進めることができるものが多く設定されています。

また、有料のガチャガチャ(スロット)を引くごとにアイテムやカードが獲得できる形態もあり、この場合、得られるアイテムの中にはレアなものがランダムで含まれるため、狙ったものが欲しいときには連続でガチャガチャをする必要があって、気付くと支払が高額になっているというケースもあります。

携帯電話で遊べるアイテム課金ゲームも多く、子どもが勝手に有料アイテムを購入してしまってその額が100万円にもなったという事例も発生。海外でも携帯ゲームの「高額課金アイテム」が問題になっています。

ちなみに、今年登場予定とみられている新ハード「Wii U」については詳細は話せないとのことで、今年6月に開催されるE3で最終形と詳細仕様を発表するとだけ説明が行われました。

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in ゲーム, Posted by logc_nt

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