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有名作曲家から集団訴訟を起こされたYouTubeが「2000件以上もの著作権侵害申請が自作自演である証拠を見つけた」と反論


2020年7月、グラミー賞を受賞したこともある作曲家のマリア・シュナイダー氏が著作権管理団体のPirate Monitorと連名で、「YouTubeが著作権侵害コンテンツを削除しようとしていない」として、連邦地方裁判所に集団訴訟を起こしました。これに対して、YouTubeが「Pirate Monitorが訴えている著作権侵害は自作自演である」と述べ、裁判所へ集団訴訟を却下するように申し立てています。

YouTube Class Action: Same IP Address Used to Upload 'Pirate' Movies & File DMCA Notices * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/youtube-class-action-same-ip-address-used-to-upload-pirate-movies-file-dmca-notices-201221/

State Bar No - 3-20-cv-04423-Schneider-v-YouTube-opposition-to-motion-to-dismiss-counterclaims-201218.pdf
(PDFファイル)https://torrentfreak.com/images/3-20-cv-04423-Schneider-v-YouTube-opposition-to-motion-to-dismiss-counterclaims-201218.pdf


シュナイダー氏とPirate Monitorは2020年7月2日付けで、著作権侵害を理由にYouTubeを相手取った集団訴訟を提起しました。シュナイダー氏とPirate Monitorは「YouTubeは、大手スタジオやレコード会社などの最も強力な著作権所有者のみを保護する著作権法執行システムを開発・導入することで、著作権侵害の温床を育て、人々を誘導してきた」「YouTubeは著作権侵害防止ではなく、ユーザー数と広告収入を増やすことを目的としている」と主張しています。

Schneider et al v. YouTube, LLC et al, 5:20-cv-04423, No. 1 (N.D.Cal. Jul. 2, 2020)
(PDFファイル)https://www.docketalarm.com/cases/California_Northern_District_Court/5--20-cv-04423/Schneider_et_al_v._YouTube_LLC_et_al/


さらにシュナイダー氏は、「自分の曲の多くが許可なくYouTubeにアップロードされた」と裁判所に訴えました。Pirate Monitorもまた自社で著作権を管理しているコンテンツの海賊版がYouTubeにアップロードされていると述べ、YouTubeの著作権管理システムである「Content ID」へのアクセスも拒否されたと述べ、損害賠償を請求しています。


YouTubeはこの集団訴訟に対して棄却の申し立てを行いましたが、Pirate Monitorは「YouTubeは棄却申し立てを裏付けるための確かな証拠を何ひとつ提示していない」と反論していました。

しかし、YouTubeは「Pirate Monitorが、偽名を使ったエージェントを通じて、誰の著作権も侵害していない2000本のムービーをYouTubeにアップロードし、その直後にデジタルミレニアム著作権法(DMCA)を適用してアップロードしたムービーを削除するよう要求していた」と述べ、これを裏付ける証拠が存在するとしています。

YouTubeによれば、アップロードされた映画はハンガリー映画らしきものから作られたおよそ30秒ほどの短いムービーで、パキスタンに割り当てられたIPアドレスを持つユーザーから大量にアップロードされていたとのこと。さらに、ムービーがアップロードされた直後に「Pirate Monitorの権利を侵害している」として、DMCAに基づく削除申請が送信されていたこともわかりました。


アップロードの直後に削除申請が送られた点だけでなく、ハンガリー映画のぶつ切りムービーがパキスタンのアカウントから大量にYouTubeへアップロードされた点も明らかに異常だと見なしたYouTubeは、この一連の動きを調査。

その結果、「パキスタンに割り当てられたIPアドレスを介してアップロードを繰り返していたユーザー」が、「ハンガリーに割り当てられたIPアドレスを介してインターネットに接続されたコンピューター」から同じアカウントにログインしたことが判明。このハンガリーに割り当てられたIPアドレスが、実はYouTubeに削除通知を送信していたものと全く同じものだったそうです。


YouTubeはこのIPアドレスの一致を証拠として、「Pirate Monitorが2019年8月から11月までに行われた不正な著作権侵害の事例によって訴訟を行っていた」と述べ、やはり集団訴訟は却下されるべきであると主張しています。

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in ネットサービス, Posted by log1i_yk

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