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GitHubと電子フロンティア財団がアメリカレコード協会の訴訟で「YouTubeから動画をダウンロードするウェブサイトを支持する意見書」を提出


YouTubeなどのサイトから動画をダウンロードするウェブアプリ・Yout.comがアメリカレコード協会(RIAA)に対して起こした法廷闘争で、GitHubと電子フロンティア財団(EFF)がYout.comを支持する意見書(アミカス・キュリエ)を提出しました。

GitHub and EFF Back YouTube Ripper in Legal Battle With the RIAA * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/github-and-eff-back-youtube-ripper-in-legal-battle-with-the-riaa-230210/

Github-amicus-brief.pdf
(PDFファイル)https://torrentfreak.com/images/Github-amicus-brief.pdf

EFF-amicus-brief.pdf
(PDFファイル)https://torrentfreak.com/images/EFF-amicus-brief.pdf

2020年10月、RIAAがデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づいてYouTube動画ダウンローダーである「youtube-dl」のリポジトリ削除をGitHubに申請しました。該当リポジトリは一時削除されましたが、2020年11月に復活しています。

GitHubが動画ダウンロードプロジェクト「youtube-dl」復活を決定 - GIGAZINE


同時に、RIAAは「YouTubeから動画をダウンロードできるウェブサイトはYouTubeの技術的セキュリティ対策を回避しており、DMCA違反である」として、検索結果から除外するようにGoogleへ申請を行いました。これに対して、Yout.comは「RIAAのDMCAに基づく申請は間違っている」として、コネチカット州の連邦地方裁判所に訴えました。

しかし、連邦地方裁判所は2022年10月に、「Yout.comがYouTubeの技術的セキュリティ対策を回避していないことを示す証拠がない」と判断し、Yout.comの請求を棄却しました。また、連邦地方裁判所は「YouTubeなどのストリーミングプラットフォームにダウンロードのボタンがないにもかかわらず、Yout.comやyoutube-dlのようなツールによって人々がYouTubeから動画や音楽をダウンロードできる」と指摘しています。


Yout.comの運営者であるジョナサン・ネイダー氏はこの判決を不服として、2023年2月に控訴しました。そして、Yout.comの控訴に際して、GitHubはYout.comの主張を支持する意見書を控訴裁判所に提出しました。

GitHubは、意見書の中で「連邦地方裁判所は、DMCAのアクセスコントロール技術措置規定(セクション1201)を拡大解釈しており、広く使われている無数のソフトウェアを不要に脅かすことを指摘しなければなりません」と述べ、連邦地方裁判所の結論は時期尚早だと主張しました。

また、GitHubは「YouTubeがダウンロードボタンを用意しないという決定は、著作物へのアクセスを制限するものではありません。それは単にユーザーが体験する方法に影響を与えているだけです」と述べています。GitHubは翻訳や広告ブロッカーなどのブラウザ拡張機能、YouTubeの動画を再生できるメディアプレイヤーソフトなどを例に挙げ、連邦地方裁判所の命令が認められると他のソフトウェアの開発者たちも刑事責任を問われる可能性が生まれ、事実上技術革新を阻害することになると警告しました。


そして、EFFもGitHubとは別に意見書を控訴裁判所に提出しました。EFFは「Yout.comの技術には、著作権侵害の用途だけでなく、合法的で重要な目的もあるのです。YouTubeにダウンロードボタンがないからといって、ダウンロードするためのツールが自動的にDMCAに違反するとは言えません」と主張しています。

EFFは、「DMCAのセクション1201は、技術的アクセス制限を迂回(うかい)するためのツールを対象にしており、YouTubeのJavaScriptベースのコードには適用されません。YouTubeの動画はそもそも暗号化もスクランブル化もされずにユーザーの端末に送信されています。アクセスするためにログインやパスワードなどは必要ありません」と意見書の中で指摘しています。

また、EFFは「ジャーナリストや人権監視団体は、YouTubeで注目すべき出来事や紛争、悪事を記録した動画をコピーして保存する必要があります。著作権者とそのライセンシーでさえ、Yout.comのようなツールを使って自分たちの作品のコピーをダウンロードしています」と述べ、控訴裁判所はセクション1201の拡大解釈を拒絶し、Yout.comの請求の棄却を覆すべきだとしています。

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in ソフトウェア,   ネットサービス,   ウェブアプリ, Posted by log1i_yk

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