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Xboxのトップが「Xbox Series Xの在庫不足」や「App Storeがクラウドゲームアプリの配信を困難にしている問題」などについて語る


Microsoftのゲーム部門であるXboxで責任者を務めるフィル・スペンサー氏が、海外メディアThe Vergeのインタビューに答えています。インタビューの中でスペンサー氏はXbox Series Xの「在庫不足問題」や「App Storeがクラウドゲームアプリの配信を困難にしている問題」などについて語っています。

Microsoft’s Phil Spencer on the new Xbox launch - The Verge
https://www.theverge.com/21611412/microsoft-phil-spencer-interview-xbox-series-x-launch-decoder-podcast


Pre-Ordering Microsoft's Xbox Series X Is An Exercise In Frustration And Phil Spencer Wants To Fix It | HotHardware
https://hothardware.com/news/pre-ordering-microsoft-xbox-series-x-frustration-phil-spencer

Xbox's Phil Spencer talks bringing xCloud to the App Store in new interview | iMore
https://www.imore.com/xboxs-phil-spencer-talks-bringing-xcloud-app-store-new-interview

Xbox chief reveals more about how developers earn money through Game Pass | PC Gamer
https://www.pcgamer.com/xbox-chief-reveals-more-about-how-developers-earn-money-through-game-pass/

日本でのXbox Series X/Sの初週販売台数は2万1000台で、前世代のXbox One(2万3562台)を下回っているのですが、日本国内でもXbox Series X/Sは売り切れているため、各メディアが「Xbox Series X/Sの在庫が不足している」と報じています。

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Xbox Series X/Sの在庫不足は日本国内にとどまらず、海外でも在庫不足が続いています。テクノロジーメディアのHotHardwareによると、Xbox Series X/SやPS5の予約販売は非常に困難な作業だそうで、「特にウォルマートのオンライン販売ページはトラフィックの急増に対応できておらず、注文が処理できません」と不満を述べています。

スペンサー氏はXbox Series X/Sの予約販売が上手くいっていないことを理解しているそうで、インタビューの中で「我々と小売店との関係は重要だと思います。我々は予約販売に関する問題を解決することを考えています。Xbox Series X/Sを予約できるようにすべきかどうかについて、我々は社内で議論しています。2021年1月20日に追加ロットが製造され、2月1日には販売可能になることを知っています。そして、我々は予約販売を行えば今日中に予約してくれるお客様を多く抱えています」と語りました。


さらに、スペンサー氏によるとMicrosoftはXbox Series X/Sの在庫をどの程度予約販売に回しているかを小売店側に通達しているとのこと。その理由について、スペンサー氏は「すべての在庫を小売店側に回してしまわないのは、あればあるだけ売ってしまうからです」「買い物にでかければ『Xbox Series X/Sが販売されている』と感じられるような状況を作り出したいのです。これが今の世の中で適切な判断なのかはわかりませんが」と語りました。

Microsoftの判断が正しかったのか否かは不明ですが、スペンサー氏はXbox Series X/Sが「Xbox史上最大のスタートを切った」とツイートしています。


さらに、スペンサー氏はMicrosoftのゲームストリーミングサービスであるxCloudについても語っています。ゲームストリーミングサービス(クラウドゲームサービス)向けのアプリはAppleのApp Store上で配信することが困難になっているため、一部のクラウドゲームサービスはアプリではなくブラウザ経由でのサービス提供を開始しています。こういった状況について、スペンサー氏はApp Storeでのアプリの配信をあきらめたわけではないとしつつも、現状はブラウザ経由でのサービス提供が「唯一の選択肢である」と述べました。

Appleは「個別のゲームごとにアプリをApp Storeからダウンロードさせること」「ゲームのアップデートごとにApp Storeの審査が行われること」「ゲームの購入あるいはアプリ内の購入は、すべて30%の手数料を徴収するAppleの支払いシステムで行われること」といった条件を満たせばクラウドゲームサービスのアプリをApp Storeで配信することができるとしています。

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こういった状況について、スペンサー氏は「Appleの立場から見ればその施策を理解することができます。ただし、我々はApple側の決定に同意することはできません。AppleはXBOX GAME PASSの競合となるApple Arcadeを持っており、これはAppleがiPhoneで使用できる唯一のゲームサブスクリプションサービスです。我々は顧客が望むサービスを誰にでもアクセスできるようにする必要があると考えています。ただし、我々は他者の望む安全性やその他の規則について、他者と協力して順守していく所存です」と語りました。

さらに、MicrosoftのゲームサブスクリプションサービスであるXBOX GAME PASSを通してゲーム開発者が収益を得る方法について、スペンサー氏は基本的にプレイ量に応じた報酬を支払う契約を結んでいるとしつつ、「場合によってはゲームの制作費全額を支払います」と説明しています。

・おまけ
Xboxは障害者向けの「Xbox Adaptive Controller」を開発するなど、ゲーム分野におけるアクセシビリティの向上に注力しています。こういったアクセシビリティ向上に関する開発を取り仕切っているのが、Microsoftでシニアゲームアクセシビリティプログラムマネージャーを務めるブラノン・ザハンド氏です。アクセシビリティを向上させることは障害者でもゲームがプレイできるようになるということであるため、ゲームの持つ複雑な操作性や高難度な要素を損なわせることにつながるのではという指摘もあります。

こういった指摘に対して、ザハンド氏はゲームメディア・Game Informerのインタビューの中で、「ゲームのアクセシビリティを向上することで、ゲームの中の『ハードコアさ』や『挑戦性』が低下するという誤解が存在します」「小さなグループ向けにゲームを構築することは、大多数のユーザーにとってゲームをより良くすることからリソースを奪うことにつながるという誤解も存在します」と語り、アクセシビリティの向上がゲームの持つ特徴を損なわせるという指摘を否定。さらに、「ゲーム開発に携わったことのある人ならば、インクルーシブデザインを製品開発の早い段階で検討した場合、費用がかからず、最終的にはすべての人にとってより良いエクスペリエンスにつながると断言することができます」と語っています。

Accessibility Doesn't Mean "Less Challenging" Or "Hardcore," Says Xbox - Game Informer
https://www.gameinformer.com/2020/11/25/accessibility-doesnt-mean-less-challenging-or-hardcore-says-xbox

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in ゲーム, Posted by logu_ii