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4K HDR映像を120Hz出力可能な次世代ゲーム機「Xbox Series X」プレイレビュー、高い静音性とシンプルで軽やかなUIが魅力


2020年11月10日(火)に、Microsoftから次世代家庭用ゲーム機「Xbox Series X」がいよいよ登場します。まるで黒い冷蔵庫のような見た目でありながら、4K HDRの映像を120Hzで出力可能という従来のXboxシリーズから大きく進化したXbox Series Xを、Microsoft公式のプレビュープログラムによって一足先にプレイできる機会が得られたので、実際にいろいろと遊んでみました。

まったく新しい Xbox Series X | Xbox
https://www.xbox.com/ja-JP/consoles/xbox-series-x

実際にXbox Series Xに最適化したラリーレースゲーム「DiRT 5」を4K HDR・60fpsでプレイしたところが以下のムービー。

【4K・60fps・HDR】Xbox Series XでDiRT 5をプレイしてみた - YouTube


なお、Xbox Series Xの本体や同梱物、コントローラーなどについては以下の記事にまとめています。

Microsoftの次世代機「Xbox Series X」開封の儀、4K・120FPSを可能にする黒い直方体をじっくり観察してみた - GIGAZINE


◆セットアップ
Xbox Series Xに電源ケーブルとHDMIケーブルをつなぎ、テレビやモニターにつないでセットアップを行います。


電源ボタンを押して起動すると、Xboxのロゴが表示されました。


セットアップはインターネット接続から。有線で接続するか、あるいはWi-Fiによる無線接続のどちらかを選択できます。今回はWi-Fi接続を選択し、パスワードを入力します。


住んでいる国や地域は「日本」を選択。


次に、コントローラーを認識させます。コントローラーのホームボタンを押し、認識に成功すると、コントローラーのファームウェアの更新が行われます。


そして、Microsoftアカウントを登録します。メールアドレスとパスワードを入力します。


Xbox エクスペリエンスの向上への協力を要請されるので、「オプションのデータを送信します」を選択。


「サインインとセキュリティー設定」では、本体へのサインイン時やオンラインでのゲーム購入時に関するセキュリティーを設定できます。今回はパスキーの入力を選択。これで、あらかじめ設定した数字6桁を入力しなければ、サインインやオンラインでの購入ができなくなります。


月額有料でオンラインプレイが可能になるXbox Live Goldや、さまざまなゲームやコンテンツをダウンロードできる「Xbox Game Pass Ultimate」をすすめられます。初月は税込100円で、2か月目以降は月額1100円となります。今回は「今はやめておく」を選択。


最後に本体の起動設定を行います。「省電力」は電源オフ時に電力をなるべく使わないようにする設定で、「クイック起動」は電源オフ時でもデータを保持したり音声操作機能をオンにしたりできる設定です。特に電力消費を気にしていなければ、めちゃくちゃ早く起動できる「クイック起動」にするのがおすすめ。


なお、セットアップはiOSAndroid向けに配信されているXboxモバイルアプリでも進めることができます。


◆起動
実際にXbox Series Xをフルシャットダウンした状態から起動してみたムービーが以下。OSを完全にシャットダウンしていたにも関わらず、ホーム画面のUIが表示されるまでおよそ19秒ほど。また、起動してファンが回りだしても、ファンの音は全くせず、非常に静か。

Xbox Series Xはフルシャットダウンした状態からでも爆速で起動できる - YouTube


本体の熱はどれくらいなのか気になったので、起動前のXbox Series XをFLIR ONEで撮影してみました。測定時の室温は26度で湿度は16%です。最後に起動してから24時間以上が経過した状態で、Xbox Series Xの温度は27度と、ほぼ室温と同じ状態。


本体を起動してからゲームを30分ほどプレイすると、本体の温度は38度まで上昇。


前面から温度を測ってみると、44度になっていました。本体の上部が温度が上がっているものの、下部は比較的温度が低くなっています。


Xbox Series Xは、内部にある静音ファンで底面から天面にかけて気流を作り、内部を冷却する仕組みです。さらにゲームを1時間ほどプレイした後、天面の排気口となるメッシュ部分の温度を測ってみると57.8度。実際にメッシュ部に手をかざすと熱風が当たりました。排熱システムを考えると、Xbox Series Xを部屋に置く際は、天面の上に物を置いたり棚に設置するのではなく、上に何もない空間に置くのがベストといえます。


◆ホーム画面
Xbox Series Xのホーム画面は、以下のムービーで見ることができます。このホーム画面は、Xbox Series X/Sの発売に先駆けて、2020年10月にアップデートされたもの。ストアページやライブラリは、従来のゲーム機ではどうしてもオンラインから画像などの情報を取得するため、かなり重くなってしまうことがよくありますが、Xbox Series Xではかなりサクサクと軽く閲覧できる印象。

Xbox Series XのホームUIはサクサクと動く - YouTube


◆実際にプレイしてみた
Xbox Series Xは4K HDR出力で、最大120Hz出力が可能となっています。4K HDR対応でリフレッシュレートが120Hz以上のモニターやテレビであれば、超高画質でぬるぬるとゲームが遊べるわけです。

記事作成時点ではXbox Series Xのタイトルはもちろんリリースされていませんが、「DiRT 5」はXbox Series Xに最適化されているとのことなので、実際にプレイしてみました。PCで4K HDR・60fpsでプレイしようとすると、かなり高性能でなければ画面がカクカクするか、あるいは落ちてしまうこともありますが、Xbox Series Xではそんなことは起こらず、非常にスムーズにプレイできます。


同じくXbox Series Xに最適化された人気シューティングアクション「Gears 5」をプレイした様子を、 X4K・60fps映像をキャプチャー可能でHDRにも対応したAVerMedia Live Gamer 4K GC573でキャプチャーしたのが以下のムービー。

【4K・60fps】Xbox Series Xで「Gears 5」をプレイしてみた - YouTube


なお、Xbox Series Xから、コントローラーにシェアボタンが追加されました。


ゲーム中にコントローラーのシェアボタンを押すと、その場でスクリーンショットを撮影可能。決定的な場面をいつでも簡単に保存できます。


保存した画像はXboxアカウントにアップロードされるほか、Twitterと連携することでツイートすることも可能です。


また、シェアボタンを長押しすることで、直前30秒を動画で保存可能です。


なお、Xbox Series XはAMDのZen 2アーキテクチャのカスタムCPU、RDNA 2アーキテクチャのカスタムGPU、メモリ16GBを搭載。そのほかの詳細なスペックは以下の記事にまとめられています。

次世代ゲーム機「Xbox Series X」の詳細スペックが公開、基本スペックの大幅進化だけでなく専用拡張SSD&外付けストレージにも対応 - GIGAZINE


◆後方互換機能でXbox 360のソフトをプレイしてみた
Xbox Series Xは後方互換性があり、初代Xbox・Xbox 360・Xbox Oneのソフトをプレイすることができます。

Microsoftが「Xbox Series X」の下位互換機能について発表、大幅強化された読み込み速度&画質で過去作品をプレイ可能に - GIGAZINE


ただし、最初からすべてのソフトに対して互換性があるわけではなく、最初は限られたソフトのみプレイ可能。今回はXbox Oneの後方互換に対応しているXbox 360向けソフト「シャドウ オブ ザ ダムド」をプレイしてみました。


ディスクをドライブに挿入。


ディスクの読み込みが行われ、シャドウ オブ ザ ダムドのパッケージが表示されました。


ただし、このまますぐにはプレイできるというわけではなく、事前にゲームデータの更新を行う必要があります。


シャドウ オブ ザ ダムドの場合は、記事作成時点でおよそ6.59GBの更新データをダウンロードする必要がありました。


ダウンロードが終わり、シャドウ オブ ザ ダムドを起動すると、懐かしいXbox 360のロゴが表示されました。


「Xbox 360の情報を取得中」と表示され、ローディングが行われます。画面下に表示されるサインインの通知は、完全にXbox 360のもの。


シャドウ オブ ザ ダムドが起動しました。


セーブデータはクラウドに保存されます。また、Xbox 360のデータをクラウドにアップロードすれば、そのままXbox Series Xで昔の続きをプレイすることが可能になります。


実際にシャドウ オブ ザ ダムドをXbox Series Xでプレイしてみたところが以下。基本的にXbox SeriesのコントローラーはXbox 360からほとんどデザインが変わっていないので、まったく違和感なく遊ぶことができました。

Xbox Series Xの後方互換機能でXbox 360「Shadows of the DAMNED」をプレイしたところ - YouTube


◆クイックレジューム機能
Xbox Series Xの目玉機能ともいえるのが、複数のゲームを瞬時に切り替えることができるクイックレジューム機能……なのですが、記事作成時点では準備中で制限がかかっていたため、残念ながら発売日までお預けという結果になりました。

ゲーム中にホームボタンを押したところが以下。画面左に表示されるメニューには、一度に4つまでゲームやアプリを保持することができます。ここから別のゲームに切り替えると、前回中断していたところからすぐに始めることが可能。「1人でゲームをしていた時に、友だちから別のゲームのオンラインプレイに誘われた時、止め時が見つからなくてあわてる」ということがあっても、クイックレジューム機能があれば、安心してゲームを切り替えることができるというわけです。


実際にクイックレジューム機能がどんなものなのかについては、Microsoftが公開している以下のムービーを見るとよくわかります。

Xbox Series X - Quick Resume Tech Demo - YouTube


◆まとめ
実際にXbox Series Xを触ってみて、とにかく驚いたのがその応答性のよさ。UIはサクサクと動き、シンプルでわかりやすく、ゲームのプレイでカクカクしてしまうこともありません。また、ゲームをしている時に、ロード時間やUIの使いにくさなど、ゲーム本編とは関係ない部分でイライラしてしまうことがありますが、Xbox Series Xは本体の起動が速いだけではなく、ロード時間も非常に短いのも特徴。発売前のプレビューなので、アップデートによって変わる可能性はありますが、従来の家庭用ゲーム機と比べてユーザビリティが高いように感じました。また、これだけの性能を発揮するとなると排熱するためのファンがものすごい勢いで回ることが予想されたため、かなりうるさいのでは……?と思っていましたが、実際はかなり静かでまったく気になりませんでした。

ただし、本体の大きさと天面からの排熱がネック。部屋のどこに置くかは考える必要があります。また、4K HDR・最大120fpsでゲームがプレイできるとしても、対応しているモニターや接続するHDMIケーブルによって大きく変わるので、注意が必要。Xbox Series Xに標準で付属しているHDMIケーブルはHDMI 2.1に対応したUltra High Speed HDMI規格なので、4K HDR映像や非圧縮5.1ch/7.1ch音声を送信可能ですが、長さの問題などで新しいHDMIケーブルを購入する時は、HDMIの規格を確認する必要があります。

Xbox Series Xは、2020年11月10日(木)に発売されます。価格は税抜4万9800円です。

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in レビュー,   ハードウェア,   映画,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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