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ソフトバンクが四足歩行ロボット「Spot」の開発元であるボストン・ダイナミクスの売却を検討中か


2017年にソフトバンクが買収したボストン・ダイナミクスといえば、新型コロナウイルス感染者の遠隔トリアージに使用されたり牧羊犬替わりに使用されたりと、さまざまな用途をみせる四足歩行ロボット「Spot」の開発元として有名です。そんなボストン・ダイナミクスの売却をソフトバンクが検討していると報じられています。

SoftBank in Talks to Sell Boston Dynamics to Hyundai - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-11-09/softbank-is-said-to-be-in-talks-to-sell-robot-maker-to-hyundai

Bloombergが関係者から得た証言によると、ソフトバンクはボストン・ダイナミクスの売却について、韓国の自動車メーカーであるHyundaiと交渉しているそうです。ソフトバンクはHyundaiに対して10億ドル(約1100億円)でボストン・ダイナミクスを売却することを提案しているそうですが、情報筋は2社の協議はまだ非公開の段階にあると説明しています。また、売却に関する条件はまだ未確定の段階であり、交渉が破談に終わる可能性も十分にあるとのこと。


Bloombergはソフトバンク、ボストン・ダイナミクス、Hyundaiの3社に売却交渉に関するコメントを求めたそうですが、ソフトバンクからはコメントが得られなかったそうです。それに対して、Hyundaiの広報担当者からは「弊社はさまざまな投資とパートナーシップの機会を継続して模索しています」という返答が、ボストン・ダイナミクスからは「我々の仕事は当社とのより深い商業的関係を模索することに関心のあるパートナーを興奮させ続けています」という返答が得られています。

ボストン・ダイナミクスは1992年にマサチューセッツ工科大学のマーク・レイバート教授が独立して設立した企業。2013年にはGoogle社内でロボティクス分野に関するプロジェクトを進めていたアンディ・ルービン氏の方針により、ボストン・ダイナミクスはGoogleに買収されました。しかし、2014年にルービン氏がGoogleを離脱、その後、ボストン・ダイナミクスがGoogleからの独立路線を取ったため、2017年にソフトバンクに売却されることとなりました。


ボストン・ダイナミクスは四足歩行ロボット「Spot」の商用販売を2019年9月にスタートし、2020年6月には一般向けの販売もスタートさせていました。しかし、かねてから収益性の低さが指摘されており、これがソフトバンクによる売却の主な原因になったものと思われます。

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なお、売却先として検討されているHyundaiは、工場での使用を目的とした産業用ロボットの製造を行っているため、その分野でボストン・ダイナミクスの技術を活用する可能性があります。

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in ハードウェア, Posted by logu_ii

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