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誰でも編集できるWikipediaはアメリカ大統領選でどうやって誤情報の拡散を防ぐのか?

by Noj Han

2020年11月のアメリカ大統領選挙をひかえ、TwitterやFacebook、Googleなどが誤情報の拡散や混乱を防ぐための施策を打ち出しています。誰でも編集可能なインターネット百科事典のWikipediaもまた、ウソの情報拡散に利用される可能性があるとして、「大統領選のページ編集者を制限する」「監視を強化する」といった取り組みを開始しています。

Wikipedia's Plan to Resist Election Day Misinformation | WIRED
https://www.wired.com/story/wikipedias-plan-to-resist-election-day-misinformation/

Wikipedia prepares for election day misinformation
https://mashable.com/article/wikipedia-election-day-misinformation/


インターネットのフリー百科事典のWikipediaは登録を行えば誰でも編集できるということから、過去にはスコットランドのWikipediaがたった一人の人物によってめちゃくちゃにされてしまったこともあり、たびたび「荒らし」行為が問題となります。このため、改ざんや捏造(ねつぞう)を防ぐべく、荒らしを識別するアルゴリズムが開発されたほか、ポリシー改訂を重ねるなどして、誤った情報がWikipedia上に広がらないように絶えず取り組みを行ってきました。

2016年の大統領選ではフェイクニュースや誤情報の拡散が有権者に影響を与えたとみられており、同様のことを繰り返さないよう、2020年の大統領選に対してはGoogleFacebookTwitterといったプラットフォームや企業が対策を講じています。

Google・Microsoft・Wikipediaなどが「大統領選のフェイクニュース」と戦うために政府に協力 - GIGAZINE


Wikipediaも大統領選における誤情報の拡散を防止するため、「Extended confirmed protection」(確認された保護の拡張)という取り組みを開始しました。この取り組みはWikipediaで常時行われているわけではなく、混乱のある限られたトピックに対して限定的に適用されます。Extended confirmed protectionの有効化が承認されたコンテンツは、「30日以上前に登録された」「過去500回以上Wikipediaを編集したことがある」ユーザーだけが編集できるようになります。2020年大統領選のページをExtended confirmed protectionの対象とすることで、新参者が安易にページを編集することを防ぐわけです。

またWikipediaでアカウントを持つ「管理人」は、任意のページを「ウォッチリスト」に入れておくと、ページに何らかの変更があったときに通知を受け取るという機能を使うことができます。このウォッチリストを使うことで、複数の管理人が各州の選挙に関するページや議会についてのページなどの変化を監視しているとのこと。

上記に加え、WIREDの取材に対して、長年Wikipediaを編集し続けているという人物は、「さらなる保護機能」が展開されるという予測を伝えています。最終的な選挙結果は認証された報道機関だけが行えるようになることを含め、ページの編集権限がより制限されることが考えられるとのことです。

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in ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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