サイエンス

新型コロナのワクチンの「強力な免疫反応」が高齢者にもみられたと発表される

by VCU Capital News Service

人は高齢になるほど免疫系が弱体してくるため、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)も高齢者の方が重症化するリスクが高くなります。このため、高齢者にも高い効果を発揮するワクチンの開発が急がれているわけですが、新たにオックスフォード大学と製薬会社のアストラゼネカは、開発中のワクチンについて高齢者から若者と同様の免疫原性の反応が得られたと発表しました。

Vaccine hopes rise as Oxford jab prompts immune response among old as well as young adults | Reuters
https://www.reuters.com/article/us-health-coronavirus-astrazeneca-vaccin/oxford-covid-19-vaccine-prompts-immune-response-among-adults-old-and-young-astrazeneca-says-idUSKBN27B0IV

AstraZeneca: Our coronavirus vaccine triggers adult immune response
https://www.cnbc.com/2020/10/26/oxford-astrazeneca-coronavirus-vaccine-reportedly-triggers-immune-response-among-adults-.html

Covid-19 news: Oxford vaccine produces immune response in older people | New Scientist
https://www.newscientist.com/article/2237475-covid-19-news-oxford-vaccine-produces-immune-response-in-older-people/


オックスフォード大学とアストラゼネカが開発中のワクチン「AZD1222」は、2020年7月の時点で既に18~55歳の若年層に対し「強力な免疫反応」が認められていました。アストラゼネカの広報担当者は「若年の方と同様に、COVID-19が重症化しやすい高齢の方でも免疫原性の反応が見られ、副作用も少なかったことは励みになります」「この研究結果はAZD1222の免疫原性と安全性を示すさらなる証拠となります」と述べました。なお、今回の研究結果は記事作成時点で論文として発表されていませんが、まもなく科学誌に掲載される予定とのことです。

アストラゼネカは後期臨床試験の結果が報告に近づいた段階で、各国政府や企業とワクチンの製造・供給に関する契約を締結しており、初期のワクチン配布はイギリス・ロンドンの病院で実施される予定。これを受けてかイギリスの保健大臣であるマシュー・ハンコック氏は、2020年末までにCOVID-19ワクチンの配布準備がスタートし、2021年前半には準備が整う見込みだと10月26日に発表しており、2020年中に一部の人々に対してワクチン配布がスタートする可能性についても否定しなかったとのこと。


国立アレルギー感染症研究所所長としてアメリカ国内のCOVID-19対策を主導するアンソニー・ファウチ氏も、開発中のCOVID-19ワクチンの効果や安全性が、早ければ11月中、遅くても12月には判明すると述べています。このため、今後は開発されたワクチンをどのように配布しているかが焦点となるとみられています。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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