ネットサービス

アクセス解析ツール「Googleアナリティクス」が機械学習による予測やGoogle広告との統合などで進化


Googleが提供する無料のアクセス解析サービスであるGoogleアナリティクスは、多くの企業やウェブサイトの運営者によって利用されています。新たにGoogleが、機械学習に基づいた予測やGoogle広告との統合などの機能を搭載したGoogleアナリティクスの最新版「Google Analytics 4」をリリースしました。

The new Google Analytics will give you the essential insights you need to be ready for what’s next.
https://blog.google/products/marketingplatform/analytics/new_google_analytics/


Meet Google Analytics 4: Google's vision for the future of analytics
https://searchengineland.com/google-analytics-4-adds-new-integrations-with-ads-ai-powered-insights-and-predictions-342048

Googleの測定・分析・購入プラットフォーム担当副社長を務めるVidhya Srinivasan氏は、より多くの商取引がオンラインに移行する中で、デジタル分析ツールからの洞察はますます重要になっていると指摘。その一方で、消費者行動の変化やユーザープライバシーを保護する動きが強まりに対し、分析ツールの変化が追いついていないとSrinivasan氏は述べています。


そんな中、Googleは機械学習を中核とした洞察やGoogle広告との統合、プライバシー保護の強化への対応といった機能を備えた新たなGoogleアナリティクスを、2019年からベータ版で導入してきたとのこと。この最新版がGoogle Analytics 4という名称で一般に向けてリリースされたことを受け、Srinivasan氏はさまざまな機能について解説しています。

◆1:新しいAIを活用した洞察と予測
Google Analytics 4では、高度な機械学習モデルを適用することで「新しいニーズの高まりで需要の増加が予想される製品」「将来的な解約率の予測」など、ビジネスに役立つデータの傾向を自動的に通知してくれるとのこと。これにより、重点的に注力するべき顧客を理解したり、結果を改善するためのアクションを実行したりと、ビジネス全体におけるメリットを享受できるとSrinivasan氏は主張しました。

なお、機械学習に基づいて需要の上がる製品などを教えてくれる機能は、Google広告にも追加されています。

Googleが「これから需要の上がる製品」などを教えてくれるインサイトページをGoogle広告に追加 - GIGAZINE


◆2:Google広告とのより緊密な統合
マーケティング担当者にとって、アクセス解析とウェブ広告はいずれもオンラインビジネスにおいて非常に重要です。Google Analytics 4ではこれまで以上にGoogle広告との統合を進めていくそうで、「すでにウェブサイト上で商品を購入したユーザーには、同じ商品の広告を再表示しない」といった調節が自動で可能になるとのこと。

また、Google Analytics 4はアプリとウェブのインタラクションを一緒に測定できるため、アプリおよびウェブ上で発生するYouTubeムービーからのエンゲージメントや、Google検索、SNS、メールといったチャネルからのコンバージョンを複合的に理解することができるそうです。

◆3:顧客中心のレポート作成
これまでのGoogleアナリティクスとGoogle Analytics 4との顕著な違いは、レポートの編成方法だそうです。Google Analytics 4は複数の識別子を使うことにより、デバイスやプラットフォームごとに断片化された測定結果ではなく、顧客中心の測定結果を提供するとSrinivasan氏は述べています。

ウェブ上で広告をクリックした顧客のうちどれほどがアプリをインストールしたのかどうかの把握や、ユーザーの新規獲得に役立っているチャネルの特定、コンバージョン後に顧客が利用を続ける割合など、長期にわたる顧客中心のレポートを、Google Analytics 4は作成できるとのこと。


◆4:追加コードなしでの追跡
Google Analytics 4は追加のコードなしでの追跡機能が拡張され、マーケティング担当者がコードを追加したりイベント追跡用のGoogleタグを設定したりすることなく、ページのスクロールや動画の再生といったアクションを追跡・測定できます。

◆5:よりきめ細かいユーザーデータの制御
近年はユーザープライバシー保護の動きが強まっているため、Google Analytics 4は広告主がEU一般データ保護規則(GDPR)カリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)といったデータ保護規則に準拠するのに役立つオプションも含まれているとのこと。ユーザーの分析がより細かく制御可能になったほか、ユーザーからの収集データ削除依頼に対して企業が必要以上のデータを削除することなく、必要なデータだけを削除できるようになったそうです。

◆6:Cookieのない将来に向けた分析
プライバシー保護を強化するという業界全体の流れにより、サードパーティCookieが段階的に廃止されているため、Google Analytics 4はCookieを使わない測定にも適応できるように設計されています。Cookieの廃止によって生まれるデータのギャップを埋めるため、Googleは機械学習を用いた柔軟なアプローチを使用する予定とのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Googleが「これから需要の上がる製品」などを教えてくれるインサイトページをGoogle広告に追加 - GIGAZINE

Googleアナリティクスでユーザーを分類・分析するための「UTMパラメーター」の使い方とURLの生成方法 - GIGAZINE

「Googleアナリティクス」を使ってハッカーがクレジットカード情報を盗み取った手口とは? - GIGAZINE

「Safari 14からGoogleアナリティクスが完全にブロックされる」疑惑を専門家が否定 - GIGAZINE

オープンソースでプライバシーに配慮されたGoogle Analytics代替ソフト「GoatCounter」レビュー - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.