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GoogleのCookieなし広告システム「プライバシーサンドボックス」のAndroidベータ版がついに登場


Googleが開発したCookieなしの広告システム「プライバシーサンドボックス」のAndroidベータ版がついに登場しました。

The Privacy Sandbox Beta is coming to Android
https://blog.google/products/android/the-privacy-sandbox-beta-is-coming-to-android/

Google Launches Privacy Sandbox for Android Beta Test
https://gizmodo.com/google-android-launches-privacy-sandbox-chrome-cookies-1850112117

Android launches yet another way to spy on users with “Privacy Sandbox” beta | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2023/02/googles-privacy-sandbox-advertising-system-arrives-on-android-in-beta/

Google's next-gen privacy toolkit hits real Android 13 hardware for the first time
https://www.androidpolice.com/google-privacy-sandbox-beta-on-android/

2019年8月に提唱されたGoogleのプライバシーサンドボックスは、ウェブサイト上でのユーザーの行動を詳細に追跡するサードパーティーCookieの利用を廃止しながら、従来の広告システムと同様の広告体験を提供することを目指す新しい広告システムです。なお、プライバシーサンドボックスについて、Googleは記事作成時点でも「業界関係者の皆さんと共に、開発を続けています」と説明しており、開発途上にあることをアピールしています。

Googleが「ユーザー情報を保護しつつ広告の関連性も損なわない」仕組みの開発を行うと宣言 - GIGAZINE


Googleはこのプライバシーサンドボックスについて、2022年2月にAndroidへの導入を発表していました。

GoogleがAndroidにプライバシーサンドボックスを導入し広告IDを2年間維持する計画を発表、Appleのプライバシー施策より混乱が少ないと主張 - GIGAZINE


そんなプライバシーサンドボックスのAndroidベータ版が、現地時間の2023年2月14日に発表されました。Googleでプライバシーサンドボックス担当ヴァイスプレジデントを務めるアンソニー・チャベス氏は、「ちょうど1年前、GoogleはAndroidにプライバシーサンドボックスを導入すると発表しました。これはユーザーのプライバシー基準を引き上げ、無料コンテンツやサービスを継続的に提供していくための業界全体のイニシアチブです。ウェブ上での取り組みに基づき、ユーザーデータの共有を制限し、クロスアプリ識別子に依存しないデジタル広告向けのソリューションを開発しています。過去1年間、我々は業界と密接に協力しながらフィードバックを収集し、新しいテクノロジーのテストを実施してきました。そして本日、このイニシアチブの次の段階としてAndroid版プライバシーサンドボックスの最初のベータ版を対象デバイスに展開します」と述べ、プライバシーサンドボックスのAndroidベータ版を一部端末に展開すると発表しています。

Android版プライバシーサンドボックスの詳細は以下のページにまとめられています。

Android 版プライバシー サンドボックスの概要  |  Android デベロッパー  |  Android Developers
https://developer.android.com/design-for-safety/privacy-sandbox/introduction


Android 版プライバシー サンドボックス  |  Android デベロッパー  |  Android Developers
https://developer.android.com/design-for-safety/privacy-sandbox


プライバシーサンドボックスのAndroidベータ版はごく一部のAndroid 13端末から徐々に展開され、時間の経過と共により多くのデバイスに拡大していくことになる模様。なお、Androidベータ版プライバシーサンドボックスの対象となった端末には、それを知らせる通知が届くことになるとのこと。

テクノロジーライターのMishaal Rahman氏によると、Androidベータ版プライバシーサンドボックスの対象となる端末は、「拡張SDKのレベル4以降を使用しているAndroid 13搭載端末」あるいは「Android 14 DP1(Android 14開発者プレビュー1)を実行している端末」を指している可能性があるとのこと。ただし、最終的に対象となる端末はA/Bテストで選択されることとなるため、条件を満たしていても対象とならないケースがある模様。

The first Beta for the Privacy Sandbox on Android begins rolling out today to eligible devices.

"Eligible" devices likely means devices running Android 13 with extension SDK level 4 or later or devices on Android 14 DP1. It's an A/B test, though, so you may not get it. pic.twitter.com/PShJYZugPz

— Mishaal Rahman (@MishaalRahman)


Androidベータ版プライバシーサンドボックスではプライバシーを中心に設計した新しいAPIが提供され、アプリやウェブサイト全体のアクティビティを追跡できるような識別子は利用しません。Androidベータ版プライバシーサンドボックスへの参加を選択したアプリは、この新しいAPIを使うことで関連広告を表示しながら、広告効果を測定することが可能となります。

ユーザーは設定アプリの「プライバシーサンドボックス」という項目からベータ版への参加を拒否することも可能。さらに、この画面からプライバシーサンドボックスが「ユーザーが興味関心を抱いている」と推定したトピックをチェック可能で、自身の興味に合わないトピックはブロックすることもできます。


なお、Googleは「プライバシーサンドボックスの目標はオンライン上で成功するためのツールをビジネス向けに提供しながら、ユーザーのプライバシーを強化することにあります。実現可能な代替手段を提供しない鈍いアプローチはアプリ開発者に害をおよぼし、ユーザーのプライバシーにも効果をおよぼさず、デバイスのフィンガープリントなどユーザーを追跡する非公開の方法を広めることにつながります。我々がAndroidエコシステムと協力し、ユーザーを保護し、開発者のために機能するソリューションとしてプライバシーサンドボックスを構築しているのはそのためです。我々がAndroid版のプライバシーサンドボックスを発表して以来、何百もの企業が我々のAndroid版プライバシーサンドボックスのデザイン案と開発者向けプレビュー版に関するフィードバックを共有してきました。このフィードバックは開発において非常に貴重なものでした。業界全体がさらにプライバシーサンドボックスの開発に参加するようになることを歓迎します」と述べ、これまでの取り組みに参加してきた組織に感謝を述べています。

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in モバイル,   ソフトウェア, Posted by logu_ii

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