AppleとGoogleの接触追跡APIを利用したアプリがアメリカで初めてリリースされる
AppleとGoogleが開発したExposure Notification APIは、Bluetoothを利用してデバイスを相互認識しながら、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性判定を受けた人と接触した場合に通知してくれる技術です。アメリカ・ヴァージニア州が、Exposure Notification APIを使った行動追跡アプリをアメリカで初めてリリースしました。
COVIDWISE on the App Store
https://apps.apple.com/us/app/id1518059690
COVIDWISE - Google Play のアプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=gov.vdh.exposurenotification
Virginia becomes first US state to debut COVID-19 tracing app using Apple and Google API - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2020/08/05/virginia-becomes-first-us-state-to-debut-covid-19-tracing-app-using-apple-and-google-api/
アメリカは、Exposure Notification APIの導入で大きく遅れていることが以前から指摘されていました。記事作成時点でExposure Notification APIの採用を公的に認めたのは、ヴァージニア州のほかにはノースダコタ州、アラバマ州、サイスカロライナ州のみだとのこと。
GoogleとAppleが共同開発した新型コロナ接触追跡APIはなぜアメリカで普及しないのか? - GIGAZINE
ヴァージニア州保健局がリリースしたアプリ「COVIDWISE」はExposure Notification APIを使うことで、近くにあるスマートフォンとBluetoothで通信を行い、陽性と判定された人と接触したら通知してくれるというもの。記事作成時点でiOS版とAndroid版がリリースされています。
Exposure Notification APIのプライバシーポリシーは非常に厳しく設定されており、COVIDWISEもこのポリシーに準拠しています。ヴァージニア州保健局によれば、COVIDWISEは行動追跡のために個人識別番号を発行するだけで、個人データやGPSによる位置追跡は行いません。
「COVIDWISEに陽性反応を報告した場合、アプリから特定の信号が発信され、その信号を共有した他のアプリユーザーを検索します。Bluetoothの信号には日付が刻まれており、COVIDWISEは信号の強さに基づいて2つのデバイスの接近度を推定します。計測は少なくとも15分ごとに行われ、推定距離が6フィート(約1.8メートル)以内であれば、他のユーザは濃厚接触した可能性の通知を受け取ります。陽性反応者の名前や住所は公表されません」とヴァージニア州保健局は述べています。
また、ヴァージニア州保健局は、「COVID-19の流行を抑えるためには、多くの人がCOVIDWISEをインストールしなければなりません」と強調。「ビジネスや医療業界、学校、宗教、スポーツなど、ありとあらゆるコミュニティの健全性を確保し、経済的実行可能性を維持するためにも、COVIDWISEは非常に重要です」とコメントしています。
なお、9to5macによれば、記事作成時点で提供されているiOS 14のパブリックベータ版はExposure Notification APIは対応していないため、COVIDWISEをはじめとする接触追跡アプリは機能しないそうですが、近日中にはExposure Notification APIのサポートがパブリックベータ版にも盛り込まれる可能性が高いとのことです。
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