Microsoftが公式実店舗「Microsoft Store」をひっそり閉店したことが明らかに
MicrosoftはWindows向けの公式アプリストアであるMicrosoft Storeとは別に、自社製品を販売する実店舗としても「Microsoft Store」を展開してきました。しかし、Microsoftはこの実店舗版のMicrosoft Storeをすべて閉鎖し、今後はオンラインでの販売に注力していく方針であることが発表されました。
Microsoft Store announces new approach to retail - Stories
https://news.microsoft.com/2020/06/26/microsoft-store-announces-new-approach-to-retail/
現地時間で2020年6月26日、Microsoftは実店舗版のMicrosoft Storeを完全に閉鎖し、今後はオンラインで商品販売やサポートに注力していく方針を発表しました。なお、Microsoft Storeに携わってきた小売チームのメンバーはMicrosoft内の顧客サポート部門に配属され、企業顧客に対してリモートで販売・トレーニング・サポート業務を行うこととなるそうです。そのため、Microsoft Storeの閉鎖に伴うレイオフは一切ありません。
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— Microsoft Store (@MicrosoftStore) June 26, 2020
Microsoftはアプリストア版のMicrosoft Storeを通して毎月190以上の市場に存在する12億人以上の顧客にリーチすることができているとのこと。加えて、実店舗版のMicrosoft Storeを閉鎖するに伴って、ロンドン・ニューヨーク・シドニー・レドモンドという4都市に存在するMicrosoft Experience Centersを、すべての顧客に対応できる空間となるように改修することも発表しています。ただし、Microsoft Experience Centersはあくまでもサポート施設であり、Microsoft関連製品の販売を行う施設ではありません。
Microsoft Storeの閉鎖に伴い、2020年6月30日までの四半期に約4億5000万ドル(約480億円)の費用を計上すると明かしています。同社のコーポレート・バイスプレジデントであるデービッド・ポーター氏は、「Microsoft Storeのお客様に感謝します。また、引き続きオンラインストアやMicrosoft Experience Centersの小売り販売チームがサービスを提供できることを楽しみにしています」とコメントしました。
2020年3月下旬に新型コロナウイルスの影響でMicrosoft Storeの大半が一時的な営業停止状態に陥って以来、小売チームは中小企業や教育機関がデジタルでの業務に移行するためのさまざまなソリューションを提供してきた、とMicrosoftは述べています。実際に、何十万もの企業や教育機関の顧客に対して、リモートワークに必要なソフトウェアを提供したり使用法をトレーニングしたりといったサービスが提供されてきたとのこと。
ポーター氏は「我々はどこからでも顧客にサービスを提供できるという独自のバックグラウンドとスキルを持つチームを構成することに成功しました。このような従業員の成長に伴い、あらゆる規模の顧客に対して、必要とするときに必要なだけのサポートをリモートで提供できるだけの基盤が整いました」と述べ、新型コロナウイルスの感染拡大により社内の人材が完全リモートでサービスを提供できるように進歩したことで、実店舗版Microsoft Storeが不要になったと説明しています。
なお、実店舗版のMicrosoft Storeで働いてきた小売チームのメンバーは、消費者・中小企業・教育機関・企業といった顧客に対して引き続きリモートでサービスを提供していくとのことです。
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