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「無料の食事」を提供する運動が新型コロナウイルスの流行拡大に苦しむ地域で盛んに


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が拡大する中で人々は不要不急の外出を控えており、飲食店を訪れる人の数は減少し続けています。休業する飲食店も増える中、COVID-19の流行が爆発的に広がっているアメリカやイギリスで、「無料の食事(フリーミール)」を提供する運動が盛んになっています。

Free Meals
https://www.schools.nyc.gov/freemeals

Coronavirus In Pittsburgh: Local Pizzeria Provides Free Meals For Hospitals, People In Need – CBS Pittsburgh
https://pittsburgh.cbslocal.com/2020/04/05/coronavirus-in-pittsburgh-local-pizzeria-provides-free-meals-for-hospitals-people-in-need/

Deliveroo gives 500,000 free meals to NHS workers fighting coronavirus | Metro News
https://metro.co.uk/2020/03/30/deliveroo-12476809/

Coronavirus: Pub to give out free 'meals on wheels' to pensioners and veterans in isolation - Mirror Online
https://www.mirror.co.uk/news/uk-news/coronavirus-pub-give-out-free-21714662

COVID-19の流行が拡大を続けるアメリカでは失業数が急増しており、失業保険申請は2週間で1000万件を突破。多くの人々が経済的な苦境に立たされています。

そんな国難ともいえる状況の中、さまざまな機関や飲食店がフリーミール運動を行っています。ニューヨーク市教育省は全ての市民が1日3食を食べられるように、フリーミールの提供を2020年4月6日に開始。このフリーミールは、平日の7時30分から13時30分まで市内400箇所で提供されており、7時30分から11時30分までの朝の部では子どものいる家族向けの食事が、11時30分から13時30分までの昼の部では大人向けの食事が提供されます。提供されるメニューは日替わりで、「ベジタリアンフード」やイスラム教徒向けの「ハラールフード」を選択できます。フリーミールを受け取るための登録やIDなどは不要とされているため、文字通り誰でも提供を受けられます。1度の食事提供で3食分を受け取ることも可能で、親や保護者は子どものための食事を持ち帰ることもできるとのこと。

ニュージャージー州に3店舗を持つレストランチェーンIHOPも、困窮する人向けのフリーミールサービスを開始。平日の朝にはパンケーキを、昼にはサンドウィッチを無償で提供し始めました。IHOPを経営するアデナー・ベイヨー氏は、「COVID-19のパンデミックは、私たちの社会で最も困窮する人に最も影響を与えています」「私はコミュニティの中で育ち、お互いを支え合うことほど大切なことはないと学びました。学校が閉鎖されてしまったせいで、子どもが食事をとることができないという事態が生じるべきではありません。同様にグローバルなパンデミックが進行する中、大人が食事をとれないという事態も生じるべきではありません」とコメントしました。


同様に、マサチューセッツ州アマーストのレストランBistro 63は、新型コロナウイルスによる不況にあえぐ飲食業界の従業員向けのフリーミールサービスをスタート。このサービスは当初は数週間に限り行われる予定でしたが、地域からの募金が多数集まったとのことで、少なくとも1カ月以上は継続される予定です。Bistro 63のオーナーであるラシーフ・ラフィク氏は、膨大な量の農産物を寄付してくれた地元の農産物小売店を経営するシャノン氏に謝辞を述べて、「私の卸売業者や友人は本当に寛大です」と語りました。

ペンシルバニア州ピッツバーグのピザレストランJoe&Pie Cafeは、地元病院Allegheny General Hospitalの医療従事者と地元の貧困者支援団体であるBethlehem Havenに無償でピザを提供。Joe&Pie Cafeの広報担当者は「COVID-19のパンデミックに対して、さまざまな支援を考えています」「私たちはコミュニティに還元するとともに、第一線でCOVID-19と戦っている人々に感謝の意を表したいと思います」と述べて、2020年4月9日にピザを1ドル(約110円)で販売する特別セールを検討しているとも明かしています。


フリーミール運動は、アメリカと同様にCOVID-19が広がるイギリスでも活発になっています。フードデリバリーサービスDeliverooは、国民保健サービス(NHS)の医療関係者とホームレスなどの貧困者に50万食を無償で提供すると発表。Deliverooのウィル・シューCEOは「NHSは人命を救うために昼夜問わず働いており、この危機の真のヒーローです。NHSだけでなく、自分の家を離れることができないような脆弱な人々をサポートするため、我々はわずかな役割を果たしたいと思っています」とコメントしました。

マクラーレンの元CEOであるロン・デニス氏も慈善団体Dream Chasing Foundationを通じてNHSの医療関係者に100万ポンド(1億3000万円)を寄付し、健康的な食事を無償提供すると発表。デニス氏は麻酔医として働く娘・シャーロットさんが「NHSの医療関係者はCOVID-19の拡散を防ぐために、レストランなどの食事施設に行くことができない」と訴えたことが今回の支援の動機になったと明かし、「今こそ私たちは個人、企業を問わず立ち上がってCOVID-19との闘いに参加しなければなりません」とコメント。「NHSの医療関係者がCOVID-19と闘うために日夜働いている中で、栄養価の高い食事を摂取できるように支援できることを嬉しく思います」と述べました。

イギリスでも地元の飲食店がフリーミール運動を行っています。ケント州アイルズフォード市のピザレストランThe Chequersは、同市に住む70歳以上の高齢者と退役軍人・障害者・失業者などの支援団体であるRoyal British Legion Industriesに無料のランチとディナーを提供し始めました。提供されるメニューは通常メニューとベジタリアンメニューの2種類で、16時から18時までに配達されるとのこと。この配達にはボランティアの人々が参加しており、受け取りに際して安否確認と他に必要なものがあるかについて聞き取りをしてくれるそうです。The Chequersのオーナーであるデイビット・ハウス氏は「このような厳しい時期にこそ、コミュニティが団結することが重要です」と述べています。


なお、記事作成時点では「新型コロナウイルスは食品経由で広がることはない」と考えられています。アメリカ疾病予防管理センターやアメリカ合衆国農務省、欧州食品安全機関は「食品や食品のパッケージから新型コロナウイルスの感染が広がることを示す証拠は存在しない」とそれぞれ発表しています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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