テスラ・モデルXのオートパイロット機能によって8人の命が救われる
テスラが発売する自動運転対応の電気自動車(EV)であるモデルXのオートパイロット機能が「ドライバーを含む乗員8人の命を救った」と報じられています。
Tesla Autopilot saves family's lives after tree crushes car in Storm Dennis - Mirror Online
https://www.mirror.co.uk/news/uk-news/tesla-autopilot-saves-familys-life-21512255
2020年2月、金融コンサルタントのローレンス・サンダーソン氏は、妻と3人の子どもを連れて、イングランド南西部のドーセットへ家族旅行に出かけました。
しかし運の悪いことに、サンダーソン氏一家の家族旅行と同じタイミングで大型暴風雨「デニス」がブリテン諸島を直撃。イングランド全域で交通機関の混乱が見られ、政府によって大規模災害が宣言されました。
まさにデニスが上陸した2020年2月15日の夜、家族を乗せたテスラ・モデルXをサンダーソン氏が運転していたところ、樹齢400年という大木が暴風によって突如目の前に倒れてきたとのこと。通常ならばブレーキが間に合わず、倒れた木に猛スピードで激突してしまうところだったのが、急ブレーキが自動的に発動。結果として車は木に衝突はしたものの、サンダーソン氏の奥さんは頭と胸をぶつけた程度で、3人の子どもは全くの無傷と、家族全員が無事でした。
テスラのモデルXには外部カメラや超音波センサー、レベル2の自動運転を可能にするAIチップが搭載されています。レベル2の自動運転は「システムがドライビング環境を観測しながら、アクセルやステアリング、ブレーキングを行える」というもので、ドライバーは常にハンドルを握って運転状況を監視する必要はありますが、ある程度はシステムに運転を委ねることが可能になります。今回、このオートパイロット機能による緊急ブレーキが発動したというわけです。
サンダーソン氏は「倒れてくる木に対して時間内に反応することができなかったので、間違いなく押しつぶされてしまっていたでしょう。モデルXは間違いなく私たちの命を救ってくれました。モデルXのオートパイロットがなければ私たちは死んでしまっていたでしょう」と語っています。
さらに、建設会社に勤めるジョシュ・ホワイトロック氏が運転する対向車も同じ大木に激突しており、まったくの偶然ながらホワイトロック氏の車もテスラ・モデルXでした。ホワイトロック氏は恋人と母親を乗せて家に帰る途中で、倒れた大木が電力線を引きちぎって火花を散らすのを目撃した瞬間、突然運転するモデルXが急ブレーキをかけたとのこと。
倒木に激突した後、ホワイトロック氏は「自分の恋人と母親が大木につぶされてしまったのでは」と心配したそうですが、全員無事だったとのこと。以下の画像はホワイトロック氏が運転席から出た直後に撮影した写真です。
サンダーソン氏とホワイトロック氏は家族を車から出したあと、お互いの無事を確認し、テスラ・モデルXのオートパイロット機能が8人の命を同時に救ったことを理解したそうです。サンダーソン氏は「ほんの一瞬で人生は終わってしまうことがありますが、今回はそうなりませんでした。素晴らしい車を作ったテスラのおかげです」とコメント。また、サンダーソン氏は、サンダーソン氏一家とホワイトロック氏一家を助けてくれた地元住民にも感謝の意を示しています。
なお、サンダーソン氏とホワイトロック氏のモデルXはどちらも廃車になってしまったそうですが、倒れた大木が生えていた土地の所有者からレンジ・ローバー・スポーツを提供されたそうです。
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