HuaweiがAppleを上回り世界2位のスマホベンダーに急成長を遂げる
by Andri Koolme
市場調査会社のCanalysとCounterpoint Researchが、2019年におけるスマートフォンの世界市場シェアについてのレポートを発表しました。両社とも「Huaweiが最大の成長を遂げた」と報告しており、HuaweiがAppleを上回って世界第2位のシェアを持つスマートフォンベンダーの地位を獲得したことがわかりました。
Global Smartphone Market – Apple gained the top spot in Q4 2019 while Huawei surpassed Apple to become the second-largest brand in CY 2019 - Counterpoint Research
https://www.counterpointresearch.com/global-smartphone-market-apple-gained-the-top-spot-in-2019-q4-while-huawei-surpassed-apple-to-become-the-second-largest-brand-in-cy-2019/
Canalys Newsroom- Global smartphone market Q4 and full year 2019
https://www.canalys.com/newsroom/canalys-global-smartphone-market-q4-2019
Huawei outsells Apple in 2019, becomes No. 2 global smartphone vendor | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2020/01/huawei-outsells-apple-in-2019-becomes-no-2-global-smartphone-vendor/
Canalysのレポートによる、2019年第4四半期における各ベンダーの出荷台数・シェア・前年同期比の成長率を示した表が以下。Canalysによれば、2019年第4四半期でスマートフォンの出荷台数は3億6900万台に達したとのこと。これは同年前期比で1%増加しており、2四半期連続で市場が成長しているとCanalysは伝えています。CanalysのアナリストであるJin Shengtao氏は、2019年第4四半期でAppleが出荷台数を大きく伸ばしているのは、iPhone 11がアジアなどの新興地域で人気を獲得したからだと述べています。
そして、以下が2019年通年の各ベンダーの出荷台数とシェア、前年比の成長率を示した表です。通年で最もシェアを占めているのはGalaxyブランドを抱えるSamsungで、出荷台数2億9810万台・シェア21.8%。そして、第2位が出荷台数2億4060万台・シェア17.6%のHuaweiで、第3位が出荷台数1億9810万台・シェア14.5%のAppleでした。なお、市場全体のスマートフォンの通年出荷台数は前年比で1%ほど減少しています。
Huaweiは前年比でなんと通年出荷台数が17%増加という成長を遂げています。一方でAppleは、2018年の通年ではHuaweiを超えて第2位のシェアを握っていましたが、2019年通年では出荷台数が前年から7%減少し、Huaweiに2位の座を明け渡してしまう結果となりました。
CounterpointもCanalysとほぼ同等の調査結果を出しており、Huaweiが通年で世界第2位のシェアを獲得したと報告しています。Counterpointは、Huaweiが大きく飛躍した理由として「2019年にヨーロッパ市場に進出し、『Googleモバイルサービスに依存せず、5Gに対応したデバイス』をいち早くリリースしていたから」と述べています。
またCounterpointは、Huaweiの出荷台数の60%が中国によるものだと指摘し、巨大な中国市場を味方につけたこともHuaweiの急成長の理由だと述べています。
ただし、アメリカによるHuawei排除の影響で、GoogleがHuawei製のスマートフォンに対するAndroidのサポートを停止し、Huaweiは自社製の独自OSをスマートフォンに搭載しています。Counterpointは、Huaweiの独自OSが中国以外でAndroidと競合するのはほぼ不可能だろうと推測。また、スマートフォン市場競争の激化に伴いHuaweiが中国以外の市場で展開している「古いデバイスを安く売る」という戦略はそろそろ通用しなくなるとCounterpointは指摘しています。
Huaweiの独自OS搭載スマホが2019年内に登場予定と報じられる - GIGAZINE
CounterpointのアナリストであるVarun Mishra氏は「スマートフォン市場に影響を与えているいくつかの国の間で緊張が高まっています。例えばアメリカがHuaweiに圧力をかけたことや、日本と韓国間の緊張がメモリ市場の不確実性につながりました。これらのニュースにサプライチェーンが動揺し、さまざまな企業が戦略を見直し、単一市場への依存度を低下させています。2020年にはリスクを軽減するために、投資対象をさらに多様化させる取り組みが行われる可能性があります。(記事作成時点では)中国における新型コロナウイルスの発生は、サプライチェーンを脅かす最新の問題の1つです」と語りました。
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