再びTwitchから人気配信者がMixerへ移籍、Microsoftの独占戦略は続く

ゲームの実況配信に特化したストリーミングサービスである「Twitch」から、再び人気配信者が他プラットフォームに移籍しました。

Twitch Star Shroud Moves To Mixer
https://kotaku.com/twitch-star-shroud-moves-to-mixer-1839329327

Twitch上で絶大な人気を誇り、プラットフォームそのものの成長にも大きく貢献してきたというゲーム実況配信者の「Ninja」が、2019年8月にMicrosoftのゲーム配信プラットフォームであるMixerへ移籍することを発表し、海外ゲームメディアの間で大々的に報じられました。

ゲーム配信で毎月5000万円以上稼ぐ人気ゲーマーがTwitchを卒業してMicrosoftが運営するMixerへ移籍すると発表 - GIGAZINE

それから約3カ月が経過して、新たにTwitch上で人気の高いゲーム配信者の「Shroud」が、Ninjaと同じMixerに移籍することを発表しました。ShroudもNinjaと同様に、ゲームの生実況配信をMixerで独占配信していく予定としています。

ShroudのTwitchチャンネルのフォロワー数は700万人超で、チャンネルの総再生回数は3億6000万回超です。ShroudのTwitchチャンネルは2019年2月に月間1500万時間再生され、「最も再生されたチャンネル」に輝いたこともあります。Shroudは「Counter-Strike：Global Offensive」の元プロゲーマーで、PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(PUBG)やレインボーシックス シージなどのシューティングゲームの配信で知られており、クールな口調と高精度のエイムから多くのユーザーに愛されているとのこと。

Shroudは自身のTwitterアカウントで「Shroudは変わらない。新しい家へ」という言葉と共に、Mixerへの移籍を報告するムービーを投稿しています。同ツイートは既に2万4000件以上リツイートされ、15万件以上のいいねを集めています。

ShroudはさっそくMixer上でのゲーム実況配信をスタートしており、以下から視聴可能です。記事作成時点で既にフォロワーの数は約23万人となっており、チャンネルの合計再生回数は90万回超を記録しています。

shroud - Mixer

2019年8月にNinjaがMixerへ移籍したことは、「ゲームコミュニティにとって大きな衝撃となった」と海外ゲームメディアのKotakuは記しています。NinjaはMixerで最も人気の高いゲーム配信者であり、既に240万人以上がチャンネルをフォローしており、チャンネルの総再生回数は2600万回超です。MixerによるTwitchの人気ゲーム配信者の引き抜きは、「MixerがTwitchのライバル」であることを明確に主張するかのような行為であるとKotaku。

しかし、ストリーミング配信者向けプラットフォームのStreamElementsが公開した配信者の実態調査レポートによると、2019年8月にNinjaがMixerへ移籍したあとも、Mixerのプラットフォーム全体における総再生時間はそれほど増加していないそうです。

また、2019年7月から9月までの期間に調査した「ゲーム関連ストリーミングプラットフォームの利用時間」から割り出されたプラットフォーム利用率は、Twitchが75.6％であるのに対して、Mixerは3.2％となっており、Twitch、YouTube Gaming(17.6％)、Facebook Gaming(3.7％)に続く業界4番手となっています。

しかし、ストリーミング配信者向けのツールなどを販売しているStreamlabsの調査レポートによると、Mixerの総配信時間は7月から9月にかけて188％増加しているとのことで、かなり多くの実況配信者がMixerに集結しつつあることも示しています。そのため、Mixer上で総再生回数の大幅な伸びはまだみられていないものの、「Shroudの移籍でその傾向が変わり始める可能性は十分にある」とKotakuは記しています。