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人間と古代生物の交流を描くストップモーションアニメ映画「ミッシング・リンク」はどのように撮影が行われたのか?


「コララインとボタンの魔女」「パラノーマン ブライス・ホローの謎」「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」といったストップモーションアニメ作品で高い評価を得ているライカが制作する映画「ミッシング・リンク」のメイキング映像が、さまざまな舞台裏を紹介するYouTubeチャンネル・INSIDERによって公開されています。

How Stop-Motion Movies Are Animated At The Studio Behind 'Missing Link' | Movies Insider - YouTube


ストップモーションアニメの歴史は古く、1898年に制作された「The Humpty Dumpty Circus」が最古のものといわれています。この作品は静止画は残っているものの、映像そのものは失われてしまったため、どういう内容なのかは不明です。


1933年に公開され特撮映画「キングコング」では、登場するモンスターはすべてストップモーションアニメで表現されました。


「The Humpty Dumpty Circus」が作られてから100年以上経った現代でも、ストップモーションアニメは重要な映像表現の1つです。2019年春にアメリカで公開される予定のストップモーションアニメ映画「ミッシング・リンク」を制作したライカは、ストップモーションアニメを中心に映像制作を行うスタジオです。


ライカが2016年に製作・公開した映画「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」は、英国アカデミー賞のアニメ映画賞を受賞し、アカデミー長編アニメ映画賞にノミネートされるなど、高い評価を受けました。


「ミッシング・リンク」では、人形の表情を作る顔パーツが10万以上使われ……


セットは110種類以上


さらに舞台装置は65カ所分も制作されました。


主人公のライオネル・フロスト卿の声は……


「X-MEN」シリーズのウルヴァリンなどで知られるヒュー・ジャックマンが担当しています。


そして、フロスト卿と共に冒険して交流を深める古代生物であるリンクの声は……


コメディアンで俳優のザック・ガリフィアナキスが演じます


監督はクリス・バトラー氏。バトラー氏は「パラノーマン ブライス・ホローの謎」で監督・脚本を、「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」では脚本を務めました。


そんな「ミッシング・リンク」の撮影現場はこんな感じ。馬とフロスト卿を動かしていますが、その体には緑色の棒がついています。


実際の画面はこんな感じ。現実には地面から足が離れる瞬間がありますが、ストップモーションは1コマ1コマを撮影する必要があり、足が離れる瞬間を撮影するためにはどうにかして人形を支えなければなりません。馬やフロスト卿の人形を支えていた棒は、クロマキー合成の要領で画面から消されるというわけです。


非常にアナログな撮影方法であるストップモーションとCG処理は相反するように思われますが、最先端のストップモーションアニメ映画である「ミッシング・リンク」の制作現場ではCGや最新技術が積極的に利用されています。


「ミッシング・リンク」はストップモーションアニメですが、すべてをストップモーションで作っているわけではなく、グリーンバックを用いたCG映像との合成も行われています。


フロスト卿の人形を抱えるヒュー・ジャックマンの写真を見るとわかるように、撮影に使われている人形の大きさはおよそ30cm~40cm。この大きさが最も動かしやすく、撮影しやすいそうです。


リンクの人形は16インチ(約40cm)。まるでアボカドのようにずんぐりむっくりとした体形でそれほど複雑な構造をしていないため、一見すると動かしやすいように見えますが……


全身を覆う毛並みを動きに合わせて調整しなければならず、かなりの労力を要します。


指先1つをとっても、非常に細やかな塗装が行われています。


中には、何mもあるような巨大な人形を使って撮影もされるとのこと。


例えば、以下の粘土で作られている巨大な人形は……


ネス湖で大暴れするネッシーの人形でした。


この湖でしぶきをあげて爆走するネッシーのシーンも、湖やしぶきをCGで作り上げ、人形を使ったストップモーションムービーと合成することで制作されているとのこと。


「ミッシング・リンク」では、スタジオの広い一室を使って巨大なセットや舞台を組んでいます。


セットの中には蒸気機関車もあり……


その客室の中の風景を撮影するセットはこんな感じ。客室のセットは特殊な装置の上に組み立てられていて、撮影するごとに微妙にセットが動くことで列車の揺れを再現します。


「私にとってストップモーションアニメは、現実のものに現実の光を当てることです。現実とはどこか不完全なものであり、そこが不思議なところなのです」とバトラー監督は締めくくっています。

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in 動画,   映画,   アニメ, Posted by log1i_yk

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