無料の短編映画「Bao」をディズニー・ピクサーがYouTubeで公開中、肉まんに手足が生えて動き回る
肉まんに手足が生えて命がやどり、中国人女性と母と子の関係になっていく……というストーリーの「Bao」は、映画「インクレディブル・ファミリー」と同時公開された「家族」がテーマの短編映画。コミカルな物語かと思いきや、後半に衝撃的な展開を迎えるこの作品が、YouTubeで公開中です。
Disney•Pixar Short Film "Bao" - YouTube
小麦粉をこねる女性。
どうやら肉まんを包む生地を作っている模様。「Bao」は中国語で「包」、蒸しパンを意味する言葉です。
あんをきれいに包んで……
蒸し上げます。
肉まんは朝食用だったようで、夫婦が席につくと男性は急いで肉まんを口に入れて仕事に出かけます。
家に一人残された女性が肉まんを食べようとすると……
突如として響き渡る叫び声。
女性も驚いて肉まんを吐き出します。
赤ん坊のように泣きじゃくる肉まん。
最初はこわごわでしたが……
近寄ってみます。
力む肉まんから……
体や手足が出て来ました。
そっと手のひらに乗せると、きゃっきゃと楽しそうに笑う肉まん。
その瞬間に女性は母親の顔に。肉まんがいとしくてたまらないといった様子です。
絶えず一緒に行動し……
おやつをわけっこ。
一緒に太極拳をしている最中に犬が肉まんをさらっていってしまうというハプニング発生するも、慌てて女性が追いかけ、事なきを得ました。
どんどん大きくなっていく肉まん。
しかし、成長と共に、肉まんの「親離れ」が始まります。一緒に太極拳をやっていても、サッカーが気になる様子。
そっと抜け出して少年たちと一緒に遊びます。
しかし、ヘディングした瞬間に……
頭がぺっちゃんこに。それでも楽しそうな様子。
……が、肉まんに向かって思いっきりボールを蹴ろうとする少年の次の一蹴りを母が阻止。
慌てて連れて帰ります。
母の過保護さをうっとおしく感じた肉まんはそっぽを向きます。いつも一緒に食べていたおやつを断られ、女性はひとりでおやつを口に運びます。
母と肉まんの距離はどんどん開いていきます。肉まんは勝手に冷蔵庫から取り出した飲み物を飲み……
部屋で楽しそうに電話しながら笑っていても……
母の存在に気づくと、思い切りドアを閉めてしまいます。
ごちそうを作っても……
一口も食べることなく、出かけていってしまいます。
一人でごちそうを食べる母。
そしてついには……
家に女性を連れてきました。
指には大きな宝石のついた指輪。
突然の訪問に、母、固まる。
状況が飲み込めない母に対し、婚約者の女性は落ち着いた様子。
そして荷物を取って来た肉まんは、女性と家から出て行こうとします。
しかし、驚きが落ち着いてきた母には、今度は怒りが湧き上がってきたようです。
家から出さないとばかりにドアの前に立ちふさがります。
肉まんの意志も固く……
攻防が続きます。
母の手をすり抜け、出て行こうとする肉まん。
しかし、後一歩のところで手をつかまれてしまいました。
両者引かず……
母の目からはぼろぼろと涙が流れます。
そして、肉まんをがしっとつかむと……
泣きながら口の中へ。ごくりと飲み込んでしまいます。
しばらくしてハッとするも、時すでに遅し、肉まんの姿はもうどこにもありません。
泣き崩れる母。
その後、母は暗い部屋に引きこもり、泣いて暮らす日々……。夫である男性も心配そうにしています。
しかし、その時……
見覚えのあるシルエットが……。
現れた影は肉まんなのか?女性はどうなってしまうのか?という内容は、ムービーのラストで明かされています。なお、ムービーを監督したのは、ピークサーのストーリーボード担当だったドミー・シー氏であり、この映画はスタジオ初の女性監督・アジア人監督となりました。
シー氏は中国系移民の子どもとして育ったため、その経験が映画にも反映されています。YouTubeのコメント欄には「多くの親は子どもが離れていくのを望みませんが、移民の子の場合、親だけでなく『文化から離れる』という問題もあり、物事はより困難になる」「なぜこの短編映画がYouTubeで公開されたのかはわかりませんが、この映画は私に、母がどれほどわたしのよい人生のために尽力してくれたのかを思い出させてくれる」という書き込みもありました。
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