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Facebookは位置情報サービスをオフにしているユーザーの位置情報も入手している

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Facebookには「位置情報サービスのオン/オフを設定する」という項目があり、多くのユーザーはこの項目をオフにすることで、自身の位置情報をFacebookに知らせないように設定できると考えています。しかし、実はこのFacebookの位置情報サービスをオフにしても、FacebookがIPアドレスなどの情報を利用してユーザーの位置情報を取得し、特定の地域に向けた広告表示に役立てていることが判明しました。

Facebook’s Illusion of Control over Location-Related Ad Targeting
https://medium.com/@korolova/facebooks-illusion-of-control-over-location-related-ad-targeting-de7f865aee78

Turning Off Facebook Location Services Doesn't Stop Tracking
https://gizmodo.com/turning-off-facebook-location-tracking-doesnt-stop-it-f-1831149148

Facebookはユーザーの位置情報をもとにして、「特定の地域の人々に向けた広告」が表示できるとしています。その一方でFacebook上の「位置情報サービス」の主な使用例として「広告の表示」が掲げられており、普通に考えれば位置情報サービスをオフにすることで、特定の地域に向けた広告は表示されなくなるはずです。


しかし、南カリフォルニア大学でコンピューターサイエンスの准教授を務めているAleksandra Korolova氏は数カ月の間Facebookの位置情報サービスをオフにし、位置情報の履歴も削除して生活したところ、「それにも関わらず位置情報を活用した広告がFacebookに表示されました」と述べています。Korolova氏のFacebookページには、自身が住んでいるサンタモニカや職場のあるロサンゼルスの他、旅行や仕事で行ったグレイシャー国立公園ケンブリッジ、イスラエルのヘルツリーヤに至るまで位置情報をもとにした広告が表示されたとのこと。

Korolova氏のFacebookプロファイルには当然自分が住んでいる都市の欄が埋められておらず、ここ数年はFacebookに写真をアップロードすらしていないそうです。もちろん位置情報を埋め込んだ投稿やチェックイン機能による投稿も行っていないため、Korolova氏はいったいどのようにしてFacebookがユーザーの位置情報を追跡しているのか調べることにしました。

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Facebookは地域を限定した広告についての説明の中で、「インターネットに接続した場所」や「スマートフォンのある場所」をもとにして、ユーザーのFacebook画面に特定地域向け広告を表示するとしています。つまり、Facebookの位置情報サービスをオンにしているかオフにしているかに関わらず、他の情報源からFacebookはユーザーの位置情報を取得しているとのこと。Facebookがビジネス向けに「来店者数の計測法」を説明したページでは、Wi-FiやIPアドレスなどのデータをもとにして店舗への来店者数を計測しているとしており、これと同様の手段が広告表示にも用いられているとKorolova氏は述べています。


さらに、ユーザーの位置情報は人々が予想している以上にピンポイントで訪れた場所を特定可能であることにも、Korolova氏は言及しています。「中絶のためにクリニックを訪れた女性に対し、Facebookが『産婦人科を訪れた人向けの広告』を表示することをユーザーは止められません。難しい決断を下した女性に対し、かわいいベビー服などの広告が表示されてしまう事態を想像してみてください」とKorolova氏は述べ、位置情報を利用した広告には多くの問題が起こり得るとしました。


Gizmoodがこの件についてFacebookに尋ねたところ、「確かにFacebookはその通りの方法でユーザーの位置情報を取得し、特定の地域に向けた広告を表示しています。もしFacebook上の位置情報サービスをオフにした場合はWi-Fiによる位置情報取得は行いませんが、代わりにIPアドレスなどを利用して広告表示に役立てます」とFacebookの広報担当者はKorolova氏の指摘を認めたとのこと。

その一方でFacebookの広報担当者は、この事実はFacebookのウェブサイトやプライバシー規約をしっかりと読めば誰にでもわかる事実であり、位置情報の活用を隠していたわけではないとしています。また、位置情報の活用はユーザーによりよいサービスを提供するためにも必要なことであり、「ユーザーの位置情報を広告に活用できなくする方法はありません」と、広報担当者はメールで述べました。

Korolova氏は、ユーザーがまるで自分の意志でFacebookが位置情報を利用できなくなると錯覚させ、その実ユーザーには位置情報のオン/オフの権限がないという現在の状態は好ましくないと考えています。Facebookは「IPアドレスやWi-Fiなどの情報を広告に利用する点について、ユーザーが完全にコントロールできる機能を付ける」「建物レベルでの位置情報をもとにした広告サービスをオフにしたい時、広告に利用する位置情報範囲の設定ができるようにする」などの改善をするべきだとKorolova氏は主張しました。

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