メモ

飛行機の騒音を減らすため、地面に謎のギザギザ模様を刻んだ空港


旅客機や貨物機がひっきりなしに行き交う大きな空港では、周辺の環境に対する騒音対策が非常に重要です。オランダのアムステルダムにあるハブ空港「スキポール空港」では新たな滑走路を増設する際に、周辺の土地にギザギザの模様をつけることで騒音を低減するという取り組みが行われ、成果をあげています。

This Crazy Land Art Deflects Noise From Amsterdam's Airport | Innovation | Smithsonian
https://www.smithsonianmag.com/innovation/crazy-land-art-deflects-noise-from-amsterdams-airport-180955398/?no-ist

How Amsterdam’s Airport Is Fighting Noise Pollution With Land Art | Amusing Planet
https://www.amusingplanet.com/2017/06/how-amsterdams-airport-is-fighting.html

この取り組みは、スキポール空港が建築事務所の「H+N+S Landscape Architects」およびアーティストのPaul De Kort氏らとの共同プロジェクトとして実施したもの。滑走路を飛び立つ飛行機のエンジンから出される騒音「ground-level noise(地上騒音)」を軽減するための方策として、この奇妙な形の構造物が作られています。


国土の大部分を低地が占めるオランダでは、空港建設の土地として広大な干拓地が選ばれます。しかし、真っ平らな土地であることと、海面よりも低いというその構造から土地全体が「メガホン」のような働きをするために、騒音が増幅されるという弊害が存在しています。スキポール空港では飛行機が離着陸する際の騒音が28km離れた場所にまで届いていたとのことで、対策が必要でした。


そこで取り入れられたのが、「空港周辺の土地に山型のギザギザ模様を刻む」という方法でした。


この山は高さが2メートル以上もある大きなもので、土の表面には草や花などが植えられています。


飛行機から出た騒音はこのギザギザ形状のおかげで拡散され、周囲に届きにくくなるという効果があることが確認されているとのことです。


なんとこの形状は、空港周辺の畑につくられた「畝(うね)」に騒音軽減効果があるという事実をもとに考案されたものであるとのこと。その詳細が以下のムービーで解説されています。

Landart Park Buitenschot on Vimeo


スキポール空港はアムステルダムの市街地に近い場所にあります。空港の拡張のために新しい滑走路を建設しようとしたところ、近隣の住宅地(Residential Area)への騒音が問題になることがわかりました。


そんな中、空港の近くの畑が耕され、畝が作られると騒音が小さくなるという事実が判明。畝による凹凸が騒音のエネルギーを拡散させていることがわかりました。


その現象をもとに、スキポール空港などのプロジェクトチームは、大きな凹凸を作ることで騒音対策とすることを決めました。


そのサイズは、大人がスッポリ隠れてしまうほどの大きさ。谷の部分には人が並んで歩けるほどの通路が作られているほか、花などを植えて公園として活用することが可能です。


少し騒音が気になるかもしれませんが、散歩することも可能。


花が咲くとこんな感じ。空港周辺の美化という意味でも、この騒音緩衝地帯は役立てられることになりそうです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
周囲360度をぐるりと滑走路が取り囲む2050年の空港の姿「Endless Runway」 - GIGAZINE

旅客・貨物・燃料などニーズに合わせた胴体を組み合わせ可能なモジュール式航空機「Clip-Air」 - GIGAZINE

飛行機のジェットエンジンはどこまで巨大化するのか? - GIGAZINE

「すべての航空路もローマに通ず」ことを示してくれるインタラクティブマップ「Flights to Rome」 - GIGAZINE

世界中の空港の位置を「ボロノイ図」で表現した「World Airports Voronoi」 - GIGAZINE

in メモ,   動画, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.