映画

アカデミー賞に新しく「人気映画」カテゴリが追加、ただし早くも不人気


優れた映画やその製作関係者をたたえるアカデミー賞に、新たに「人気映画に与えられる賞」が加わることを、映画芸術科学アカデミーが2018年8月8日(水)に発表しました。しかし、この賞の存在はSNSでのウケが悪く、「人気がない人気映画賞」になっていると報じられています。

Twitter Reacts to New Oscars Popular Film Category: ‘This is so Lazy’ – Variety
https://variety.com/2018/film/news/twitter-reacts-new-oscars-popular-film-category-academy-1202899436/

Oscars: Academy of Motion Pictures Arts and Sciences adds popular film category | EW.com
https://ew.com/awards/2018/08/08/oscars-academy-popular-film-category/


以前から、アカデミー賞に選ばれる映画に偏りがあることは指摘されてきました。受賞作を選ぶアカデミー会員はアート系・インディペンデント系の映画や、お気に入りの著名人が関係している映画を選びやすいといわれており、ここ数年で作品賞に選ばれた「シェイプ・オブ・ウォーター」や「ムーンライト」「アーティスト」といった作品の国内の興行収入は1億ドル(約110億円)に達していません。

選ばれる作品に偏りがあることは、アカデミー会員の大部分が高齢の白人男性であることも関係しているとみられています。そのため、2020年までに女性やマイノリティの数を倍にすることが約束されています。2018年は新たに900人の新メンバーが加わりましたが、うち49%が女性で38%が有色人種とのこと。


アカデミー賞は「最も視聴者が多い受賞式」ではあるものの、授賞式の中継の視聴者数は2017年の3200万人から2018年では2650万人へと減少しています。このような減少傾向を受けて、「人気映画」というカテゴリを新たに追加するものとみられています。なお、新しいカテゴリが追加されることは過去にもあり、長編アニメ映画賞も、見逃されている作品をたたえるために2002年から加わった、比較的新しい賞です。

「人気映画をたたえる賞」の具体的な名前や詳細情報は記事作成時点で明らかになっていませんが、Twitterでは既に酷評だと報じられています。

これは、人気映画賞の創設が映画ブラックパンサー」のためではないかとみられているためです。ブラックパンサーは主な出演者を黒人俳優で固め、社会的なテーマを含むとして批評家からも支持され、アメリカ国内外で社会現象をおこすほどの人気となっています。興行収入はアメリカの歴代第3位で、ヒーロー映画として初めてアカデミー賞の作品賞を狙えるともいわれています。

このタイミングで人気映画賞を創設すると発表されたことについて、作品賞にノミネートされないブラックパンサーのための「記念賞」として作られたのではないかという声や……


「『ブラックパンサー』や『ミッション:インポッシブル』は作品賞を受賞できないってこと?」と疑問を投げかける声が上がっています。


賞がブラックパンサーのための「特別な偽物のオスカー」であると見るとする人も。


なお、人気映画カテゴリの追加に加え、3時間の受賞式を短縮することを含め、アメリカ国外からでも見やすくするための変更が予定されていると発表されました。この試みは2019年からスタートし、2020年は従来の2月末ではなく、他のハリウッドの映画賞も行われる2月初頭に変更される予定です。fv

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in 映画, Posted by darkhorse_log

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