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3DCGモデリングのパワーとディテールのこだわりが強く印象に残るワンダーショウケース第35期選出作品まとめ


国内最大のガレージキットイベントワンダーフェスティバル(ワンフェス)では、「若手アーティストの育成と繁栄」を目的として、ワンダーショウケースと呼ばれる専用レーベルが用意されています。ワンフェス2018[夏]では「御幸一也」「天道様」「Flower Secret」の3作品がワンダーショウケース第35期に選出されています。


ワンダーショウケースにやってきました。


1作品目はWSC #093 おあげさんの作品。「ダイヤのA」より、「御幸一也」。


キャラクターのポーズは膝立ちの状態のまま、二塁にボールを投げて盗塁を阻止する直前の場面を再現しています。実際に動いているシーンの1コマをそのまま切り抜いたかのように作り上げられていて、「このまま動き出してもおかしくないように感じる」ほどの素晴らしい仕上がりになっています。


ボールを投げるときの下半身の動きも非常に細かく再現されていて、足に力を入れたときにできるユニフォームのシワなどが、しっかりと再現されています。


おあげさんはゲーム制作会社に勤めており、キャラクターモデリングの仕事を担当しているとのこと。おあげさんは「モニターの中だけではなく、現実に触れられるものを作りたい」との思いからワンフェスに参加して、このクオリティのものを仕上げたそうです。ワンフェスカタログの13ページ目でも『デジタル化の波に伴うゲーム業界からの「越境組」 アナログモデラーとは根本的に異なり資質に注目!』と書かれるほど。


御幸一也のガレージキットはワンフェス会場販売分40個限定で税込1万3000円、ワンフェス以降の一般販売価格は税抜1万4500円となっています。


2作品目はWSC #094 クッキー草さん制作の「天道様」。


天道様は十二単のような衣装をまとった女性キャラクターで、細部まで緻密に作り上げられた翼が印象的。この作品はイラストから造形したとのことで、二次元のイラストから、ここまでのものを仕上げる造形力にただただ驚くばかり。ZBrushを駆使したデジタルモデリングとなっています。


この作品を造形した台湾人のクッキー草さんは「日本でフィギュア造形を学びたい」という思いから、日本語を猛勉強。その後、来日して大阪の専門学校で「フィギュア造形」を学んだクッキー草さんは、台湾に戻ることはなく、日本でフィギュア造形の仕事に就くという、一風変わったキャリアを持っています。


天道様はワンフェス会場販売分の20個限定で税込3万9000円。一般販売価格は4万4000円となっています。


3作品目はWSC #95 ジムさんの作品「Flower Secret」です。


この作品は、さまざまなお花で彩られたスカートが印象的で、そのディテールに引き込まれてしまいます。


「Flower Secret」はイラストレータのredjuice氏によって描かれた作品。もともと1枚のイラストしかなかったのですが、ここまで奥行きのある造形をジムさんが行ったことが、今回ワンダーショウケースに選出された決め手になったそうです。本人の経歴も変わっており、中学や高校で数学の常勤講師・非常勤講師をしていたものの、知人からフィギュアデベロッパー会社を紹介されて就職してしまったというもの。加えて、今回の選出のきっかけはなんと「自薦」のメールで、そのメールの一部がワンフェスカタログの13ページ目に一部記載されており、想いの強さが伝わる名文です。


「Flower Secret」はワンフェス会場販売分の40個限定で税込1万5000円。一般販売価格は税込1万8000円となっています。

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in 取材,   マンガ,   デザイン, Posted by darkhorse_log

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