旅客機サイズの巨大Wi-Fiドローンのテスト飛行をFacebookが2015年夏に実施することが明らかに
Facebookが開発を進めている「空飛ぶWi-Fiステーション」としてのインターネット接続用ドローンですが、小型の試験機に続いて実物大サイズの機体によるテスト飛行が2015年の夏頃にも実施されることが明らかにされました。
Facebook, Moving Ahead with Drone, Plans Test This Summer - Digits - WSJ
http://blogs.wsj.com/digits/2015/03/26/facebook-moving-ahead-with-drone-plans-test-this-summer/
この機体は、すでに開発中であることが明らかにされていたFacebookによるインターネット接続サービス提供用ドローンの実験機で、2015年3月上旬に行われた10分の1サイズの実験機によるテスト飛行を終え、次のステップへと進むもの。Facebookではこの機体をまだインターネット環境が整っていない地域に飛ばして上空から電波を送ることで、10億人から20億人といわれるネット世界から「隔離」された人々にネット環境を提供するという構想を発表しています。
「わし座」を意味する「Aquila」とも呼ばれている機体の詳細はあまり多く明らかにされていない状況ですが、そのサイズは翼長165フィート(約50メートル)とも伝えられており、これは一般的な旅客機でも大型機に相当するサイズ。一方で重量は350ポンド(約160kg)ともいわれており、大型・軽量に設計されていることがわかります。以下の画像は過去に発表されていた機体の予想図。
このサイズの機体を用いるドローンの作成は前例がなく、Facebookのエンジニアリング担当副社長のジェイ・パリック(Jay Parikh)氏は「巨大な機体であり、巨大なプロジェクト。かつてなかったものになります」と語っています。機体は翼に内蔵された太陽電池パネルによる電力を使って飛ぶ仕組みになっており、このレベルを満たす性能をもつシステムは近年になってようやく満足いくものが開発されたとのこと。
上空からネット環境を届ける構想については、Googleも同様のプロジェクトを進めていることが明らかになっています。Googleでは180基の人工衛星を使うものやFacebookと同様の無人機を使った基地局の構想を発表してきましたが、現時点で最も有力視されているのは気球を使って基地局を上空に飛ばし、自らが通信事業者となってインターネット環境を提供する「プロジェクト・ルーン(Project Loon)」であるといわれています。
一方のFacebookは、自らが通信事業者になる予定はないとのこと。パリック副社長は「もし我々が自分でサービスを提供する場合だと、実現にはさらに多くの時間が必要になります。多額の費用も必要になり、長い目で見ると持続可能なサービスにはならない」ことを理由に、「我々のコア・ミッションに反する」としてサービス提供の予定がないことを表明しています。
なお、Googleがドローン開発のために2014年に買収した「Titan Aerospace」は、それまでにFacebookとも買収交渉を重ねていた企業。Googleに買収されることになった経緯は不明ですが、Titan Aerospaceとの交渉がまとまらなかったFacebookはその後にイギリスの企業でTitan Aerospaceの競合とされていた「Ascenta」を買収しています。
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