Googleが数ヶ月以内に通信キャリアになることが明らかに、気球とドローンでいつでもどこでもネットOKの驚愕の未来像とは?


前々から「Googleが自社でモバイル回線サービスを提供するのでは」と噂されていたのですが、Mobile World Congress(MWC)の会場にて、Googleの上級副社長を務めるスンダル・ピチャイ氏が正式に「Googleが通信キャリアになる」ことを認めました。

Google to launch its own mobile phone network, Sundar Pichai confirms at MWC
http://www.ibtimes.co.uk/google-confirms-it-launching-its-own-mobile-phone-network-1490095

Google confirms that it will launch its own wireless service
http://www.neowin.net/news/google-confirms-that-it-will-launch-its-own-wireless-service

Google confirms plans to launch its own mobile service in the 'coming months' | The Verge
http://www.theverge.com/2015/3/2/8132245/google-confirms-mvno-plans

Inside Project Loon: Google's internet in the sky is almost open for business | The Verge
http://www.theverge.com/2015/3/2/8129543/google-project-loon-internet-balloon-access-business

Googleのスンダル・ピチャイ上級副社長は、Android・Chrome・Google AppsなどGoogleの提供するサービスの中でも特に重要なものを監督している人物です。そんなピチャイ氏は、非常に小規模で他のモバイル通信サービスとは異なる特徴を持った新たな通信サービスをスタートさせる、と述べています。


2015年3月2日から5日までの間にバルセロナで開催されているMWCにて行われたGoogleの基調講演では、ピチャイ氏はサービスの詳細については話していません。しかし、Googleが提供するサービスの強みとしては「セルラーとWi-Fiがシームレスにつながり、接続が切れた際には自動で再接続できる点」と説明しています。複数のメディアにて、Googleが通信キャリアとしてサービスをスタートさせるのは「アメリカ限定だろう」と報じていますが、サービスをスタートさせるには通信キャリアと提携する必要がある模様なので、通信キャリアと提携してMVNOとしてサービスをスタートさせるのではと考えられます。

By Kārlis Dambrāns

また、MWCではGoogleが取り組んでいるProject LoonやProject Titanといったプロジェクトの進捗報告も行われました。

Googleが気球を使ってどこでもWi-Fiによるネット接続を可能にする「Loon」の受信アンテナ公開、壮大な計画の一端が明らかに - GIGAZINE


Googleが長時間高空滞在可能なドローン開発会社を買収、その目的は? - GIGAZINE


2つのプロジェクトは、Project Loonでは気球、Project Titanでは軽量のドローンを用いて広範囲にメッシュネットワークを構築するというもの。これらのプロジェクトの目的は、インターネットアクセスが不可能な地域にいる40億以上の人々に、インターネット接続可能な環境を提供しようというものです。

Project Loonがスタートしたのは2013年で、初めは5日間滞空可能な気球を開発するために奮闘していました。プロジェクトは2015年の段階で6カ月以上滞空可能な気球の開発に成功しており、初めはWi-Fiでメッシュネットワークを構築していましたが、最近になって4G通信技術を使ったネットワークの構築にも取りかかっていることが明らかになっています。

以下のムービーは2015年3月2日に公開されたもので、The VergeがProject Loonの最新情報を公開してくれています。

Inside Google's wildly ambitious internet balloon project - YouTube


シワシワになりながらも空を飛んでいるこれが、Project Loonの気球。


最大時はこれくらい膨らみます。


表面はビニールを複数枚つなげたような感じで、見た目はモコモコ。


そんなわけで早速Project Loonの研究・開発が行われているGoogle Xラボへ潜入。Google Xラボでは過去にはGoogleストリートビューカーなども開発されていました。


中ではせっせと気球にぶら下げる Wi-Fiモジュールのプロトタイプ機器を組み立てていました。


左から順に古いものとなっており、一番右端にあるのが最新のモジュール。段々と小型・軽量化されていることが如実にわかります


これは電力供給用のソーラーパネル。気球の下にぶら下げられるモジュールにくっついて、電力を供給してくれるわけです。


Project Loonでは、気球の下部にルーターをぶらさげて上空10キロメートル付近を浮遊させます。


通常のモバイルネットワークの場合、ユーザーは基地局の電波をつかんでネットワーク接続を行い、ユーザーが移動する度に接続する基地局を切り替えていきます。


しかし、Project Loonのメッシュネットワークの場合、気球が空を漂っているので気球側が移動して、ユーザーが接続するルーターを切り替えていく感じ。


なお、1個の気球でなんと5000平方キロメートル、ニューヨーク3個分もの広大な面積をカバーできます。


気球をよく見ると、中にもバルーンがあることが分かります。外側のバルーンにはヘリウムが入れられ、気球の高度を上げるために使用されます。内側のバルーンで空気を調整して、気球の高度を調整できるようになっている、とのこと。


基本的に気球は高度を上げ下げすることしかできないので、地球の気流に乗って移動させることになります。


朝から試作気球を使ったテスト飛行


外側のバルーンがしぼみきってしまった気球。地上に降りてくる最中でしょうか。


Google Xラボ内には大量の通信モジュール。


研究所内で実際に試作機を作成しています。


以下のグラフは2014年3月から2015年1月までに打ち上げられた気球の連続航続記録、180日以上を達成しています。


この手に持っているのが気球に搭載されているWi-Fiモジュールのプロトタイプ


中はこんな感じで、これは気球の中身がどれぐらいダメージを受けているか検査中の場面。


なお、Project Titanでも2、3カ月以内にドローンの初試験飛行が行われる予定となっており、このドローンの役割はProject Loonの気球では補いきれない範囲をカバーする、というもの。既に4G通信でのネットワーク構築にも取りかかっているとのことなので、「空飛ぶ気球やドローンのWi-Fiでインターネット」だけではなく「世界中どこにいても動く携帯電話基地局経由でインターネット」というようにして、いつでもどこからでもGoogleを使って検索できる究極のネット環境が完成するのもそう遠い未来の話ではないようです。

・関連記事
Googleが気球を使ってどこでもWi-Fiによるネット接続を可能にする「Loon」の受信アンテナ公開、壮大な計画の一端が明らかに - GIGAZINE

Googleの気球ネットプロジェクト「Loon」が飛行開始から約1年経過、近況をブログで報告 - GIGAZINE

Googleが長時間高空滞在可能なドローン開発会社を買収、その目的は? - GIGAZINE

Googleが自社でモバイル回線サービスを提供する可能性が報じられる - GIGAZINE

ネット接続不可な僻地に簡単にモバイルネットワークを構築できる「Endaga」 - GIGAZINE

174

in モバイル,  ハードウェア,  動画, Posted by logu_ii