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ネット接続不可な僻地に簡単にモバイルネットワークを構築できる「Endaga」

By International Maize and Wheat Improvement Center

Googleが「大気圏衛星」を使って離島でもネットが使えるような実験を計画中だったり、ハリケーン被害の教訓から無線メッシュネットワークを街全体に構築する試みが行われていたりと、いつでもどこでもインターネットに接続できるような設備を整えようとする試みは、さまざまな方面から進められています。そんな中でも特に簡単にネットワークを構築できてしまうサービスとして注目を集めているのが「Endaga」です。

Endaga | Community Cellular Networks
http://www.endaga.com/

Endaga Brings Rural Villages Online With a Cell Network in a Box | Re/code
https://recode.net/2014/12/01/endaga-brings-rural-villages-online-with-a-cell-network-in-a-box/

「Endaga」は、誰でも簡単にモバイルネットワークが構築できる、というサービス。モバイルネットワークを構築するには「Endaga CCN1」という名前の機材を設置する必要がありますが、他に小難しい設定などは必要なく、設置してしまえばインターネット接続環境が整っていないような僻地からでもネットワーク接続が可能になる、とのことです。

これがEndaga CCN1。使用方法は非常に簡単で、無線周波数や電話番号の割り当てなど、あらゆる細かな設定は全てEndaga CCN1が自動で行ってくれます。ネットワークの範囲は障害物の有無や地形にもよりますが、端末の半径10km程度。Re/codeによれば、Endaga CCN1の価格は6000ドル(約73万円)で、インドネシアやパキスタンなどで実際に使用されているそうです。


Endagaにより構築されたネットワークを使用するには専用のSIMカードをモバイル端末に挿す必要があります。また、Endaga CCN1を使って構築したネットワークを他人に貸し与えることも可能で、ネットワークの使用料請求や口座振替などが簡単にできるようなキットもそろって提供されるそうです。


ユーザーのネットワーク使用量をリアルタイムでモニタリングすることも可能。


実際にインドネシアのパプア州では2013年の2月からEndagaが運用されており、現在では約1500人の街の約27%がこれにより構築されたネットワークを使用しており、毎月2000ドル(約24万円)もの利益を生み出しているそうです。

Endaga CCN1はOpenBTSという技術を使用。インドネシアでは衛星インターネット接続を可能にしており、パキスタンではWi-Fiを長距離まで飛ばし、専用SIMカードを挿した端末にのみ使用できるネットワークの構築に利用されている、とのことですがその詳細は不明。


日本では電波を公平かつ能率的に運用するために総務省が周波数の管理を行なっており、「この周波数はここの企業が使っても良いよ」といった具合に周波数の割当てが行われているので、Endagaを運用するのは難しそうです。

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in モバイル, Posted by logu_ii

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