インターネットの出現と進歩でかつての日常がどのように変化したかがわかる「リ・イマジネーション(再構築)」
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By whiteafrican
インターネットの普及によってこれまでの日常が様相を変えましたが、そんなインターネットの現状に関するリポート「Internet Trends report」が発表されました。これはベンチャーキャピタルの1つ「クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ(KPCB)」のMary Meekerさんによるリポートで、インターネットによってこれまでの文化がどのように変化したのかを分かりやすく視覚化しています。これによると、インターネット市場はアメリカがリードしつつもアジア諸国が急成長していて、また、モバイルデバイスによるインターネット使用も増加しており、いかにそれを収益化するか、ということが今後の課題となりそうです。
Mary Meeker’s eye-popping annual Internet Trends report hits the web | VentureBeat
http://venturebeat.com/2012/05/30/mary-meeker-internet-trends-2012/
Meekerさんは、インターネットの利用によってこれまでの日常が“リ・イマジネーション(再構築)”されると定義しています。
有名人や家族の功績は額に入れて壁に飾っておくのではなく、Facebookのタイムラインなどで多くの人に見てもらうことができるように。
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「ニュース」というと、以前は記者とカメラマンの肩書きを持った人が取材していて、情報は早くなく、自分の国のことや局地的な話題を発信していました。今ではTwitterのようにリアルタイムで、スマートフォンなどのモバイル端末を持っている人々全員が記者同然であり、全世界的にグローバルな情報発信をしています。
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メモ帳に鉛筆で書き込む代わりに、Evernoteに写真や音声などを含めた記録ができるように。記録したものの中から必要なものを探すのも簡単です。
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キャンバスに向かって絵の具を使って描いていた絵画は、描く場所も必要で流通の方法も限られていましたが、Paperや最新の機器を使えばいつでもどこでも好きなように絵が描けます。人に見てもらうのも簡単になりました。
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InstagramやCamera+、Hipstamaticといったアプリを使えば、スマホで撮影した写真を加工し世界中の人々とシェアしたり、自分好みの写真を見つけることが可能に。これまでのカメラのようにデータを手動で移行したりフィルムを現像する必要もありません。
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びっしりと手書きの文字で埋めていた日記もPathに登録すると、起床した場所や、聴いている曲、お気に入りの写真などを友人とシェアしたり、反対に他の人の日記を読んだりできます。
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写真を切って貼って作っていたアルバムもPinterestならワンクリックで写真を貼り付け、他の人と情報をシェアすることが可能。またアルバムは家でしか見ることができませんが、Pinterestはいつでもどこでも見ることができます。
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これまで、お気に入りの雑誌はため込むしかありませんでしたが、Flipboardを使えば友人と共有した情報をもとに自分だけの雑誌を作ることができます。毎日更新され、どこからでもアクセス可能、動画や音声も使用できます。
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iBookやKindleを使えば図書館を持ち歩くのに等しいことが可能です。
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CDをお店で購入し、プレーヤーで再生というのがこれまでのスタイルでしたが、Spotifyを使えば友人や専門家を介して好きな曲を見つけ、オンデマンドで再生することができます。
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テープレコーダーでは編集や他人との共有が困難でしたが、SoundCloudがあれば録音・編集・再生がいつでもどこでもどんなデバイスでも可能に。プレイリストを他の人とシェアしたり、音楽を探すこともできます。
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偉大なアーティストへのトリビュートは大きなスクリーンで見るだけではなく、より生前の姿を再現することが可能に。コーチェラ・フェスティバルではホログラムを使って故Tupacさんがライブを行いました。
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YouTubeやネットフリックスによって自分のパソコンで動画が見られるようになり、レンタルショップに行くことも無くなりました。
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Socialcam Video CameraやViddy、GoProなどを使えばカメラや照明、編集機器などがなくてもデジタルエフェクトやレコーディング・デバイスを使ってビデオを作ることができます。リアルタイムでアップロードしたり、お気に入りの動画を見つけることも可能です。
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テレビやラジオのホストを務めていたGlenn BeckさんはGBTVというインターネットチャンネルを使うことにより低コストで30万人の視聴者をゲットし、これまでより多くの収益を獲得しています。
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これまではだらっとソファにもたれたり、前のめりで1人で動画を眺めていましたが、Chillを使えば、情報を発信したり受け取ったりすることで仲間を見つけたり、自分の興味ある分野における新たな発見も可能に。
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テレビではたくさんのコンテンツから自分の好きなものを選ばなければなりませんでしたが、Team StreamやYouTube Chennelsを使えば自分の好きなコンテンツだけを大きな画面で見ることができます。
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電話やトランシーバーでは1対1の会話しかできず機能が限られていましたが、Voxerではボタン一つで大勢の人と一度に会話できるように。同時に写真やテキスト、ボイスメッセージも送れます。
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ドライブの最中には助手席で地図を広げたり、ラジオで交通状況を聞いて渋滞を確認していましたが、Wazeを使えばデジタルマップを使ってどこが混んでいるかをリアルタイムで知ることができるように。
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今まではコメンテーターやリポーターなどプロによって情報の方向性が決められていましたが、Bleacher Reportなどでは、マルチメディアを通して個人の分析による意見も提供されるようになりました。
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雑誌やテレビでは欲しい物があってもすぐに購入できませんが、HouzzやOne Kings Laneでは欲しい物はクリックしてその場で購入できます。また、デザイナーや消費者のためのプラットホームがあり、売り手と買い手がコミュニケーションを取ることも可能。
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ラッシュアワーの長蛇の列に並んだり、雨の中タクシーがつかまらずにうろうろ街を歩くこともありましたが、Uberでは今いる場所を知らせてワンタップでタクシーが呼べ、支払いもスマホで行えます。
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ガソリンや軽油を燃焼させて排気ガスを出す自動車が主流でしたが、今ではエレクトリックパワートレイン技術を使用した電気自動車やハイブリッドカーが増えてきています。ソーラーパネルが天井に載っていたり、ゼロ・エミッションに基づいて作られるこれまでに無かったタイプの車も出てきています。
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レビューもなく、分厚い電話帳で調べるしかなかったお店探しも、Yelpがあればお店の写真からおすすめメニュー、ユーザーレビューまで簡単に見ることができます。
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チラシからクーポンをわざわざ切り抜いても割引は少しだけ、さらに持っていることを忘れて使えずじまい……ということが起こりがちでしたが、GROUPONなどをでクーポンを安く共同購入すれば、大幅に割引された商品が買えたりサービスが受けられます。
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レストランは一ヶ所にお店を構えなければいけませんでしたが、10万人以上のフォロワーを持つKogiは、Twitterを使ってリアルタイムでお店のある場所を知らせることが可能、移動し続けるレストランを運営できるようになりました。
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会計は大きくて妙な形のレジスターでレシートをプリントして行っていましたが、Squareを使えばシンプルでエレガントなタブレットで会計が可能。レシートはメール発行され、サインはタッチパネルで行います。
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わざわざ買い物のために外を出歩く必要もなくなりました。One Kings LaneやFab.comでは欲しい物が見つかればクリックしてすぐに購入できます。
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自分で作った物はフリーマーケットではなくEtsyで。ハンドメイドの商品をネット販売するだけでなく、広告や在庫管理もできます。
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インターネットを使えば顧客のニーズにあった販売が可能なので、大手企業によって定番商品が大量生産されるムダも省けます。ZazzleやShapewaysといったサイトでは個人がデザインした商品が購入できたり、3Dプリントされたアイデアを見ることができます。
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ZaarlyやTaskRabbit、Fiverrなどでお使いを頼めば遠くのお店から欲しい物を届けてもらうことも可能。手近だという理由で大手企業が作ったありきたりな大量生産品を買う必要はなくなりました。
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フライヤーを使い声を張り上げて行ったり、夕食の場を設けて行った資金集めも、Kickstarterを使えば必要ありません。オンラインで資金を集め、その状況もリアルタイムで伝えることができます。
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投資の際には借り手は申込書や賛成に至るまでの長々しいプロセスを書いた書類を用意し、高い金利を支払わねばならず、投資者は高いリスクを承知で高額の投資を行わねばなりませんでした。しかし現在ではオンラインの資料を使い、比較的低い金利で資金を借り入れ会社が設立できるように。投資の方法も多様化し、少額での投資も可能になっため、投資者も見返りを得やすくなりました。
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ミーティングはホワイトボードを使って顔をつきあわせて行ったり、電話を使って遠隔会議を行う必要がありましたが、Salesforce.comやYammer、Jiveといったツールを使えば情報をシェアしたり、短いメッセージを送り、顔を合わせなくとも会議ができるようになりました。
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紙のレジュメを使った大学での就職活動や仕事探しもオンライン化しました。LinkedInではオンラインのレジュメを使い、転職希望者の持っている資格や技能に合わせた職業を見つけることができます。
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企業や製品に対する消費者の反応は定時に集まって小グループで調査を行っていましたが、Affectivaを使えば消費者の感情をリアルタイムの映像で知ったり、それを分析し、データ化することが可能です。
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署名用紙はファックスで送ったり、郵便で送付していましたが、DocuSignを使えば電子媒体にも簡単に署名できます。また、監査トレイルによって安全性は保証されます。
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診察には事前予約が必須でしたが、ZocDocやTeladocを利用すればすぐにお医者さんに見てもらったり、テレビ電話で診察してもらえるように。
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退屈な授業を教室で聞くだけだった教育も、ゲームを取り入れたりとより楽しいものに。
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ボタンやジョイスティック・十字キー・有線接続で操作していたゲームも、Kinectでは声を出したり体を動かすだけで操作可能に。
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教室で教科書を読みながら受けていた講義もインターネットを通せばよりインタラクティブに。CodecademyやCoursera、Khan Academyといったサイトでは時間や場所、参加者を限定しない教育が行われています。
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Kloutやfoursquare、Zyngaといったソーシャルメディアを通して人間関係の幅も広がりました。
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ケータイを使って政府から助成金を受け取ることができるので、助成金を求める長蛇の列を見ることも今ではめったに見ません。
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Instagramを使えば壁に絵を描く必要もありません。
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SFPD(サンフランシスコ市警察)のCrimeMAPSを使えば街の危険区域も一目でわかり、事前に危険を回避できます。また危険区域に入ってしまったときに携帯電話のアラームが鳴るよう設定することもできます。
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Nestならユーザーの行動パターンを学習して部屋の空調温度を自動調整したり、無線LAN経由でスマートフォンやパソコンから温度設定のコントロールも可能です。
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GPS付きの首輪を付ければすぐに飼い犬を見つけることができ、迷子になったペットの貼り紙をすることも無くなりました。
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そしてfeed(エサやり)はTwitterfeedやfacebookのNews feed、Titckerに。
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インターネットの普及と技術の進歩によって様々なことが形を変えましたが、まだ「インターネット市場の空白」は存在します。それが「耳」「車」「テレビ」という3つの市場、とのこと。
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インターネットの使用に関する現状については以下のような調査結果が出ました。
◆インターネットの普及率
インターネットの普及率は79%と、やはりアメリカが最も高いようです。
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タブレットや電子ブックリーダーを持っている人は3年前には2%以下だったのが、2012年1月には29%のアメリカの大人がタブレットを持っているという結果になりました。
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3Gモバイルのユーザー数もアメリカがトップ。それに伴い5年前には全体の5%にも満たなかったiOSやAndroid、WindowsモバイルといったスマホOSが2011年はマーケットの64%を占める結果に。
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ちなみに世界的にはAndroidのシェアはiPhoneの約5倍に上ります。
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◆アジアのインターネット市場が急上昇
インターネットはやはりアメリカがリードしていますが、中国やインド、インドネシアやフィリピンといったアジアの国々のユーザーが急増加しています。特に中国における新規インターネットユーザーは2億1500万人に上り、アメリカが1500万人のユーザー増加であることと比較すると、そのすさまじさがよく分かります。逆に南アメリカやアフリカの諸国ではユーザーの増加はあまり見られませんでした。
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◆モバイルによるインターネットの普及
日本の3Gモバイルの浸透率は95%と世界的に見てもダントツ。
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しかし、モバイルを使ったインターネット市場はまだまだ発展途上段階にあります。というのも、モバイルによるインターネットの通信量は右肩上がりなのですが、収益化がそれに追いついていないからです。
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特にインドではモバイルによるインターネットの通信量はデスクトップパソコンのそれを超える結果に。
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にも関わらずCPMは、デスクトップパソコンが一人あたり3.5ドル(約280円)なのに比べてモバイルは0.75(約60円)ドル。
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とは言え収益化も進んでいる最中で、広告収入に加えてアプリによる収入がそれを支えています。ということでモバイルの場合、広告収入以外の部分に収益の可能性がありそうです。
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このようにしてインターネットは日常生活を変化させており、日本ではまだなじみのない変化が諸外国では起きているため、日本でもそのうち同様の変化が起きると予想されます。つまり、さらなる「リ・イマジネーション(再構築)」が今後も加速して続いていく、というわけです。
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