女魔戒法師2人が主役のスピンオフ劇場版「牙狼外伝 桃幻の笛」製作発表に雨宮慶太総監督らが登場
2013年7月から公開される映画「牙狼外伝 桃幻の笛」の製作発表会見が東京国際アニメフェア2013の中で行われました。この作品は、テレビシリーズ第2作「牙狼〈GARO〉~MAKAISENKI~」後のエピソードで、これまでの主役である冴島鋼牙ではなく、魔戒法師の邪美と烈花を主役に据えたスピンオフ作品。会見には原作・総監督の雨宮慶太さん、大橋明監督、邪美役の佐藤康恵さん、烈花役の松山メアリさんが登場しました。
劇場版「牙狼〈GARO〉〜桃幻の笛〜」2013年7月ロードショー
http://garo-project.jp/TOUGEN/
特撮ドラマ「牙狼〈GARO〉」は2005年10月から2006年3月に最初のシリーズがテレビで放送された後、2006年年末にテレビスペシャル、2010年に全編3Dの劇場版、2011年にテレビ第2シリーズ、さらに2013年2月には劇場版第2弾「牙狼〈GARO〉~蒼哭ノ魔竜~」が公開されるなど、ファンの熱い支持を受けている作品です。
これまでの主人公・冴島鋼牙の物語はこの劇場版第2弾で終わり、4月からは新たな主人公を据えたテレビシリーズ「牙狼〈GARO〉〜闇を照らす者〜」の放送が決まっています。今回、製作発表が行われた映画は、鋼牙が“約束の地”で戦っていたころ、2人の魔戒法師が“北の森”にいた……というストーリー。
原作・総監督 雨宮慶太(以下、雨宮):
最初、タイトルは出さずに「佐藤さんと松山さんが出る」ということを発表しましたが、みなさんが予想した通り、このキャラクターたちのスピンオフ作品を作ることができて、嬉しく思います。
司会:
大橋監督は牙狼〈GARO〉シリーズのアクション監督を経ての初監督作品となります。
大橋明監督(以下、大橋):
初代の「牙狼〈GARO〉」にはスタントマンとして参加していて、「牙狼〈GARO〉~MAKAISENKI~」からアクション監督になり、映画の「牙狼〈GARO〉~蒼哭ノ魔竜~」を撮っていたときに「次、監督な」と言われて、きっと冗談だろうと流していたら本当で、びっくりしました。
雨宮:
まだドッキリかも知れないですよ。
大橋:
えっ!
司会:
みなさん反応ありがとうございます。ウソなので大丈夫ですよ。アクション監督と監督で、作品への関わりの違いはありますか?
大橋:
ドラマの撮影を現場で見ていても「監督は大変だな」と思っていましたが、本当に大変でした。アクション監督であれば、アクションパートの演出が終わったら帰って飲みに行ったりもできましたけれど、今回は最初から最後まで責任を取らなければいけないので。
雨宮:
監督だからね。
大橋:
でも、困ったときは雨宮監督が助けてくれました。俳優さんたちも、僕なんかが言わなくてもキャラクターが完成していて、何をしても邪美や烈花になるので、演技プランも「いつも通りやって下さい」でできるので、助かりました。
司会:
これまでもシリーズに携わっていたからこそ、雨宮さんもお任せできた?
雨宮:
戦いながらのセリフがあったり、演出的なところもあるので、普通のアクション監督よりも芝居勘がないとできないんですよ。今回は大橋くんが撮りやすい台本、アクションになるように作っているし、2人とも監督と仕事をしたことがあるので、いいスタートができたと思っています。
司会:
現場で見る大橋監督はいかがですか?
雨宮:
監督らしくやっているなと思いました。彼はスタッフ受けが良く、みんなに好かれる監督なので、楽しそうだなと。
司会:
邪美役の佐藤さんに質問です。脚本を読んでどんな印象を受けましたか?
邪美役 佐藤康恵(以下、佐藤):
スピンオフ作品、それも魔戒法師女2人が主演ということで、テンションが上がって「来たな!」と嬉しく思いました。本を読ませていただいて、メインの役柄なので、アクションも命がけで何があってもいろんなことをやっていきたいという思いを持ちました。気持ちもすっと入っていくことができて、いい出会いでした。
司会:
烈花役の松山さん、撮影にあたって特別な思いはありましたか?
烈花役 松山メアリ(以下、松山):
烈花は映画「牙狼〈GARO〉~RED REQUIEM~」で初登場しましたが、まさかドラマにも登場するとは思っていませんでした。ドラマのアフレコのときに「またやりたい?」と聞かれたので「はい」と答えたんですが、今度はスピンオフで主役だなんて思っていなくて……。鋼牙や牙狼の出てこない「牙狼〈GARO〉」で、今までの世界観を出せるかという不安もありましたが、スタッフの皆さんが同じ方たちなので信頼もあり、思いっきり頼って頑張りました。
佐藤:
邪美は「姉さん」と呼ばれているんですが、最初は慣れなくて……。
雨宮:
烈花が邪美のことを何て呼ぶか、最初は「邪美法師」って書いていたけれどピンと来なくて「邪美姉」って書くようになったんですよ。それが、現場に行ったら浸透していて。
佐藤:
監督も「邪美姉、入ります」って声をかけるんです。なので「姉さん」として頑張らせていただきました。
司会:
呼び方がぴったりですよね。牙狼が出ない「牙狼〈GARO〉」がどうなるのかは期待もできるところなのですが、女魔戒法師のかっこよさもシリーズの魅力ですね。
雨宮:
今の時期だからこそ、ファンの皆さんが認知してくれていてできたことだと思います。MAKAISENKIで鋼牙が出ないエピソードを作って、それはそれで成立したので、魔戒法師を主役にした映画もできるんじゃないか、と。作品は長くやってみるものだなと思いますね。
司会:
いろんな角度からスポットを当てられるのがこの作品の面白いところだなと思います。大橋監督から見て、邪美と烈花はどうですか?
大橋:
2人ともアクションは上手いので心配しませんでしたが、冬に撮影したので、とにかく寒かったです。ナイター撮影ばかりでしたがよく文句も言わずに明け方まで付き合ってくれたなと思います。
松山:
寒かったですね……。
司会:
その中でのアクションとなると大変ですよね。
雨宮:
基本生足ですからね、ストッキングは禁止しているので(笑)
司会:
このあたりはオフショット写真を見ながら進めていきましょう。まずは左上の写真、これはケーキですか?
佐藤:
撮影中に誕生日を迎えたので、牙狼ケーキをもらいました。
松山:
邪美姉はごはんをゆっくり食べる方なので、ケーキの時も早めに呼んだんですがなかなか来てくれなくて、ようやくバースデーができたという感じでした。
佐藤:
よく噛んで食べるんです(笑)
雨宮:
魔戒法師はよく噛んで食べるんですよね。
司会:
健康的ですね。下の写真は佐藤さんと監督ですね、これはどういう指導をしているところですか?
大橋:
「いつもの邪美の通りやってください」と(笑)
佐藤:
そうそう、今回の邪美は髪型が違うの、わかりますか?(客席が大きく反応)あー、すごく首を振ってくれてる。
司会:
あと耳飾りが佐藤さんのデザインなんですよね?
佐藤:
はい、法師は筆を使うので、そのイメージで作らせていただきました。
雨宮:
烈花にも作りましょう。
司会:
続けて右側、松山さんです。
松山:
ワイヤーアクションのシーンですね。剣の上に乗るというシーンで、本番直前までは寒いので服を着込んでやっています。大橋監督が「できるだけ私たちを見せたい」ということだったので、アクションはかなり頑張りました。
大橋:
僕は優しい顔で「いいね、いいねー」と言いながら、どんどんと大変なことをやらせていくという(笑)
司会:
やはりアクションにはこだわりがあるんですね。
大橋:
そうですね。
司会:
では、本作の注目ポイントについて教えて下さい。
佐藤:
作品は魔戒法師がメインで、鋼牙がいない時に私たちは何をやっているのかということを描いています。スタッフ、キャストみんな熱い気持ちを持って制作に挑みました。「ココがいい」ということは私からは言いませんので、みなさんで「ここが良かった」というところを見つけていただけたらと思います。
松山:
烈花と邪美が主役のスピンオフ作品ですが、鋼牙たちの姿がなくても存在を感じられるシーンがありますので、ぜひ感じ取っていただければ。
司会:
それでは、最後に一言ずつメッセージをお願いします。
雨宮:
特報映像はアニメフェアの東北新社ブースに行くと、クリアな音声と映像で見ることができます。脚本を書いた時点では居なかったんですが、大橋監督から女の子ばかりなのでシグトを出してもいいかと言われて、今までのシグトの中で一番かっこいいシーンが出てきます。もちろん、邪美と烈花の方がかっこいいですが。7月に劇場で公開されますので、温かい目で見て下さい。
大橋:
この作品はMAKAISENKIの終わりから繋がるお話です。雨宮監督が演出をされている部分もある、正統牙狼〈GARO〉シリーズのスピンオフです。そういうところもよくみていただいて、僕のいい加減な演出はあまり見ずにアクションシーンを見ていただければ(笑)
佐藤:
監督、そんなことないですよ。集まっていただいた皆さんの目を見ているだけで牙狼大好きパワーが伝わってきます。そういう思いに負けないように頑張ったので、楽しんで見て下さい。牙狼のブースもすごい迫力だったので、ぜひ体感して下さい。
松山:
大橋監督の初監督作品で主演させていただき、幸せに思います。今まで牙狼〈GARO〉を支えてきたスタッフとファンの皆さんあっての作品だと思います。美しく撮ってもらいましたし、私たちの思いも詰まっています。公開を楽しみにしてください。
イベントの最後に抽選会が行われ、来場者のうち10名に「カードファイト!ヴァンガード」の牙狼カード3種類がプレゼントされました。
ちなみに、コレが東北新社ブース「牙狼シアター」
側面に書かれているのは涼邑零(絶狼)役の藤村玲さんと冴島鋼牙(牙狼)役・小西遼生さんのサイン。
&雨宮慶太総監督のサイン&「牙狼」
大橋監督のサイン
邪美役、佐藤康恵さんのサイン
烈花役、松山メアリさんのサイン
雨宮さんは牙狼の姿も描いていました。これをさらさらっと手で描いてしまうというところがすごい……。
ちなみに、製作発表会見が行われる前のシアター前はこのような感じで藤村さん&小西さんのサインのみだったので、この牙狼のイラスト&文字を雨宮さんが後から手描きしたのは間違いない、というわけ。
映画「牙狼〈GARO〉〜桃幻の笛〜」は2013年7月、シネ・リーブル池袋ほか全国でロードショーとなります。
場面カットはこんな感じ、シグトがどこでどのように出てくるのか気になります。
◆スタッフ
原作・総監督:雨宮慶太
監督:大橋明
脚本:藤平久子、雨宮慶太
制作:オムニバス・ジャパン/東北新社
配給:東北新社
製作:東北新社
◆キャスト
邪美:佐藤康恵
烈花:松山メアリ
阿妓:瀧内公美
麻妓:大野未来
シグト:倉貫匡弘
ケンギ:津田寬治
©2013「桃幻の笛」雨宮慶太/東北新社 garo-project.jp/TOUGEN
※タイトル表記を「牙狼外伝 桃幻の笛」に統一しました。
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