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宇宙企業SpaceXが新規株式公開(IPO)を正式に申請、イーロン・マスクCEOは議決権の85.1%を保有

by Gage Skidmore

イーロン・マスク氏が率いる宇宙企業・SpaceXが、アメリカ証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)の登録届出書である「Form S-1」を提出しました。同社はナスダックで「SPCX」というティッカーシンボルで上場する予定で、IPO後もマスク氏はCEO・CTO・取締役会長として会社の中核に残る見通しです。

Space Exploration Technologies - S-1
https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1181412/000162828026036936/spaceexplorationtechnologi.htm

Elon Musk's SpaceX files for IPO
https://www.axios.com/2026/05/20/elon-musk-spacex-ipo

The SpaceX IPO filing is filled with AI bets, Starship dreams, and Elon Musk at the center | TechCrunch
https://techcrunch.com/2026/05/20/the-spacex-ipo-filing-ai-bets-starship-dreams-elon-musk/

SpaceXは2002年にマスク氏が設立した宇宙企業で、再使用型ロケットの開発を軸にしています。記事作成時点でSpaceXはNASAの主要パートナーであり、衛星インターネットサービス「Starlink」、ロケット「Falcon」や宇宙船「Dragon」、次世代大型ロケット「Starship」、さらにxAIの統合によるAI事業まで抱える複合的なテクノロジー企業になっています。

by Steve Jurvetson

今回公開されたForm S-1はSpaceXの事業内容と財務状況をこれまでで最も詳しく示す資料となっています。これによるとSpaceXは2026年6月下旬にナスダックで取引を開始する見込みですが、公開時点では売り出し株式数や想定公開価格は明らかにされていません。

IPOは史上最大規模になる可能性があると報じられており、TechCrunchは調達額が約750億ドル(約11兆9100億円)、企業価値が約1兆7500億ドル(約278兆円)に達する可能性があると伝えています。一方で、S-1には36ページにわたるリスク要因も含まれており、xAIやXの統合に伴う法的係争の費用として5億3000万ドル(約795億円)が見込まれていることも示されています。

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財務面では、2025年の売上高は186億7000万ドル(約2兆9600億円)で、純損失は49億ドル(約7780億円)でした。2026年第1四半期には売上高46億9000万ドル(約7450億円)に対し、純損失42億7000万ドル(約6780億円)を計上しており、直近で統合されたxAIとXの影響もあって財務構造は複雑になっています。

SpaceXの事業を支える中心はStarlinkです。TechCrunchによると、Starlinkの衛星インターネット事業は2025年に約110億ドル(約1兆7400億円)の売上を生み、同社全体の売上の半分以上を占めました。

一方で、マスク氏が設立したAI企業xAIの統合は、SpaceXに新たな成長期待と大きな支出を同時にもたらしています。xAIは2025年に32億ドル(約5100億円)の売上に対して64億ドル(約1兆円)の営業損失を出しており、SpaceXのAI部門の設備投資は2025年に127億ドル(約2兆円)、2026年第1四半期だけで77億ドル(約1兆1200億円)に達したとされています。


SpaceXは、AIチャットボット「Grok」を数兆パラメーター規模へ拡大する計画を示しています。また、xAIの「Colossus」と「Colossus II」データセンターは合計で約1ギガワットの計算能力を提供しているとされ、将来的には軌道上AIデータセンターの展開も構想されています。

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宇宙事業では、Starshipの成否が今後の成長を大きく左右します。SpaceXはStarshipによる軌道へのペイロード輸送を2026年後半に開始し、同年後半にはStarlink衛星の打ち上げに使い、2027年には次世代V2モバイル衛星の打ち上げにも活用する計画です。

こうしたStarshipの開発には巨額の資金が投じられています。S-1によると、SpaceXの宇宙部門はStarshipの研究開発に2025年に30億ドル(約4770億円)、2026年第1四半期に9億3000万ドル(約1480億円)を費やしており、SpaceXはStarshipによって軌道投入コストを過去の平均的な打ち上げ費用に比べて99%以上削減できると主張しています。


SpaceXはS-1文書で月や火星への進出、宇宙旅行、地球上の都市間をStarshipで高速移動する構想、軌道上や月・火星での製造施設、さらには小惑星採掘といった将来市場も列挙しています。ただし、これらの多くは「将来市場」と位置付けられており、具体的な事業化時期やリスクの詳細は中核事業ほど詳しくは説明されていません。

マスク氏の支配力も、今回のIPOで大きな焦点となっています。Form S-1によると、マスク氏は1株あたり10票の議決権を持つClass B株の93.6%を保有しており、SpaceXにおける議決権の85.1%を握っています。IPO後にこの比率は下がる見込みですが、それでも50%を超える議決権を維持する可能性は高く、上場後もマスク氏の影響力がきわめて強い構造は維持される見通しです。

by Gage Skidmore

なお、マスク氏にはさらにSpaceXの企業価値を7兆5000億ドル(約1200兆円)に引き上げることや、100万人規模の恒久的な火星居住地を確立することなどを条件に、最大10億株のClass B株を受け取れる報酬パッケージも用意されています。宇宙ベースのデータセンターが年間100テラワットの計算能力を提供できるようになった場合にも、追加の株式報酬を得られる可能性があるとのことです。

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in メモ, Posted by log1i_yk

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