Armが35年以上の歴史で初めてとなる自社製シリコン「Arm AGI CPU」を発表

イギリスを拠点とする半導体企業のArmが、次世代のAIインフラストラクチャを支える新クラスの製品として「Arm AGI CPU」を2026年3月24日に発表しました。これはIPライセンスやコンピュートサブシステム(CSS)の提供を行ってきたArmが35年以上の歴史の中で初めて自社設計の完成品シリコン製品を直接提供するものであり、Arm Neoverseプラットフォームを基盤にした新たなデータセンター向けシリコン製品ラインの第1弾と位置づけられています。
Announcing Arm AGI CPU: The silicon foundation for the agentic AI cloud era - Arm Newsroom
https://newsroom.arm.com/blog/introducing-arm-agi-cpu
Arm expands compute platform to silicon products in historic company first - Arm Newsroom
https://newsroom.arm.com/news/arm-agi-cpu-launch
A look inside the Arm AGI CPU: Core features and benefits - YouTube

Arm AGI CPU: Reactions from global technology leaders - YouTube

Arm moves beyond IP with AGI CPU silicon — 136-core data center chip targets AI infrastructure with Meta as lead partner | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/semiconductors/arm-launches-its-first-data-center-cpu
Armによると、Arm AGI CPUはAIエージェント時代のインフラ需要を見据えて設計されたものだとのこと。AIシステムが世界規模で常時稼働し、ソフトウェアエージェントが複数のモデルと連携しながらリアルタイムに判断を行うようになる中で、CPUはアクセラレーターの制御、メモリやストレージの管理、ワークロードのスケジューリング、システム間のデータ移動、さらには多数のエージェントへのファンアウトの調整まで担う、現代インフラの中核的な存在になっています。Armはこうした変化に対応するため、ラックスケールで高密度かつ高効率に動作するCPUとしてArm AGI CPUを投入したと述べています。
Arm AGI CPUは、TSMCの3nmプロセス技術を用いて製造され、Arm Neoverse V3コアを最大136個搭載しています。各コアには専用の2MB L2キャッシュが備わり、動作周波数は最大3.7GHzです。デュアルチップレット設計を採用し、メモリとI/Oを同一ダイ側に配置することで低レイテンシを重視しており、100ns未満のメモリアクセスをターゲットとしています。

メモリは最大DDR5-8800を12チャネルサポートし、800GB/sを超える総帯域幅とコアあたり6GB/sのメモリ帯域を実現。

チップあたり最大6TBの容量に対応し、I/O面では96レーンのPCIe Gen6、CXL 3.0、AMBA CHI extension linksをサポートします。これらの機能を300ワットの熱設計電力(TDP)内で提供する点も特徴です。

性能面では、Armのリファレンスサーバー構成において、最新のx86システムと比較してラックあたり2倍以上の性能を発揮できるとArmは説明しています。具体的な導入形態としては、2つのチップを搭載した1OUのデュアルノード構成を採用し、1ブレードあたり272コアを実装。

これを30ブレード搭載した36kWの空冷ラックでは、合計8160コアの運用が可能だとのこと。さらに、Supermicroと提携した200kWの液冷構成では、336個のArm AGI CPUを収容し、4万5000コア超を集積できます。Armは、高いメモリ帯域幅によりラックあたりでより多くの実効スレッドを確保できることや、Arm Neoverse V3コアの高いシングルスレッド性能と効率の良さがこうしたラック単位の性能向上につながると説明しています。

パートナーシップにおいてはMetaがリードパートナー兼顧客として開発に協力しており、Arm AGI CPUはMeta独自のカスタムアクセラレータ「MTIA」と組み合わせて、同社のアプリ群を支えるギガワット規模のインフラ最適化に活用される計画です。Metaのインフラストラクチャ担当バイスプレジデントであるアレクシス・ビョーリン氏は「MetaがArm AGI CPUのリードパートナーであることを光栄に思います」と述べ、同社の次世代AIアクセラレータであるMTIAと組み合わせることで、ギガワット規模のデータセンターフットプリント全体でパフォーマンスと効率を最大化できると期待を寄せています。
OpenAIは「OpenAIは大規模にAIシステムを運用しています。ChatGPTは毎日何億人もの人々に使われており、企業は当社のAPIを基盤にサービスを構築し、開発者はCodexのようなツールを利用しています。Arm AGI CPUは、当社のインフラが拡大していく中で重要な役割を果たす見込みです。大規模なAIワークロードを調整するオーケストレーション層を強化し、システム全体の効率、性能、帯域幅を改善するためです」と述べました。
Cloudflareは「より良いインターネットの構築を支援するという私たちの使命を継続するために、Cloudflareにはグローバルネットワーク全体で効率よく拡張できるインフラが必要です。Arm AGI CPUは、次世代のワークロード向けに設計された高性能で電力効率の高いコンピュートを提供します」と述べました。
AI企業のCerebrasはArm AGI CPUがデータセンターにおけるAIのあり方を根本から変える可能性を秘めていると評価し、同社のAIスーパークラスターとArmの新CPUを統合することで、これまでにない規模とスピードでAIトレーニングと推論を実現できると強調しています。
NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは「アクセラレーテッドコンピューティングは、CPUを不要なものにしたわけではありません。むしろCPUを不可欠なパートナーにしました。Armアーキテクチャは、私たちのあらゆるプラットフォームの基盤になっています。ロボティクス向けのJetson、自動運転システム向けのDrive、BlueFieldと呼ばれるDPU、そしてVeraというCPUに至るまで、Armは広く使われています。私たちが構築しているこうしたシステムは、ArmのエコシステムとArmプラットフォームを柔軟に形作り、調整し、改変できなければ実現できません。そうしたArmの適応性と変更のしやすさが、私たちのあらゆるプラットフォームにArmを統合することを可能にしてきました」とコメントしました。

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in 動画, ハードウェア, Posted by log1i_yk
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