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「AIで火星探査機の経路を指定する」という実験が成功し実際にパーサヴィアランスがClaudeの計画に沿って火星を走行


NASAのジェット推進研究所(JPL)とAnthropicが協力して「火星探査機の移動経路をAIで導き出す」という実験を実施しました。実験は成功し、実際にClaudeが導き出したルートに沿って火星探査機「パーサヴィアランス」が合計456メートル走行しました。

NASA’s Perseverance Rover Completes First AI-Planned Drive on Mars | NASA Jet Propulsion Laboratory (JPL)
https://www.jpl.nasa.gov/news/nasas-perseverance-rover-completes-first-ai-planned-drive-on-mars/

Claude on Mars \ Anthropic
https://www.anthropic.com/features/claude-on-mars

パーサヴィアランスは大量のカメラやセンサーを搭載した火星探査機で、2021年2月に火星に着陸してから火星の地表を移動しつつデータを収集しています。火星は地球から2250万キロメートル離れた位置にあるため、ラジコンのようにリアルタイムで操作することは不可能です。このため、パーサヴィアランスを走行させるには地球にいる専門家が地形データなどをもとに移動経路をあらかじめ決定しておく必要があります。経路を決定したら100メートル以内の間隔でウェイポイントを指定し、パーサヴィアランスがウェイポイントの間を自動操縦で走行する仕組みです。


ウェイポイントの指定は非常に難しい作業です。例えば2009年には火星探査機「スピリット」がウェイポイントに従って走行した結果、砂に車輪を取られて走行不能になりプロジェクト終了となってしまったこともあります。今回の実験はウェイポイントの指定にAIを活用することで作業の効率化や困難地形への対応を可能とすることを目的に実施されました。

JPLの技術者はこれまでの走行経験から得られたデータや知見をClaude Codeに集約したうえで、火星の地形データや衛星画像を入力しました。Claude Codeは入力された情報を分析して「危険な岩」「砂の状況」などの重要な地形特性を特定し、パーサヴィアランスの移動経路およびウェイポイントを生成。さらに、生成したウェイポイントをもとにパーサヴィアランス向けの命令コマンドを専用のマークアップ言語であるRover Markup Languageで記述しました。


Claude Codeの指示がパーサヴィアランスにとって適したものであるかを検証するために、プロジェクトチームはパーサヴィアランスのデジタルツインを用いて50万以上の変数を検証しました。さらに、人間の技術者が「Claude Codeには入力していなかった地表のカメラ画像」を参考に命令を微調整してから実際に命令が送信されました。

AIの指示を受けた走行は、パーサヴィアランスの稼働開始から1707火星日(2025年12月8日)と1709火星日(2025年12月10日)に実施されました。走行距離は1707火星日が210メートルで、1709火星日が246メートルでした。以下の画像は1709火星日の走行における「AIが計画したルート(赤色)」と「パーサヴィアランスが実際に走行したルート(オレンジ色)」を示しています。


以下の動画では1709火星日の走行で撮影された地表の様子を確認できます。

Perseverance Rover’s View of Crater Rim Drive - YouTube


また、移動の様子をモデル化した映像も公開されています。

Visualizing Perseverance’s AI-Planned Drive on Mars - YouTube


映像の左上に写る水色の円形エリアがウェイポイントで、パーサヴィアランスの車輪近くに伸びる水色の線が想定経路、前方に伸びている黒い線が自律走行システムによって導き出された経路オプションを示しています。


プロジェクトチームはAIを移動経路計画に活用することで、計画に費やす時間が半分に短縮されると見積もっています。将来的にAIでの移動経路計画が本格導入されれば、探査やデータ収集に多くの時間を費やせるようになるとAnthropicはアピールしています。

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in AI,   ハードウェア,   サイエンス, Posted by log1o_hf

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