NASAの火星探査機「パーサヴィアランス」が火星に着陸
現地時間の2020年7月30日にアメリカのケープカナベラル空軍基地にある発射施設から打ち上げられたNASAの火星探査機「パーサヴィアランス(Perseverance)」が、地球から2億9300万マイル(4億7200万km)という途方もない距離を203日間かけて旅し、ついに火星に到着し地表に着陸しました。着陸が発表されたのは日本時間の2021年2月19日5時55分です。
Touchdown! NASA's Mars Perseverance Rover Safely Lands on Red Planet – NASA’s Mars Exploration Program
https://mars.nasa.gov/news/8865/touchdown-nasas-mars-perseverance-rover-safely-lands-on-red-planet/
NASA’s Perseverance rover successfully lands on Mars - The Verge
https://www.theverge.com/2021/2/18/22289668/nasa-mars-perseverance-rover-success
Perseverance rover has landed safely on Mars | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2021/02/perseverance-rover-has-landed-safely-on-mars/
火星探査機のパーサヴィアランスは、アトラス Vロケットに積載され、ケープカナベラル空軍基地第41発射施設から打ち上げられました。パーサヴィアランスは火星に生命の痕跡がないかどうかを確認するために地球から送り出された探査機で、火星の岩石や土壌といった地表サンプルを収集し、地質や気象を調査します。
NASAが火星探査機「Perseverance」の打ち上げに成功 - GIGAZINE
パーサヴィアランスの装備やキュリオシティとの違いなどについては以下の記事にまとめられています。
火星着陸が秒読みに入ったNASAの探査機「パーサヴィアランス」の機能と任務まとめ - GIGAZINE
by NASA
そんなパーサヴィアランスが、日本時間の2021年2月19日5時55分に火星に着陸したことが発表されました。パーサヴィアランスは火星の大気圏に突入してから7分間後に、地表に着陸。今後、パーサヴィアランスは火星のクレーターであるジェゼロで探査ミッションを開始します。
パーサヴィアランスの公式Twitterは、火星に着陸した後に「私は火星で安全です。パーサヴィアランスはあなたをどこへでも連れていきます」とツイート。
I’m safe on Mars. Perseverance will get you anywhere.
— NASA's Perseverance Mars Rover (@NASAPersevere) February 18, 2021
#CountdownToMars
また、パーサヴィアランス公式Twitterは「私は3億マイル(4億8000万km)近く移動してきましたが、まだ私の旅は始まったばかりです」というツイートと共に、NASAの管制室でパーサヴィアランスの着陸を祝う職員たちの写真を共有しています。
I’ve come nearly 300 million miles, and I’m just getting started. Hear from the team about my picture-perfect landing and what comes next.
— NASA's Perseverance Mars Rover (@NASAPersevere) February 18, 2021
LIVE at 2:30 p.m. PST (5:30 p.m. EST/20:30 UTC) https://t.co/fciqGe8GpC pic.twitter.com/5XgclFaGtB
以下の画像は火星に着陸したパーサヴィアランスが最初に撮影した画像。
Hello, world. My first look at my forever home. #CountdownToMars pic.twitter.com/dkM9jE9I6X
— NASA's Perseverance Mars Rover (@NASAPersevere) February 18, 2021
さらに、パーサヴィアランスが撮影した2枚目の火星地表の写真も。
And another look behind me. Welcome to Jezero Crater. #CountdownToMars pic.twitter.com/dbU3dhm6VZ
— NASA's Perseverance Mars Rover (@NASAPersevere) February 18, 2021
NASAのスティーブ・ユルチク長官代理は、「この着陸は、NASA、アメリカ、そして世界的な宇宙探査にとってきわめて重要な瞬間のひとつです。私たちが発見の最前線にあり、いわば教科書を書き直すために鉛筆を削っていることが分かった瞬間です」と語りました。
パーサヴィアランスは火星の地表に着陸する際に、以下のイラストのようなパラシュートを用いて減速。降下時の速度は時速1500kmにもおよぶそうですが、高度11kmあたりで開かれたパラシュートにより、降下速度を時速3.2kmまで落とすことに成功。
Boom! Just fired my parachute and felt the jolt as it opened. Slowing down even more.
— NASA's Perseverance Mars Rover (@NASAPersevere) February 18, 2021
Speed: ~950 mph (~1500 kph)
Altitude: ~7 miles (~11 km)#CountdownToMars pic.twitter.com/Hvp5oTla2Y
その後、パーサヴィアランスはパラシュートから分離し、ジェットエンジンを用いて安全に地表に着地。なお、以下のアニメーションはあくまでもパーサヴィアランス着陸の瞬間をイメージした動画であり、実際の映像ではありません。
Here goes! Lighting the engines on my “jetpack” for final descent. Wheels down in less than a minute.#CountdownToMars pic.twitter.com/AQKPEBGr0o
— NASA's Perseverance Mars Rover (@NASAPersevere) February 18, 2021
以下はNASAが公式YouTubeチャンネル上で公開していた、パーサヴィアランスの火星着陸の瞬間を生配信したムービー。ムービーの1時間33分頃にパーサヴィアランスが火星の大気圏に突入し、1時間40分頃に地表に着陸します。
Watch NASA’s Perseverance Rover Land on Mars! - YouTube
なお、パーサヴィアランスは約35億年前に形成された火星の三角州であるジェゼロで、化石化した微生物を探し、生命の痕跡を確認する予定です。
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