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VRAM容量16GBのデスクトップ用グラボ「GeForce RTX 5060 Ti」を搭載したZOTAC製ミニPC「MAGNUS EN275060TC」はローカルAIやゲームで実用的なのか徹底検証してみた


性能の高いグラフィックボードを搭載したPCは大型になりがちで、小型のミニPCだとグラフィックボードなどの性能が低下する場合がほとんどです。2025年12月12日(金)に登場予定のミニPC「MAGNUS EN275060TC」は片手で持てるサイズの小型ボディにVRAM容量16GBのデスクトップ用グラフィックボード「GeForce RTX 5060 Ti」を詰め込んでおり、処理性能と省スペースを両立することが可能。そんなMAGNUS EN275060TCの実物を発売に先駆けて借りることができたので、各種ベンチマークテストを実行してゲームや動画編集、画像生成AIといったタスクでどれだけの性能を発揮できるのか徹底的に検証してみました。さらに、高負荷時の各部の温度や騒音量も測定しています。

MAGNUS EN275060TC (Windows) | ZOTAC
https://www.zotac.com/jp/product/mini_pcs/magnus-en275060tc-windows

MAGNUS EN275060TCの寸法は210mm×203mm×62.2mmで、容積は2.65Lです。映像出力ポートはDisplayPort 2.1bポートを3個とHDMI 2.1bポートを1個搭載。USBポートはUSB 3.2 Gen 2に対応したUSB Type-Aポートが前後合わせて5個ついていて、Thunderbolt 4に対応したUSB Type-Cポートも2個あります。さらに、2.5Gbpsイーサネットポートを2個搭載し、Wi-Fi 7とBluetooth 5.4にも対応するという大型デスクトップPCと遜色ない拡張性を備えています。MAGNUS EN275060TCの外観やポート配列は以下の記事で確認できます。

片手で持てるサイズにデスクトップ版GeForce RTX 5060 Tiを詰め込んだZOTAC製ミニPC「MAGNUS EN275060TC」の外観を詳しくチェックしてみた - GIGAZINE


ミニPCにはノートPC向けの性能制限版グラフィックボードが搭載されることが多いですが、MAGNUS EN275060TCの場合はデスクトップ版のGeForce RTX 5060 Tiを搭載しています。「GPU-Z」でGPU情報をチェックした画面が以下。VRAM容量は16GBで、性能を制限することなく本来のGeForce RTX 5060 Tiがそのまま詰め込まれていることが分かります。


CPU-Z」でCPU情報を確認。CPUはIntelの「Core Ultra 7 Processor 255HX」を搭載しています。


今回借りたMAGNUS EN275060TCの主なスペックは以下の通り。メモリやストレージは自分で交換可能です。

モデル名MAGNUS EN275060TC
CPUIntel Core Ultra 7 Processor 255HX
GPUZOTAC GAMING GeForce RTX 5060 Ti GPU
RAM容量16GB (96GBまで増設可能)
VARM容量16GB
ストレージ1TB M.2 NVMe SSD
入出力HDMI 2.1b ×1
DisplayPort 2.1b ×3
USB 3.2 Gen 2 ×5
Thunderbolt 4 ×2
イヤホンジャック
有線通信2.5Gbps Ethernet
無線通信Wi-Fi 7
Bluetooth 5.4
OSWindows 11 Home


というわけで、各種ベンチマークを実行して性能を確かめてみます。電源モードは初期状態で「最適なパフォーマンス」になっていたので、このままの設定でベンチマークを実行します。OSやドライバはテスト時点の最新版を使っており、Windows 11 Homeのバージョンは10.0.26200、GPUドライバのバージョンは581.80です。


まず、ストレージ速度測定ツール「CrystalDiskMark」を実行。シーケンシャル読み込み速度は5178.11MB/s、シーケンシャル書き込み速度は4708.04MB/s、ランダム読み込み速度は913.63MB/s、ランダム書き込み速度は670.16MB/sでした。


定番ベンチマークアプリ「Geekbench 6」でCPUテストを実行した結果、シングルコアスコアは2995、マルチコアスコアは1万6539でした。


GPU計算性能スコアはOpenCLでは15万621。


Vulkanでは13万9010でした。


CPUやGPUの性能を測定して世界中のユーザーと比較できる「PassMark PerformanceTest」でもテストしてみました。総合スコアは1万3151で、全ユーザーの中での自分の位置を示す値(パーセンタイル)は94%でした。かなり高性能なPCであることが分かります。


CPUテストのスコアは4万5523で、パーセンタイルは93%。


2Dグラフィックテストのスコアは1366で、パーセンタイルは94%。


3Dグラフィックテストのスコアは2万3479で、パーセンタイルは85%。


メモリテストのスコアは3542で、パーセンタイルは86%。


ストレージテストのスコアは4万470で、パーセンタイルは87%でした。


ゲーミング性能を測定するために「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」を実行した結果が以下。「1920×1080 高品質(デスクトップPC)」という設定でのスコアは1万9619で、評価は「非常に快適」でした。フルHDで描画するなら、大抵のゲームを快適にプレイ可能です。


GeForce RTX 5060 Tiは第9世代NVIDIA Encoder(NVENC)を内蔵しており、対応するアプリで動画を爆速エンコード可能。実際に4K動画のエンコード時間を測定するべく、Blenderプロジェクトが無料公開しているショートムービー「Tears of Steel」の4K動画ファイルを用意しました。ファイルサイズは6.27GB、動画の長さは12分14秒、フレームレートは24fpsです。


動画ファイルを動画編集アプリ「DaVinci Resolve」で読み込んだところ、引っかかり皆無でスムーズなシーク操作が可能でした。


解像度を3840×2160ピクセル(4K)、コーデックをH.265に設定してエンコードを実行してみます。


わずか2分29秒でエンコードが完了しました。動画の再生時間は12分14秒なので、非常に高速なエンコードが可能であることが分かります。


エンコード処理中の負荷をタスクマネージャーで確認してみました。GPUの3D描画コアとNVENCをゴリゴリ使っています。


一方で、CPUにはほとんど負荷がかかっていません。これなら、長時間の動画をエンコードしている間に他の作業を進めることもできます。


GeForce RTX 5060 TiのVRAM容量は16GBで、多くのVRAMを要求されるローカルAIの実行にも適しています。試しに、生成AIツール「ComfyUI」を使って画像生成AIを用いたイラスト生成を実行してみます。ComfyUIはテスト時の最新版であるv0.3.75を使いました。


ComfyUIでは多種多様なAIモデルを用いて画像や動画を生成できます。今回はStable Diffusion XL(SDXL)を用いて画像を生成できる公式ワークフローを使ってみます。生成する画像の解像度は1024×1024ピクセルで、合計ステップ数は25です。


画像を連続生成した結果、1枚当たり9.5秒~10.1秒で生成できました。


画像生成中の負荷はこんな感じ。VRAMを12GB前後使用しています。VRAMが少ないグラフィックボードを使っている場合はAIモデルなどがVRAMに入りきらずにRAMへ漏れ出して生成処理が低速化します。MAGNUS EN275060TCはVRAM容量16GBのGeForce RTX 5060 Tiを搭載しているので、高速な生成が可能というわけです。


高負荷時の各部の温度を測定したいので、上記の設定で画像を連続生成してみます。画像の生成中はGPUに100%近くの負荷がかかり続けます。


PC情報表示アプリ「HWiNFO」を使ってCPUコア温度(上)とGPUコア温度(下)の推移を確認しながら画像生成を10分間続けてみました。CPUコアは49度前後で安定し、GPUコア温度は82度前後で安定。どちらも安全な温度に収まっています。


さらに、赤外線サーモグラフィ「FLIR i3」で各部の温度を測定します。


正面は37.6度。


天面は右側が40.9度になっていました。


右側面からは熱が勢いよく排出されていて、温度が53.4度まで上昇しています。


左側面にも通気孔がありますが温度は36.8度と低め。


背面の通気孔付近は50.3度になっていました。


電源アダプターは44.4度です。


高負荷時の騒音量を測定するためにデジタル騒音計「GM1351」をMAGNUS EN275060TCから30cm離れた位置に設置。


騒音量は55.4dBAでした。ファンが勢い良く回ってかなり大きな音が鳴ります。


各種ベンチマークを実行した結果、MAGNUS EN275060TCはデスクトップ版GeForce RTX 5060 Tiを搭載することで、ゲーム・クリエイティブタスク・ローカルAI実行といった高性能なPCを求められる分野で高いパフォーマンスを発揮できることが分かりました。ファン音の大きさは気になりますが、性能の高さとボディの小ささを両立しているのは非常に大きなメリットです。専用マウントパーツを用いて壁面やデスク裏などに取り付けることも可能なので、省スペースかつ高スペックなPCを求めている人に非常にオススメです。


MAGNUS EN275060TCは2025年12月12日(金)に公式オンラインストアで購入可能になる予定で、価格は未定です。

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