ゲーム会社Ubisoftの最高クリエイティブ責任者を含む元幹部3人が性的暴行未遂やハラスメントの罪で有罪判決を受ける、執行猶予付きの拘禁刑

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フランスに拠点を置くゲーム会社、Ubisoftの元幹部3人が、性的暴行未遂や性的・精神的ハラスメントの罪で有罪判決を受けました。この件で、被害者は「Ubisoftにはいじめと性差別が横行する毒性の高い文化があった」と証言しています。
Harcèlement chez Ubisoft : trois anciens cadres condamnés, un signal fort envoyé – Libération
https://www.liberation.fr/culture/jeux-video/proces-ubisoft-jusqua-trois-ans-avec-sursis-pour-trois-anciens-cadres-20250702_35MCEGCEDBFW7KIPI2ONPAVZAU/
French court convicts former Ubisoft executives for workplace harassment
https://www.lemonde.fr/en/france/article/2025/07/02/french-court-convicts-former-ubisoft-executives-for-workplace-harassment_6742952_7.html
Three Ubisoft chiefs found guilty of enabling culture of sexual harassment | Ubisoft | The Guardian
https://www.theguardian.com/games/2025/jul/02/three-ubisoft-video-game-chiefs-guilty-enabling-culture-sexual-harassment
Ubisoftは「アサシン クリード」や「レインボーシックス」などの人気作を手がけるゲーム会社です。
有罪判決を受けたのは、52歳の元Ubisoft編集部門副社長トーマス・フランソワと、59歳の元最高クリエイティブ責任者兼副社長セルジュ・ハスコエ、41歳の元ゲームディレクター、ギヨーム・パトゥルクスです。
フランソワは、モラルハラスメントとセクシャルハラスメント、性的暴行未遂の罪を問われ、3年の執行猶予付きの拘禁刑と3万ユーロ(約500万円)の罰金という、3人の中で最も重い刑を言い渡されました。
フランソワは、女性従業員をテープで椅子に縛り付けてエレベーターに押し込み、適当な階に送りつけたこと、スカートを着用した女性に対して逆立ちを強要したこと、職場で開催したクリスマスパーティーで、同僚たちが女性の腕と背中を押さえる中、女性にキスしようとして近づいたこと、「遊び」の一環として他人の性器に触れようとしたこと、男性従業員に突然キスしようとしたことなど、多数のハラスメントおよび性的暴行未遂を起こしたことが指摘されています。
被害者の女性は裁判で「私は上司である彼を恐れていました。彼は私に逆立ちをさせました。すぐ終わらせるため、彼を追い払うために仕方なくやりました」などと証言しました。
フランソワは裁判で「冗談を交わす文化があった。誰かを傷つけようとしたことはない」と語りましたが、認められませんでした。

ハスコエは、心理的ハラスメントと性的ハラスメントの共謀罪で18カ月の執行猶予付き拘禁刑の判決を受け、4万5000ユーロ(約760万円)の罰金が科せられました。
ハスコエは、Ubisoftの元ナンバー2の立場でありながら、若い女性に鼻をかんだティッシュを手渡して「Ubisoftでは金同然の価値があるから再販できるよ」と述べたこと、学校へ娘を迎えに行かせたり、自宅に届く郵便物を受け取らせたりといった、職務に関係のない個人的な仕事を女性アシスタントに任せていたことなどがわかっています。
ハスコエは「職場でいじめがあったことは知らなかった。私は誰かをハラスメントするつもりはなかったし、したとも思っていない」と述べました。ハスコエの弁護士、ジャン=ギヨーム・ル・ミンティエ氏は、クライアントが控訴を検討していると伝えました。

パトゥルクスは心理的ハラスメントの罪で有罪判決を受け、12カ月の執行猶予付き拘禁刑と1万ユーロ(約170万円)の罰金刑を科されました。
パトゥルクスは、自身が所属するVRチームのメンバーに対し、壁を殴ったり従業員を殴るマネをしたりして威圧し、男性の顔の近くでライターを付けてひげに火を付けるなどの行為をしたとされています。パトゥルクスは容疑を否認しました。
Ubisoftの問題は、2020年6月末のBloombergの報道により明らかになり、複数のメディアが報じたことで内部調査へとつながりました。調査の結果、フランソワとハスコエは共に2020年に会社を辞めていました。訴訟手続きが進む中、2023年にフランソワとハスコエを含む5人の従業員が逮捕されました。
Ubisoftの元従業員5人が女性従業員に対するセクシャルハラスメントの容疑で逮捕される - GIGAZINE

担当検察官のアンリ・オズハルター氏は裁判で、「ビデオゲーム業界とそのサブカルチャーには体系的な性差別と虐待の要素が存在する」と指摘し、この裁判を「ゲーム業界の転換点だ」と指摘しました。
被害者を支援した組合のチャキブ・マタウイ代表は、「この判決は、まだ声を上げていない、または声を上げることを恐れている被害者へのメッセージです。加えて、すべての男性へのメッセージでもあります。もし男性が加害者を励ましたり、目の前でハラスメントを目撃しているときに止めなかったりすると、特にあなたが上の立場にいる場合、非難されるべきです」と述べました。
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in Posted by log1p_kr
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