MicrosoftのXbox担当責任者がセクハラや性差別で揺れるアクティビジョン・ブリザードとの関係を再考するとコメント

コール オブ デューティシリーズやオーバーウォッチなどのゲームで知られるアクティビジョン・ブリザードが性差別やセクシャルハラスメントの問題で大きく揺れており、ロバート・コーティックCEOが問題を認識していたにもかかわらず黙殺していたと報じられました。一連の報道を受けて、Microsoftでゲーミング担当エグゼクティブヴァイスプレジデントを務め、Xboxブランドの責任者であるフィル・スペンサー氏がアクティビジョン・ブリザードとの関係を再考する意志を示したと、アメリカ経済紙のブルームバーグが報じています。

Xbox Is Evaluating Relationship With Activision - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-11-18/xbox-chief-says-he-s-evaluating-relationship-with-activision?sref=ExbtjcSG

Microsoft Xbox boss Phil Spencer tells staff he’s ‘deeply troubled’ by Activision Blizzard - The Verge
https://www.theverge.com/2021/11/18/22789881/microsoft-xbox-boss-phil-spencer-deeply-troubled-by-activision-blizzard-bobby-kotick

More than 1,000 Activision Blizzard workers sign petition to drop CEO Bobby Kotick - Polygon
https://www.polygon.com/22789647/activision-blizzard-bobby-kotick-resignation-petition

発端は、2021年7月にカリフォルニア州の公正雇用住宅局(DFEH)がアクティビジョン・ブリザードおよびその子会社に対して訴訟を起こしたことでした。DFEHは、アクティビジョン・ブリザードの社内に女性社員に対するセクシャルハラスメントや待遇での不平等が存在していたと指摘しました。

コール オブ デューティを抱えるゲーム会社「Activision Blizzard」がセクハラ・虐待で訴訟へ、約1000人の従業員が署名した公開書簡の内容とは？ - GIGAZINE

この訴訟を皮切りに、元従業員から実際に差別やハラスメントに遭ったという証言がSNSで共有されたこともあり、アクティビジョン・ブリザードの問題は瞬く間にゲーム業界全体を揺るがす大問題となりました。そして、ウォール・ストリート・ジャーナルが「コーティックCEOが訴訟を起こされる前から社内の性差別やセクシャルハラスメントを認識していた」と報じました。

「アクティビジョン・ブリザードのCEOは訴えられる前から従業員の性的被害を把握していた」と報じられ従業員によるストライキにまで発展 - GIGAZINE

この報道を受けて、アクティビジョン・ブリザードの従業員1000人以上が、コーティックCEOの辞任を求める請願書に署名しました。

そんな中、スペンサー氏は社内スタッフに送ったメールの中で、「アクティビジョン・ブリザードの問題に心を乱され、深く悩まされています」「このような行為は、私たちの業界には存在しません」とコメント。さらに「アクティビジョン・ブリザードとの関係のあらゆる側面を評価し、継続的かつ積極的に調整を行っています」と述べました。Microsoftの広報担当者は、IT関連ニュースサイトのThe Vergeに対して「ブルームバーグの報道は正確です」と答えたとのこと。

アクティビジョン・ブリザードはXboxと関係が深く、コール オブ デューティシリーズが成功したのはXbox Liveによるところが大きいとブルームバーグは述べています。実際にアクティビジョン・ブリザードのゲームの多くがXboxシリーズで発売されています。そのため、Xbox側がアクティビジョン・ブリザードとの関係についてネガティブな判断を下した場合、アクティビジョン・ブリザードにとっても大きな打撃となり得ます。

また、ブルームバーグによれば、ソニーのPlayStation担当責任者であるジム・ライアン氏も「アクティビジョン・ブリザードが、差別とハラスメントの根強い文化への対処に十分努めていないことを知って落胆し、率直に言って唖然としました。アクティビジョン・ブリザードの声明は問題に対して適切に対応しているとは思えません」というメッセージを社員に送っていたとのこと。

スペンサー氏は「私は個人的に、Xboxで働くすべての従業員を歓迎し、包括的な環境を提供するという強い価値観を持っています。これは目標ではなく、私たちが常に歩もうとする道のりです。XboxとMicrosoftのリーダーシップはチームに寄り添い、すべての人にとってより安全な環境の構築をサポートします」と述べました。