MetaがAI搭載人型ロボット開発を本格的にスタートか、主に「家事」に焦点を当ててReality Labs内で基盤技術開発チームを編成

Metaが2025年2月にVR関連部門であるReality Labs内に新チームを設立し、AI搭載人型ロボットの開発に本格的に着手することを決定したと報じられています。このプロジェクトは、自社ブランドのロボット製造ではなく、業界全体のプラットフォーム構築を主眼に置いたもので、他社が製造・販売するロボット向けのAI、センサー、ソフトウェアを開発・提供することを目指しているとのことです。
Meta Plans Major Investment Into AI-Powered Humanoid Robots - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-02-14/meta-plans-major-investment-into-ai-powered-humanoid-robots
Apple and Meta Are Set to Battle Over New Area: Humanoid Robots - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/newsletters/2025-02-16/apple-and-meta-are-set-to-battle-over-new-area-humanoid-robots-m77mwid3
AI搭載人型ロボット開発チームのリーダーには、General Motors傘下の自動運転車部門であるCruiseの元CEOであるマーク・ウィッテン氏が就任します。ウィッテン氏はこれまでMicrosoftやSonos、Unity、Amazonでも幹部を務めた経験を持ち、チームには今年中に約100人のエンジニアが採用されるとのこと。
Metaは、自社が持つ技術的優位性を活かせると考えており、特にARやVR向けに開発したセンサーやコンピューティング技術、そしてオープンソースの大規模言語モデルであるLlamaが、ロボット開発において重要な基盤になると見ています。つまり、Metaはロボットそのものの開発というよりも、人型ロボットを開発するための基盤技術の開発に注力する模様。

すでに他のロボット企業との協議も開始しているとのことで、もちろん将来的には自社ブランドのロボット製造も検討する可能性があります。ただし、当面の焦点は家庭内での作業支援を目的としたロボットハードウェアの開発にあり、洗濯物の折りたたみ、水の運搬、食器の片付けといった家事の自動化を目指しているとのこと。
Metaの最高技術責任者であるアンドリュー・ボスワース氏は、「Reality LabsとAIで培った技術は、ロボット開発に必要な進歩を実現するための相補的なテクノロジー」と指摘しています。Metaは、都市の道路が比較的標準化されているのに対し、各家庭の間取りや環境が大きく異なることから、家庭内でのロボット運用は自動運転車よりも複雑な課題があると認識しています。
また、Metaはロボットの安全性にも重点を置いており、人の手がロボットのアクチュエーターに挟まれるリスクや作業中の電力切れなど、安全面での課題に対する解決策の開発も進めている模様。記事作成時点では人型ロボットの実用化まで数年を要すると見られていますが、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは将来の重要な成長分野として、2025年には650億ドル(約9兆8000億円)を関連製品やAIインフラ、ロボット開発に投資する計画とのこと。

一方、Appleも人型ロボット分野に関心を示しており、同社特有のアプローチで市場参入を検討しています。Appleは、ハードウェア、ソフトウェア、その他全ての要素を自社で管理する製品開発を好む傾向があり、人型ロボットについても同様のアプローチを取る可能性が高いとされています。
Appleはすでにロボットアームの技術開発を行っており、2025年2月にはアニメスタジオであるピクサーの作品に登場するスタンドライトのようなロボットの開発に成功しています。
Appleがピクサーのスタンドライトみたいなロボットを開発、手の動きに合わせて動いたり音楽に合わせて踊ったりして「人間らしい」として被験者からは高評価 - GIGAZINE

ただし、AppleはAI分野での遅れが指摘されています。AI技術はロボット開発において極めて重要な要素であり、この分野での遅れを取り戻すことがAppleにとっての急務となっています。
両社は既にAR/VRヘッドセット市場で競合関係にありますが、今後は人型ロボット分野でも新たな競争が展開される可能性が高まっています。
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in ハードウェア, Posted by log1i_yk
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