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テスラがロボタクシー発表会で披露した人型ロボットOptimusは遠隔操作されていた疑い


テスラは現地時間10月10日に「We, Robot」と題したイベントを開催しました。イベントではロボタクシー「Cybercab」や、新たなコンセプトデザイン「Robovarn」が発表されたほか、人型ロボット「Optimus」によるダンスショーが行われ、会場では飲み物の提供をOptimusが行うサービスも行われたのですが、まるで自律的に動いているように見えたOptimusは実際には一部遠隔操作で動いていたことが指摘されています。

Tesla’s Optimus Robots Were Remotely Operated at Cybercab Event (TSLA) - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-10-14/tesla-s-optimus-robots-were-remotely-operated-at-cybercab-event

テスラの人型ロボット、イベント中に従業員が遠隔操作-関係者 - Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-15/SLD9H0T0G1KW00

The Optimus robots at Tesla’s Cybercab event were humans in disguise - The Verge
https://www.theverge.com/2024/10/13/24269131/tesla-optimus-robots-human-controlled-cybercab-we-robot-event

イベント「We, Robot」の様子はテスラがYouTubeで配信しており、全編を視聴することが可能です。

We, Robot | Tesla Robotaxi Unveil - YouTube


イベント序盤にCybercabの実車が登場、イーロン・マスクCEOが乗り込みました。


運転手不在のCybercabで、マスク氏は体の前で手を組んでおり、まったく操作など不要で動くことが示されています。


そのあとはずんぐりした車体の「Robovarn」が登場。


10人以上の人が降りてきました。


続いて、Optimus軍団が登場。


ダンスショーを繰り広げました。


その後はタッチ&トライの時間に。


Optimusはバーテンダー役を務めていました。Optimusがテスラ従業員以外と直接接する機会はこのイベントが初でした。


Optimusがこのイベントでどのように動いているのか、マスク氏は特に語っていませんが、イベントに参加したDirty Tesla(@DirtyTesLa)氏が、Optimusから「遠隔で操作されている」と聞き出したとSNSに投稿。


その後、テスラの関係者も一部機能については遠隔操作だったと述べています。ただし、歩行などについてはAIを利用して外部操作なしで行えたとのこと。また、テスラの広報担当者はコメントしていません。関係者によると、もともとOptimusはCybercab発表イベントに登場させる予定はなかったものを、マスク氏の意向により、イベントのわずか3週間前に出すことが決まって、十分な調整の時間が取れなかったそうです。


なお、肝心の「Cybercab」の発表についても、アナリストらは「失望感があった」と分析しており、テスラの株価はイベント後に9%下落しています。

Tesla’s value drops $60bn after investors fail to hail self-driving ‘Cybercab’ | Automotive industry | The Guardian
https://www.theguardian.com/business/2024/oct/11/teslas-value-drops-60bn-after-self-driving-cybercab-fails-to-excite-investors

ニュースサイトのAxiosは、発表会でマスク氏が乗車していたCybercabについて、どのようなロボタクシーなのかを示すようなデモンストレーションがなかったと、具体的な失望点を指摘。また、ステアリングやペダル類がないのであれば、公道を走行するには自動車安全基準の免除を受ける必要があると、この先のハードルについても述べました。

Tesla's much-hyped robotaxi event fails to impress
https://www.axios.com/2024/10/11/tesla-robotaxi-musk-shares

CNBCも同様の見解で、アナリストのジョン・コラントゥオーニ氏の「野心的な目標を示したが、実現可能性の兆候はほとんどなかった」という厳しい意見を引用しています。

Ride-sharing giants Uber, Lyft jump after Tesla's 'toothless taxi' fails to excite investors
https://www.cnbc.com/2024/10/11/ridesharing-giants-uber-lyft-jump-after-teslas-toothless-taxi-fails-to-excite-investors.html

また、ジャーナリストのティモシー・B・リー氏は、テスラが行おうとしているロボタクシー事業を4年前から提供しているWaymoのドミトリ・ドルゴフ共同CEOに取材を行った上で、Waymoがサービスを展開する3都市でメンテナンス施設などのインフラへも投資を行っている点に着目。テスラが単に「完全自動運転」ソフトウェアの改善を行うだけではWaymoに追いつくことはできず、インフラ構築を行わないのであればロボタクシー事業に関してどれだけ言葉を尽くしたとしても懐疑的にならざるを得ないと、厳しい目を向けています。

Elon Musk wants to dominate robotaxis—first he needs to catch up to Waymo
https://www.understandingai.org/p/elon-musk-wants-to-dominate-robotaxisfirst

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in ハードウェア,   動画, Posted by logc_nt

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