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企業相手に商談する際に「電話を禁止する」というポリシーを実践するとどうなるのか?


商品やサービスの売り込みや顧客からの問い合わせなど、ビジネスシーンではメールではなく電話によるやり取りも根強く残っています。現代のビジネスで「仕事に電話を使用しない」と決めた場合どのようになるのか、ソフトウェアライセンス管理と配布のためのAPIを提供する企業「Keygen」の創設者であるジーク・ガブリエルセ氏が実際のメリットやノウハウについて語っています。

No calls
https://keygen.sh/blog/no-calls/


ガブリエルセ氏はKeygenを始めたとき、内向的な性格から電話が好きではなかったため、「営業電話やその他の電話に一切出なくて済む会社」を作るというアイデアを思いついたそうです。そこで実際にKeygenを創設したばかりの頃に「電話禁止」のポリシーを導入しました。

Keygenが成長するにつれて、より大きな市場へと進出する必要が生まれたため、料金ページなどに「電話相談」というボタンを設置しました。しかし、ガブリエルセ氏の電話に対する嫌悪感は変わらず、実際のやりとりでも「これは全部メールでよかったのではないか」「メールの方が電話よりも回答を用意しやすかったはず」「電話相手の役職や権限を確かめるのは難しいが、メールならより確かな相手と具体的な話ができる」などとイライラしていたため、ある日料金ページから「電話相談」のボタンを削除し、電話の要求があった際にも「電話は受け付けていませんが、メールで喜んでお手伝いします」と返答するようになったとのこと。


ガブリエルセ氏が実際にやり取りした中で、「私たちも電話を回避したかった」と回答したビジネスパートナーも複数いたそうです。実際にメールのみで契約を成立させることができましたが、電話を一切しない方針は時にはうまくいかないこともあるとガブリエルセ氏は認めています。しかし、やりたくないタイプの仕事は避けて、自分が好きな仕事をしていると感じているため、お金を無駄にしているとは感じていないとガブリエルセ氏は語っています。

そもそもビジネスシーンではなぜ電話による対応が多いのかについて、ガブリエルセ氏は以下の4つを原因として挙げ、それぞれ電話以外でも解決可能であると提起しています。


1:相手がこちらの商品やサービスを理解していない
公式ページの紹介が漠然としていると、実際に何を提供しているのか確かめるために、電話をかける必要が生まれます。また、提供するものが多すぎたりサービスの適応範囲が広すぎたりすると、顧客は自分たちのケースに適しているかどうかの確認に電話をかけることが多くなります。そのため、ターゲットを絞って公式ページのメッセージを明確にすると、問い合わせの連絡を省くことができるとガブリエルセ氏は述べています。

2:相手が商品やサービスをどのように使うか知らない
製品を使い始めるために十分な情報が足りない場合や使い方の案内が公式サイトで提供されていない場合、特に急いで問題を解決したいユーザーは、メールではなく電話で問い合わせようとする人が多くなります。その対策に必要なのは公式ドキュメントで、使い方の案内からエラーの対処法、よくある質問などをドキュメントで公開することで、余計な問い合わせを回避することができます。

3:相手が商品やサービスの価格を知らない
価格を設定してある商品やサービスでも、企業は特別な契約に基づく価格の交渉に慣れています。これを回避するためには、価格ページに「法人向けプラン」を明確に用意する必要があります。法人向けプランを用意せず、交渉によって個別に企業と契約するとより大きな利益を得られる可能性もありますが、「手間を省くことで多くのお金を犠牲にしていると感じるなら、電話禁止ポリシーは向いていないかもしれません」とガブリエルセ氏は述べています。

4:相手がこちらを信頼していない
最後に、購入や契約に最も重要なのは信頼です。企業は相手を信頼するために、懸念事項を全て解消するための膨大な質問を送ってくることがあります。そのために電話が使われることもありますが、相手企業の要望をかなえるため方法は電話だけではありません。Keygenでは実際に、コンプライアンス順守に関する事項や過去に目にしたことがあるセキュリティ関係の質問にすべて答えたページを用意しています。

総合して、ガブリエルセ氏は「どうしても必要な短いコンタクトを除き、営業電話は不要です。基本的には電子メールを使用します。そのためには、公式ページで自分の会社や製品の価値を明確に説明し、混乱や疑問を抱かせるような曖昧なメッセージを避ける必要があります。また、セキュリティに重点を置き、同じ回答を繰り返さなくてもいいように、すべての問題をドキュメントに明記して公開します。一部の人は、私の思想や試みを嘲笑すると思いますが、私と同じような考えの人は、電話禁止ポリシーの有用性に気付くはずです。電話禁止ポリシーを実施したい場合は、4つの事項に注意して準備を始めてみてください」と語っています。

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in メモ, Posted by log1e_dh

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