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ボーイングの宇宙船「スターライナー」の不具合で帰れなくなった乗組員はSpace Xの「クルードラゴン」で帰還することが正式に決定

by NASA

ボーイングの有人宇宙船「CST-100(スターライナー)」の不具合によって国際宇宙ステーション(ISS)からの帰還が延期している宇宙飛行士2名が、SpaceXの宇宙船「クルードラゴン」で帰還することが正式に決定しました。スターライナーは無人で地球に帰還し、2024年9月中にアメリカに着陸する予定です。

NASA Decides to Bring Starliner Spacecraft Back to Earth Without Crew  - NASA
https://www.nasa.gov/news-release/nasa-decides-to-bring-starliner-spacecraft-back-to-earth-without-crew/

Boeing Starliner astronauts will return home on a SpaceX Dragon in 2025, NASA confirms | Space
https://www.space.com/nasa-boeing-starliner-astronauts-will-return-on-spacex-dragon-2025

It’s official: NASA calls on Crew Dragon to rescue the Starliner astronauts | Ars Technica
https://arstechnica.com/space/2024/08/its-official-nasa-calls-on-crew-dragon-to-rescue-the-starliner-astronauts/

2024年6月に有人試験飛行で打ち上げられたスターライナーで、宇宙飛行士のブッチ・ウィルモア氏とスニ・ウィリアムズ氏はISSに到着しました。このスターライナーは軌道上でヘリウム漏れやスラスターの問題が発生しており、宇宙飛行士両名はISSへの滞在予定が2カ月以上超過することとなりました。

本来8日間だったはずのミッションで宇宙飛行士が国際宇宙ステーションから帰還できず最大2025年まで滞在延期になる可能性 - GIGAZINE


事前に予想されていた通り、ウィルモア氏とウィリアムズ氏は2025年2月まで正式にISSの第71次/第72次長期滞在クルーの一員として活動を続け、その後SpaceXクルー9ミッションに配属された2名と共にクルードラゴンに乗って帰還する予定。第71次/第72次長期滞在クルーのクルードラゴンは2024年9月24日以降の打ち上げが予定されており、NASAとSpaceXはクルードラゴンの座席の再構成、ウィルモア氏とウィリアムズ氏の荷物追加や専用宇宙服を運ぶための積荷目録の調整などを行っています。

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そして、問題のスターライナーは2024年9月上旬にISSから無人で出発し、「安全かつ制御された自律再突入」を行い、アメリカのニューメキシコ州にあるホワイトサンズ宇宙港に着陸する予定だとのこと。

NASAによると、スターライナーがISSにドッキングする際に28個ある反応制御スラスターのうち5個で不具合が確認されたそうです。NASAの商業乗組員プログラムの責任者であるスティーブ・スティッチ氏は、「私たちはスラスターに関する非常に複雑な問題に取り組んでいます。スラスターの性能を予測するのは困難であり、気温を予測するのも困難です。もしモデルがあれば、つまりドッキング解除から軌道離脱噴射、分離シーケンスまでスラスターがどのような働きをするかを正確に予測する方法があれば、私たちは別の行動を取っていたと思いますが、リスクは大きすぎました」とコメントしています。

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NASAのビル・ネルソン長官は、自身が連邦議会議員だった時に1986年のチャレンジャー号爆発事故と2003年のコロンビア号空中分解事故を経験したことに触れ、「チャレンジャー号の事故では、技術者たちでさえ、寒さを理由に打ち上げを中止するように経営陣へ懇願していましたが、その情報は結局公表されませんでした。また、コロンビア号の場合、ハードウェアに関する問題が取り上げられなかったのは、この種のデータ省略を助長する特定の文化のせいです。NASA​​はそれ以来ずっと、人々が前に出て自分の意見を言うことを奨励する雰囲気を作ろうと懸命に努めてきました。そして、まさに今回がその良い例だと思います」と語り、今回のスターライナー無人帰還を決定したと述べています。

NASAの宇宙運用ミッション本部のケン・バウワーソックス副局長によると、NASA関係者は満場一致でスターライナーの無人帰還を支持したそうですが、スターライナーを開発したボーイングの幹部は「スターライナーで乗組員を帰還させる用意がある」と表明していたとのこと。

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ネルソン長官は「ボーイングのスターライナーがISSへにクルーが確実にアクセスするための要素となるよう、根本原因の解明と設計改善をさらに進めたいと思っています。私たちの中核的な価値は安全であり、それが私たちの北極星なのです」と語りました。

バウワーソックス副局長は、「このような決定は決して簡単なものではありませんが、有人試験飛行における徹底的な分析、透明性のある議論、そして安全性への焦点を当てたNASAとボーイングのチームを称賛したいと思います。私たちはISSへの旅とドッキング中の運用を通じて、宇宙船について多くのことを学びました。また、無人帰還の間もスターライナーについてさらにデータを収集し、将来のISSへの飛行に向けてシステムを改善していきます」とコメントしています。

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in 乗り物, Posted by log1i_yk

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