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OpenAIの内紛でサム・アルトマンCEOが突然解任された理由の一端が元取締役の口から語られる


チャットAI「ChatGPT」や画像生成AI「DALL・E」などの開発で知られるOpenAIは、2023年11月17日にサム・アルトマンCEOの退任と退社を発表しました。その後、アルトマン氏は2023年11月30日にOpenAIのCEOに復帰しています。アルトマンCEOが突然の退任に追い込まれることになった要因について、OpenAIの元取締役であるヘレン・トナー氏が語っています。

Ex-OpenAI Director Says Board Learned of ChatGPT Launch on Twitter - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-05-28/ex-openai-director-says-board-learned-of-chatgpt-launch-on-twitter


Ex-OpenAI board members: Sam Altman created 'toxic culture'
https://bgr.com/business/ex-openai-board-members-have-no-regrets-and-still-think-sam-altman-needs-to-go/

アルトマンCEOをめぐっては、OpenAIが2023年11月17日に公開した公式ブログにおいて「取締役会とのコミュニケーションが一貫して率直ではなく、取締役会の責任を果たす能力に支障があるとの結論に達しました。取締役会は、アルトマン氏がOpenAIを牽引していく能力をもはや信用できません」と指摘し、アルトマンCEOを解任する騒動が起きていました。これに伴ってアルトマン氏はOpenAIを退社しています。

AI開発企業・OpenAIのサム・アルトマンCEOが退任、暫定CEOにミラ・ムラティCTO - GIGAZINE


突然のアルトマン氏の退任に対し、OpenAIの従業員の9割が「サム・アルトマン復帰と取締役全員の辞任」を要求し、「要求が応じられない場合新会社に移る」とOpenAIに揺さぶりをかけていました。その後、2023年11月30日にOpenAIはアルトマン氏のCEO復帰とミラ・ムラティ氏のCTO復帰、グレッグ・ブロックマン氏の社長復帰を発表しました。

アルトマン氏の復帰に伴い、OpenAIの共同創設者であるイルヤ・サツキヴァー氏、QuoraでCEOを務めるディアンジェロ氏、起業家のターシャ・マッコーリー氏、ジョージタウン大学セキュリティ・新興テクノロジーセンターで戦略ディレクターを務めるヘレン・トナー氏の4人で構成されていた取締役会のうち、3人が取締役会のメンバーから外されたことが報じられています。なお、アルトマンCEOの解任を主導したとされるサツキヴァー氏は、2024年5月にOpenAIを退職しています。

サム・アルトマンがOpenAIのCEOに復帰 - GIGAZINE


2024年5月に公開されたポッドキャスト番組「The TED AI Show」に出演したトナー氏は「アルトマン氏は何度も、会社が実施している正式な安全プロセスについて不正確な情報を提供しました。そのため、当時の取締役会はAI製品の安全プロセスがどの程度うまく機能しているか、または何を変更する必要があるのかを知ることが困難になっていました」と指摘。

さらにトナー氏は「2022年11月にChatGPTが公開された際には、この発表について取締役会は事前に何も知らされておらず、ChatGPTのことはTwitter(現X)で知りました」と述べています。


そしてトナー氏は「このような出来事が何年も続いたため、当時の取締役会のメンバーは『アルトマン氏の私たちに対する言葉は信用に値しない』との結論に達しました」と述べ、アルトマンCEOの解任に至った要因について報告しています。

一方で記事作成時点でOpenAIの取締役会長を務めるブレット・テイラー氏は「トナー氏がいまだにこの問題を取り上げていることに失望しています」「先の取締役会の決定は、製品の安全性やセキュリティ、開発ペース、OpenAIの財務、投資家、顧客、ビジネスパートナーに対する懸念に基づくものではありませんでした」と指摘。さらに「OpenAIは、汎用(はんよう)人工知能が全人類に利益をもたらすことを保証するという使命に引き続き注力していきます」と語りました。

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in メモ, Posted by log1r_ut

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