サム・アルトマン氏がOpenAIを追放される前にNVIDIAとの競合プロジェクト「Tigris」に向けて中東で資金を集めようとしていたことが報じられる
チャットAI「ChatGPT」などの開発で知られるOpenAIのサム・アルトマンCEOが、現地時間2023年11月17日にOpenAIを退社する直前まで、AI向けチップ開発企業の立ち上げに向けて、中東で資金調達を行っていたことが報じられています。
Altman Sought Billions For Chip Venture Before OpenAI Ouster - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-11-19/altman-sought-billions-for-ai-chip-venture-before-openai-ouster
Ousted OpenAI CEO Sam Altman plans new AI venture with former president Greg Brockman
https://the-decoder.com/ousted-openai-ceo-sam-altman-plans-new-ai-venture-with-former-president-greg-brockman/
AI向けチップ市場は「H100」などの開発を行うNVIDIAが支配しているとされています。そこでアルトマン氏は、NVIDIAのAIチップと競合するAIチップ開発企業を立ち上げることを計画していたとされています。このプロジェクトは「Tigris」と呼ばれていたとのこと。
2023年11月17日にOpenAIを追放されるまでの数週間でアルトマン氏は、AIチップ開発企業立ち上げのために、中東を訪れて投資家と数十億ドル(数千億円)規模の投資に向けた交渉を行い、新会社設立のために精力的な活動に取り組んでいたことが報じられています。なお、新会社設立に向けたアルトマン氏と投資家との交渉はあくまで初期段階で、非公開での議論が行われたため、具体的な投資家の名前は伏せるよう求められたと海外メディアのBloombergは述べています。
海外メディアのThe Informationによるとアルトマン氏のAIチップ事業には、OpenAIの共同設立者で、社長のグレッグ・ブロックマン氏も参加する見込みで、アルトマン氏の退社以降OpenAIを離れた従業員が、新たにアルトマン氏の新事業に加わる可能性があるとのことです。
AIチップ開発企業の立ち上げと並行して、アルトマン氏はAppleの元デザインチーフであるジョニー・アイブ氏とともに、AIに特化したハードウェアデバイス関連事業の立ち上げも目指しているとされています。関係者によると、アルトマン氏はソフトバンクグループやサウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド」「ムバダラ・ディベロプメント・カンパニー」などの投資系ファンドと交渉を行い、アルトマン氏の新事業に対して数百億ドル(数兆円)規模の資金を求めていたことが報じられています。
また、OpenAIへの投資家を含む多くの著名ベンチャーなどが、アルトマン氏が設立を目指す新事業への投資を行う予定であるとされており、OpenAIと長期的パートナーシップ契約を結んでいるMicrosoftも、アルトマン氏のAIチップ開発事業への金銭的支援に関心を持っているとのこと。
なお、記事作成時点でOpenAIやソフトバンクグループ、パブリック・インベストメント・ファンド、ムバダラ・ディベロプメント・カンパニー、Microsoftはコメントを控えています。
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