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iOS 17.4でiPhone 12がひっそりとQi2の最大15Wワイヤレス充電に対応していたことが判明、MagSafe対応充電器以外でも高速ワイヤレス充電が可能に


Appleは2020年に登場したiPhone 12シリーズから、本体に磁石を組み込むことで外部アクセサリとiPhoneをピッタリくっつけることができるMagSafeという規格を採用しています。MagSafe対応のアクセサリワイヤレス充電器は数々登場していますが、MagSafeに対応を始めたiPhone 12シリーズでは「AppleからMagSafeの認証を受けたワイヤレス充電器以外では最大15Wでの充電が不可能」という制限が課せられていました。しかし、2024年3月にリリースされたiOS 17.4にアップデートすると、iPhone 12でもサードパーティー製のワイヤレス充電器でも最大15Wでの高速充電が可能になっていることが明らかになっています。

Surprise! Your iPhone 12 got an upgrade to 15W magnetic charging with Qi2 | Macworld
https://www.macworld.com/article/2280827/iphone-12-qi2-magnetic-wireless-charging-15w.html


iOS 17.4 faster Qi2 15W charging on the iPhone 12 models
https://www.idownloadblog.com/2024/03/28/apple-ios-17-4-boosts-iphone-12-qi2-charging-speed/

MagSafe対応のワイヤレス充電器では最大15Wの電力でiPhoneを充電することが可能です。しかし、最大15Wでワイヤレス充電が可能なのはAppleによって認証された少数のワイヤレス充電器のみで、それ以外の「Appleに認定されていないものの互換性のあるワイヤレス充電器」では最大電力が7.5Wに制限されることが明らかになっていました。

Appleは純正以外のワイヤレス充電器の速度を半分に制限している - GIGAZINE


そんな中、2023年12月になってAppleがiOS 17.2からiPhone 13/14シリーズでワイヤレス充電規格の「Qi2」をサポートし始めました。Qi2はAppleのMagSafe規格からインスピレーションを得たワイヤレス充電規格で、MagSafeのように磁石で充電器の位置を決められた位置にピッタリフィットさせることができるため、ワイヤレス充電の効率が向上しているというQiの次世代規格です。

iOS 17.2でついにiPhone 13/14シリーズでもワイヤレス充電規格「Qi2」をサポートすることが判明 - GIGAZINE


Qi2の規格を策定するのはWireless Power Consortium(WPC)で、AppleもWPCの運営メンバーであり取締役会の議長も務めています。そのため、Qi2の仕様策定に当たり、AppleはMagSafeの仕様をWPCに提供したという経緯があります。

Qi2はMagSafe同様に最大15Wの電力で対応端末をワイヤレス充電することが可能です。そのため、MagSafeの認証を受けていなくてもQi2対応の充電器なら、iPhone 13/14シリーズでも最大15Wでのワイヤレス充電が可能となっています。ただし、MagSafeに対応した最初のiPhoneであるiPhone 12シリーズだけは、Qi2の対応端末から除外されたままでした。


しかし、iOS 17.4にアップグレードしたiPhone 12シリーズでQi2対応のワイヤレス充電器を使用したところ、最大15Wでの充電が可能になっていることが明らかになっています。なお、AppleはiOS 17.4のリリースノートにおいて、iPhone 12でのQi2サポートについて一切言及していません。

テクノロジーメディアのMacworldがApple純正のMagSafe対応ワイヤレス充電器とQi2対応のAnkerのワイヤレス充電器であるMagGoで、iOS 17.4にアップデートしたバッテリーが0%のiPhone 12 Pro Maxを充電するという実験を行っています。MagSafe対応ワイヤレス充電器の場合、充電から38分で30%、70分で50%までバッテリーを充電することができたそうです。一方、MagGoの場合は充電から33分で30%に、64分で50%までバッテリーを充電することに成功しています。わずかながらQi2対応のMagGoの方が充電速度は高速という結果になりました。

Macworldの読者からもQi2対応のワイヤレス充電器でiOS 17.4にアップグレードしたiPhone 12シリーズの充電速度が向上しているという報告が相次いでおり、BelkinのBoostCharge Pro Qi2 2-in-1 ワイヤレス充電パッド 15Wでも充電速度の向上が確認されています。

BelkinのQi2対応充電器には互換性に関するメモが付属しており、Qi2互換デバイスで高速充電がサポートされているiPhoneとしてはiPhone 12~15シリーズの端末の名前が挙げられています。Ankerの場合は公式サイト上で、「iPhone 12 ProはQiワイヤレス充電規格をサポートしていますが、新しいQi2ワイヤレス充電規格はネイティブにサポートしていません。iPhone 12 Proには、従来のQi充電と同様の調整と効率の向上を実現するMagSafeが搭載されていますが、Qi2規格が完成して導入される前に設計されたものです。したがって、iPhone 12 Proのワイヤレス充電機能は、Qi2ではなく、オリジナルのQi規格と独自のMagSafeテクノロジーを中心に構築されています」と説明しており、iPhone 12シリーズが正確にはQi2対応のデバイスではないことが記されています。

なお、iPhone 12 miniおよびiPhone 13 miniはワイヤレス充電の出力が最大12Wに制限されているため、Qi2に対応しても最大15Wでのワイヤレス充電は不可能です。

iPhone 12 miniのみMagSafe充電器での出力が12Wに制限されることが明らかに - GIGAZINE


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in モバイル,   ソフトウェア,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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