宇宙カプセルの内部から「地球に帰還するまでの一部始終」を撮影し「大気圏突入の大炎上」「パラシュート展開」などの貴重な瞬間を音声付きで記録した高画質映像が公開される
宇宙開発企業のVardaが「宇宙カプセル内部が低軌道から地球へ帰還するまでの一部始終を宇宙カプセル内部に設置したカメラで撮影したムービー」を公開しました。ムービーでは宇宙カプセルが地球を周回する様子や大気圏突入時の様子などが鮮明に記録されています。
Here's a video of our capsule ripping through the atmosphere at mach 25, no renders, raw footage: pic.twitter.com/ZFWzdjBwad
— Varda Space Industries (@VardaSpace) February 28, 2024
カメラが設置された宇宙カプセル「W-1」は人工衛星プラットフォーム「Photon」に搭載されれ2023年6月に打ち上げられたもので、2024年2月21日にPhotonから切り離されて地球に帰還しました。以下の写真の赤枠で囲ったカプセルがW-1です。
Photonと切り離されてから地表に着陸するまでの一部始終をW-1の内部に設置したカメラで撮影したムービーが以下。
Varda Capsule Reentry - Full Video from LEO to Earth - YouTube
ムービーは、PhotonからW-1が切り離される場面から始まります。
宇宙に放り出されるW-1。
W-1はクルクル回転しながら地球を周回します。
太陽と地球。
ムービーの11分37秒頃から周囲にモヤがかかったような映像が記録されています。
モヤの色は白色から赤色へと変化し、12分20秒頃からは「ゴゴゴーッ」という大きな音が鳴り始めます。W-1が大気圏に突入したようです。
12分35秒頃から光の筋が見え始めます。
光の筋はどんどん細かくなります。この時の速度はマッハ5を超えているとのこと。
光の筋が段々減っていき、外部の色が赤色から紫に変化。
光の筋が見えなくなると、青い地球が映り込みました。
雲に向かって高度をどんどん下げていきます。
太陽が雲海の上部を照らすシーンも記録されていました。
雲に突入。
17分24秒の時点で減速用パラシュートが展開。
17分34秒でメインパラシュートが展開します。
メインパラシュートの展開から10分弱かけてゆっくりと降下し、ムービーが始まってから27分14秒で地表に着陸しました。
その後、着陸に成功したW-1はヘリコプターで拠点へと運ばれたそうです。
Some photos from our team's recovery of W-1:
— Varda Space Industries (@VardaSpace) February 22, 2024
(1) W-1 chute catching in the wind
(2) / (3) Recovery team getting the capsule ready for transport
(4) Capsule transport in a sling under a recovery helicopter pic.twitter.com/qdfgKMEDTc
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